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    so_fte7

    @so_fte7

    ツイッターに乗せられないえち傾向や投稿したSSログ置き場

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    so_fte7

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    ヌメ後のミザカイ 多分甘さ強いけど付き合ってないです

    #ミザカイ
    #遊戯王女性向け
    yu-gi-ohForWomen

    空明の聲何時だったかアイツが零した言葉を反芻する。
    月の雑踏を経て、天空を見上げたあの時以来訪れた平和こそが、どうしてか未だに実感が持てず私自身が生み出した夢幻のようだとも。常に頭上に降る満点の星々さえも砕け散った記憶共ではないのかと。
    そういったことを、どうしてかカイトへと吐露した際には、笑われた。


    『案外、お前もロマンチストだな』

    「……通信切るぞ」

    『馬鹿か? ミザエルがかけてきた癖に本題も言わず、深夜にはた迷惑な奴だな』

    「ええい、やかましい!!!」


    ヌメロンコードの力のおかげで我々は、またこの世界の地を踏みしめ奇しくも同じ生命を得た。ドン・サウザンドの戦いの時に私はそこまででも、悔いはなかった。何より心より…。心など、あの時は馬鹿らしくも思えていた。
    荷物に過ぎないと。

    それでも冷め逝く天城カイトの色と、それでいて月を纏う瞳の光が抱かれた一枚のカードに託されたモノは、私には重すぎたのだ。
    ――重すぎたのだ。
    純粋すぎる信頼と、幾度となく己を懸けた銀河眼と共に交えた心と、宇宙を割く光と。私はバリアンだったというのに、それさえも覆う彼の強い意志が、私を戦士へと駆り立てた。

    こころを、思い出させたのだ。




    通信機越しに聴こえるカイトの声は笑っていた。
    あの頃には到底想像もつかないような会話を今している。
    命までをも燃やした戦いなどなかったかのような、穏やかすぎるこの夜の帳の中に消える音。


    『だったら本題を早く言え。 こちらとて暇ではない』

    「クソッ…貴様、よくそれでここまで生きてこられたな…」

    『生憎と他人に対する関心は薄いものでな。 いや…余裕が、なかったんだろう』


    声色が変わった。
    肌を撫でる夜風のような、静謐に塗れた波紋を生み出す影のようなソレ。心臓の輪郭を撫でられたかの如く、ミザエルは心音を強張らせた。
    目の前の地面が、もう二度と踏むことのない月を彷彿とさせる渇きを鳴らした。

    「…カイト、」

    『? どうした』

    返ってきたのは己の音と、確かに在る心音。
    薄まらなくてよかった、などとまた言えば笑われるに違いないが、それでも我らが再び生きるこの世界も限りはあるのだ。


    「貴様の名を、道標にさせて貰おうと思ってな」


    少し空いた間の後、ならばまた闘おうと。
    遠くで銀河眼の鳴き声が響いた気がした。
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    Replies from the creator

    so_fte7

    PROGRESSSF風銀河眼組の進捗と尻叩き用

    ヌメロンコード後
    『月面から帰還したはずの天城カイトのDNAが一致しないSF風if世界線』

    ※ミザカイ・カイミザどちらも含みます
    ※宇宙についてなど諸々は素人の知識故に、
     間違い等などあると思いますがご了承ください
    ・プロット段階なので随時加筆修正有
    ・そのうち本に出来たらいいな~~~
    【ミザカイミザ】タイトル未定人は願いを語るとき、誰に受け取ってほしいのだろうか。

    さしずめそれは、ため息の如く自然と出てしまった泥にも似て、もしくは、恋焦がれた末の灰なのかもしれない。それを知るのは、いつになろうか。

    月の輪郭に、オレは抱かれていた。嫋やかに、冷たく、寂しい。

    孤独ではない気はした。だがそれを保証するものは、誰一人として居ない。
     眼を覚まさなければ───漠然とした、朝起きるように自然と夢の微睡の中で掴む意識のように、手を、どうにか。

    天城カイトは、そうしたかった。
     だが、彼の腕は上がらない。まるで己の体ではないような、鋼鉄の檻に魂が詰め込まれたかのように。指を象る感覚も、腕を持ち上げようとする筋肉の軋む熱も無い。
    ましてや、己が今見ている瞼の裏は、果てない闇の先なのか、それとも遠い遠い記憶の先なのか。
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