Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    遭難者

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 31

    遭難者

    ☆quiet follow

    ネタバレです、暴走した妄想です!
    以前、魏無羨なんで魂壊れなかったの?って不思議から妄想。
    テキストも上げられるんだ!ということでベッタにあった初文章を
    藍湛誕生日に…内容関係ないけれど!!

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation

    ーーーーーーー

     不可解なことがあった。

     何故、自分の魂はここにあるのか。


     自分が死んだ時、その時のことはあまり覚えてはいない。残っているのは魘されても醒めることなく泥沼でもがいているような嫌な感覚だけだ。
     反噬により肉体がなくなったとしても、魂はどうして今まで持ちこたえていたのか…

     鬼道で纏った陰湿な怨気が動力となり魂を存続させていたのだとしたら、恐らく大暴走しているはずだが、巷に流れる夷陵老祖が起こした事件はあまりにも小さい。…まったく、開祖に失礼なほど小さい。とすると…外に放出されていない怨気は内に籠り、魂を蝕んでいた可能性が高い。

     あの時、甦らせたい人はたくさん居たけれど、自分が今生に戻りたいは思ってはいなかったと思う。来世に生まれ変わりたいとも考えてはいなかっただろう。
     残してきた温家の人々のことさえ頭になかった。
     自分が招いたことではあるが…いや、自分が招いたことだと思いたくなかったから更に意識を狂わせていった。
    …金丹は長いこと無く、霊力は存在すらしない。

     魂は蝕まれ、この世に留まる気は一切なく、精神は傷付き、微々たる霊力すらない。

     魂は、砕けて消滅してもおかしくない状況だ。

     それなのに何故、自分はこの世に戻ってこられたのか…


     観音廟で知らされた事実で、ひとつの仮説が出来た。


     藍湛だ。


     あの時、自分に送ってくれた霊力は…恐らくその後に大きな力になったのではないだろうか。
     そして、霊力には彼の思いも乗って自分に流れていたのだろう。

     からっぽの自分にあの時残っていたのは、藍湛の霊力と藍湛の思いだけだったのではないだろうか。
     そのまま、肉体は無くなり、魂だけとなったとしたら…

     おそらく残っていた彼の執念が自分を留まらせ、その霊力を基に長い時間をかけて魂を修復していたのではないか。

     そして、魂魄が形を取り戻した頃に、莫玄羽が献舎の術を執り行った。と……


     あくまで、仮説だが……


    「……のろけだな。仕方ないよなぁ~、新婚だもんなぁ~…」

     珍しく早く起きた。隣に眠る夫の髪を梳きながら考えを巡らす。
     手稿を書く時のように起こった現象を分析する癖はどうも抜けない。
     あんな状況は実験で生み出せないから、当時のことを考えるしかない。けれどそれをするには、今の自分は…どうも偏りがあるような………

    「あー、やめたやめた!」

    「……何を?」

    「物思いに更けるのを!俺は正しい惚気に徹する!…もう、そんな時間か?」

    「いや、少し早い。」

    「悪い起こしたか?…なぁなぁ起きたなら~………藍湛?」

     藍湛が少し起き上がり、こちらに顔を近付けて来る。

    「…魏嬰、今は何も考えるな…」

    そのまま眉間に唇を寄せ、目尻に下り……

    「さすが!藍湛はわかってるなぁ!」

     今日は講学の予定が入っていた気がするが、時間を守らせてやれるだろうか?
     思追が起こしに来てオロオロする姿も、藍啓仁が怒鳴り混んでくる姿も容易に想像出来る。

    「まぁ、そうなったら、そうなっただな!」

     夜は、既に明けている。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💞😍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    はるもん🌸

    MOURNING魏無羨がニヤニヤしながら嗅がせてきたのは、いつしか見た事のある見た目がおかしい香炉。眠る前から怪しい展開になるだろうことはわかっていたが、まさかこの時の夢を見るとは思わず、数回ほど藍忘機は目を瞬かせた。
    香炉 初めての口づけ―――これは、夢か。

    魏無羨が目隠しをしたまま笛を吹いている。自分はそれを眩しそうに見ていた。どうせ気づかれない、気づかれてもこれは夢。そう思い、藍忘機は昔と同じように木の上にいる魏無羨の元へと足を運ばせた。いつしかの夜狩りの帰りに、見知らぬ夫婦が木陰で深い口づけをしているのを見かけた。

    好きなもの同士なら、ああやって愛し合うのかと学んだ。
    そして魏無羨と同じ事がしたいという欲を感じた。

    魏無羨に初めて口づけをしかけた時、あの夫婦のそれを真似た。目を隠しをしたまま的(マト)に矢を放った時の魏無羨は本当に美しく見えた。あれは私のもだと印をつけたくなるほどに。

    笛の音が聞こえた瞬間、霊獣を狩る事よりも魏無羨の傍にいたいという欲求が強まった。そっと遠くから眺めるつもりだったが、風を感じて気持ち良さそうにしている無防備な彼を目前に我慢をする事ができなかった。もうすでに自分たちは道侶。今襲わなくても毎晩これでもかと愛し合っている。しかしこの瞬間、藍忘機はあの時の劣情がまざまざと蘇り、気づけば彼の手首を抑えて口づけていた。それも無理やり。
    1378