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    primulayn

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    primulayn

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    りゅうくろ

    「…5、6、7、8!」

    トレーナーの手拍子とシューズの軋む音が鏡張りのレッスン室に響く。

    「はい、今日はここまで!」
    「ありがとうございました!」

    今回の反省点と労いの言葉を残してトレーナーはレッスン室を出ていった。
    扉の横に設置されている時計を確認してみる。どうやら退室の時間まで余裕があるようだ。
    これならもう少し練習できる。

    「英雄、龍、自分はもう少しやっていくつもりだが二人はどうだ?」

    いつも全員で残ってぎりぎりまで練習していくのが常だ。確認するまでもないかと思ったが一応声をかけてみた。

    「俺も残ってくぜ」

    英雄からは即答で返事があった。しかし龍は少し気まずそうに口をもごもごとさせている。

    「どうした、龍?」
    「えっと…実は今日…早めに上がりたいな、なんて…」
    「…?もちろん構わないが」
    「すみません、今日は失礼します!お疲れさまでした!」

    汗を拭いたタオルや飲み物を無理やりカバンに突っ込んで、龍は風のようにいなくなってしまった。

    「龍が残らないなんて珍しいな、急ぎの用でもあったんだろうか?」
    「あーいや…」

    英雄が言いづらそうに目線を逸らす。
    なにか知っているのだろうか。

    「あいつ、明日初デートなんだ。九郎と」

    予想外の理由に、思わず目を丸くしてしまった。
    確かに急いでいるというより逸る気持ちが抑えられないといった様子だった。
    きっと早めに帰って明日の準備を念入りにしたいのだろう。
    龍らしい理由に思わず笑みが溢れる。

    デート、楽しめるといいな。


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