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    やはづ

    @ywzbg76

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    やはづ

    DONEタイトル通りのビリグレです。
    ふたりが幸せならOKです。的な人向けかもしれません。ハピエンとメリバの中間くらいです。
    共依存 エレベーターを降りて、少し薄暗い照明の灯る廊下を歩く。こつ、こつ。やけにはっきり、靴音がしじまの中に響いた。外はもう日が落ちていて、真っ暗だった。こんなつもりじゃなかったんだケド。予定では、もっと早くに帰宅するつもりだった。せっかくの、オフの日だったから。
     少し、脚の歩幅を緩めた。目的の場所へと近づくたびに、心臓の動きが早まる。なんて説明しよう。説明も何も、情報屋の仕事で手こずっただけだ。そうやって遅くなることは、今までにも何度もあったことだから。多分、同居人はビリーに怪我はないか、おろおろと確かめて、無事であると分かると胸を撫で下ろす。ただ、それだけ。
     ハニーを一瞥すると、時刻は二十時。日付が変わるまで、まだ時間はあるとはいえ。本当は、夕方には帰ってくるつもりだったのだ。一応、帰りが遅くなることは電話で伝えたから、心配は要らないと思うけれど。すぐ戻るからね。出かけるとき、面差しに寂しさを含ませた大切な恋人に対して、嘘をついてしまったことになるのが、何よりも嫌だった。
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    やはづ

    PROGRESSグに「大好き」って言われたビの話「友だちと思ってた人に、好きって言われたら、どーしたらいいの?」
    「はあ?」
     ウエストセクターの部屋で、まあ座りなよ、とぶっきらぼうに言われてソファに腰をかけた。ビリーは両手のひらで顔を覆ったまま、ぼそぼそと縋るように声を振り絞る。冷たい声が被さるようにして耳を貫いた。うう、厳しすぎる。涙が滲んだ視界のまま、ちらりと顔を上げた。もう、藁にもすがる思いで相談しに来たって言うのに、相談相手は凍てつくような視線をこちらへ向けていた。
    「相談に乗って、なんて言うから、いつも通り情報収集かと思ってたんだけど……。突然、何?」
    「柄にもないってのは、僕ちんが一番わかってるよ! DJなら、そういうの慣れてそうだから聞いたんじゃん」
     ぶす、と唇を尖らせて不貞腐れた振りをする。そんなことしても可愛くないから。一刀両断。分かってるってば! 軽口の応酬。うん、ベスティって感じだ。
     今回の相談も、友情とかいうあっつい青春な感じで受けてもらったわけじゃない。最近は、DJも優しくなったカモ? と思うことはあるけれど、しっかりと対価は払うつもりだ。どのようにって、もちろん情報で。ベスティがクラブで快適に遊ぶた 6120