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    2025/6/15のアズイドペーパーラリーの無配です。お話という感じの小話です。

    #アズイド
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    starry sky ひとつ星をすくってフロイドにさし出した。
     フロイドはニコニコ笑って受けとってくれた。

     ふたつ星をすくってアズールにさし出した。
     アズールは顔をしかめながらも受けとってくれた。

     みっつ星をすくって空になげた。
     水しぶきがきらめいて、星が降ってきているみたいだ。

    「何してるんだ」
     アズールは不満そうな声を出すけれど、どこにもいかないで、ここにいてくれる。
     嬉しくなって尾ビレで水面をはね上げると、さっきとはくらべものにならないくらいの水しぶきが上がった。
    「あは、それいーね。星空みたい」
     フロイドも尾ビレをはね上げて、もっと星がきらめいた。
    「まったく」
     あきれた様につぶやくアズールはやっぱりとどまっていて、ますますうれしくなる。

     水面に星空が映るほどの、凪の海。
     危険だから近づいてはいけないと言われたそこは、たしかに生き物の気配がなくて静かだった。
     耳が痛くなるほどの静けさと、上か下かもわからなくなるほどの凪の景色。
     帰り道を見失いそうなおそろしい場所に僕らはいる。
     好奇心と冒険心と、なにより僕たち三人でならなんでもできるから。
     うずうず、と心のそこがむずがゆくて、アズールに尾ビレをからめる。
     フロイドと手をつないで、満天の星空をみあげる。
     きっとずっとこの星空は忘れない。
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