「おはようございまーす!」
事務所の扉を元気よく開けると、そこには既に英雄さんと誠司さん、そして何故か清澄がいた。
「あれ、清澄、どうしたの?」
今日はFRAMEの打ち合わせで事務所に集まっていた。
清澄は仕事で外出って聞いてたけど…
「木村さん、おはようございます。所用でプロデューサーさんから書類を受け取りに来たんです」
清澄は目を細めて会釈した。
たしかに彼の手には茶封筒が握られている。
予期せず恋人の顔が見られた俺は思わず胸が踊った。
「それでは握野さん、ご連絡お待ちしていますね」
「OK、あとでLINKするな!」
そう言って清澄は一礼して事務所から出ていった。
「…清澄と何の話をしてたんです?」
「龍が来る前に最近できたパンケーキ専門店の話しててさ、期間限定で抹茶フレーバーのメニューが出てたから九郎に教えたんだよ。そしたら今度一緒に行こうって話になってさ」
清澄、パンケーキ屋さんに興味あるんだ。知らなかった。
「なんだ、龍も気になるのか?」
「いや、そういうんじゃないんですけど、」
「そうか、あの店のパンケーキは絶品だから楽しみだぜ」
先の予定に心を躍らせる英雄さんを横目に、俺はどこか気もそぞろだった。
胸のあたりがざわざわとして、なぜだかちくりと痛む。
なんだ、これ。
「龍も揃ったことだし、打ち合わせ始めようぜ!」
いつもどおり笑顔の英雄さんを前に、なんとなくもやもやしたものを抱えながら、俺はソファに腰掛けたのであった。
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