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    ニシグモnshgm_nt

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    肛門触診用の手袋は滅菌のものじゃなくていいらしいです。肛門自体が菌でまみれているため。
    アナニーK富です。Ќでません。アナニーもしてません。富永がK抱く妄想してるところで断絶してるのでもはや何かわかりませんがこれはЌ富でしかありません。

    #K富

    スーパーヘルス ディスポーザブル手袋を両手にはめて、富永は覚悟を決めた。
     やるぞ。僕なら出来る。
     数年ぶりに実家に帰ってきた。まだまだ病院に詰めることも多いが、ようやく馴染んできたベッド。T村にいた間は、結局診療所の客間を一室借りていた。こうして寝比べてみると両親はずいぶんと良い寝台を与えてくれたのだと実感する。子供の頃はこの広々としたベッドが好きではなかった。親子で川の字に寝る話をしていた同級生に羨望を覚えたものだが、今はちょうどよい。
     シーツの上にバスタオルを敷いて、汚れ避け兼器材置き場にした。器材といっても大したものはない。今両手につけた手袋を除けば潤滑剤しかないのだ。己の指、それだけが頼りだった。潤滑剤を適量指にとると、ベッドの上で胡坐を掻いていた足を解いて、迷った末に側臥位を取った。すでに下着は脱いだ状態だったので、バスタオルのふわふわとした感触が腰をくすぐる。いよいよだ。緊張からか下腹部にざわつくような痛痒感がある。手袋のゴム越しに触れる液体に恐怖を覚えたのは久しぶりだった。
     いや、冷静になれ、研太。冷静でなければ身体がこわばって、成功はしないだろう。
     富永は深呼吸をする。腹式呼吸だ。ゆっくりと息を吸って、腹を膨らませ、腹筋を使って同じようにゆっくりと息を吐き出す。ついさっき腸内の排泄物を無理やり出して洗浄したせいか、すこし肛門がひりついた。
     落ち着けよ、落ち着け。
     いつまで尻を露出していても体を冷やすだけだ。富永は今度こそゆっくりと体の後ろに手を伸ばした。まごついたせいで指先につけて暫く経った潤滑油だが、体温に馴染むことなくひんやりとしていた。潤滑油に触れた尻が怯えたように慄く。自分の尻が震えるのを、富永の外科医して鋭い感覚を有した指先が敏感に感じ取って、相乗的に感覚が脳に届く。慌てない、慌てない。酷使した肛門を労うように塗り広げていく。力を込めないでつんつんと押してみたり、シワを広げるように周囲を揉みほぐす。マッサージの要領だ。潤滑剤はだんだん体温と混じって、ただ濡れた感覚が残った。性的な目的で触れているせいか、痒みとも疼きともつかない、奇妙で未知の感覚が尻から湧き上がってくる。そこに痛みはない。
     うんうん、怖くない、怖くないぞ。
     富永は直腸の触診をしたことがある。勝手はすでにわかっている。その上、今日のために前立腺診察の手順書を何度も、何度も、なんども! 読み返したのだ。患者への丁寧な説明と承諾の確認。そして都度都度の声かけ。諳んじられる。準備はバッチリだ。
     はーい、富永さん。少しひやっとしましたね。どうですか? ちょっとムズムズするかもしれませんね。さて、富永さん。じゃあ、いよいよです。あんまり緊張せず、リラックスして。ちょっといきむ感じで、いいですか? いきますよ? はーい、よいしょ! ……痛くないですかー?
     ……痛くないです。
    ‪ ‬よかったー。違和感はあるでしょうけど、ちょっと我慢してくださいねー。痛みはありますかー?
     ……ないです。
    ‪ ‬よかったですー。馴染んでから動かしていきましょうかねー。まだ動かさないから大丈夫ですよー。痛かったら言ってくださいねー。繊細な器官ですからねー。
    ‪ ‬はい……。
     我ながら馴染みやすそうな医者だと思いつつ、富永は一人芝居を切り上げた。少し呼吸が早くなっているから、再び深呼吸をする。当たり前だが、呼吸をするたび呼応して直腸が収縮をする。指先で自分の腸の収縮を感じて、なんだか少し泣きたくなった。泣くな、研太。医者だろう。
     医者は患者に寄り添うものだ。しかし、あくまで健康体の医者(基本的に。そうあるべきだろう)と病理に蝕まれる患者との間には経験の有無として、共感するにも確かな断絶があるものだ。百聞は一見にしかず、百見は一触にしかず。富永は今、身をもって経験していた。直腸触診、決して楽なものではない。尻に指を入れて勉強になるなあと考える富永はあくまで医療バカだった。現実逃避ともいう。
     果たして、人生で初めて侵入した直腸の中は人間らしい熱さでグニグニと動いていた。臓器の蠕動は富永のよく知った感覚だ。最近は腹腔鏡による手術が多かったが、開腹手術だって何度となくやってきた。落ち着いていこう。異物感はあるものの、痛くはない。まあ、たった指一本だ。大したことはない。この数分間、何度自分に言い聞かせたことだろう。もしそれを指導医か担当医が連呼していたら、富永はむしろ不安になったかもしれない。だが、関係ない。今日は「大丈夫」だということを身体に叩き込むことを目標にしていたのだ。富永は着実に歩むことを是とする医者だ。大丈夫。無理はしない。まずはこの指一本で、慣れよう。
     意を決して少し抜いてみることにした。手袋のゴム越しだというのにいい加減指がふやけそうな気がしていたのだ。つるつると、動かす。当たり前だが、三十余年受け入れたことのない異物が外へと抜けていくのだから、あるべきものがあるべき場所に戻っていくような納得感がある。いや、逆か? 変な話だ。直腸は出口だ。ものが出ていく場所なのだ。出すのは簡単だ。
     富永はまた指を入れてみる。何度か繰り返す。潤滑剤を少し足す。また抜き差しを繰り返す。一旦指を抜いてみて、肛門を外からマッサージしてみる。ぐにぐにと肉襞を押して、凝りをほぐすようにしばらく撫で回す。何となく緩んだ気がするので再び指を中に入れてみる。先ほどよりも挿入がスムーズな気がする。しばらくそのまま馴染ませて、ゆっくりと抜き差ししてみる。大丈夫そうだ。
    ‪‪ ‬異物感に慣れてきたところで、今度は上下だけではなく、振り子のように指を左右に動かしてみる。富永の腸は健気なもので、多少の横揺れもにも食いついてきた。次は円を描いてみる。指を曲げてみる。いける。楽勝じゃないか。
     ……これ、広がっているか?
     思えば、内臓なんて切られたりちぎれたりしても、塞がるものだ。人体というものはそこそこ激しく動いても問題ないようにできている。つまり多少のことではびくともしない。いわんやもともと空いている穴なんて。
     もう一本くらい、いけるんじゃないか?
     富永は恐る恐る二本目を入れてみることにした。すでに入っていた指を抜いて、二本を束ねて、ゆっくりと入れる。
    ‪ ‬──ずっ……ぷり。
    ‪ ‬実際には潤滑剤のおかげでぬるりと入ったわけだが、自分の肛門からの感触からそんな音が聞こえた気がした。
    ‪ ‬少しきついが、まあ、いけた、よな? いや、いった。いってるだろがい。いけない、こともない。きっと。多分。ほんと?
     本人の意思に反してたった一本増えるだけで富永の肛門は牙を剝いてきた。肛門に歯など生えることはないのに。富永は背中を走りそうになる怖気を抑え込むように深呼吸をした。
     だいじょぶですよー、富永さん。ゆっくり息をしましょうねー。はーい、吸ってー。吐いてー。ちょっとびっくりしましたねー。痛くないですかー? どんな感じですかー?
    ‪ ‬……痛くはないです。案外、悪く、は、ないです。
    ‪ ‬そして、よくもない。
     ……こんなもんだな、こんな。
     富永は肛門から指を抜いた。さすがに二本同時に抜いたからか一本だけの時よりも出ていった時ろ違和感が大きい。お尻が、むずむずする。そしてそこそこの時間肌を露出していたせいで、尻の外側が冷えていた。
     寝かせていた上体を起こして、富永はほっと息をついた。疲労感から溜め息とともに肩が落ちる。手袋を外して、ベッドサイドに用意していたビニール袋に捨てる。入れ替わりに脱いでいた下着とパジャマを手に取って足を通した。
     今日入れてみたのは指二本。当初の一本だけ入れて慣れるという目標よりも前進した。成功と言えるだろう。数時間のオペにも耐える強靭な富永の尻にとって、指なんて大したことはなかったのだ。しかしというべきか、だからというべきか、達成感もあまりなかった。
     ただ最終的に自分の尻に入れたいもののことを考えると、さすがの富永も怖気づく。手袋越しでない自分の手を見、指二本を束ねて目の前にかざす。一般的な成人男性の指だが、行き着く先を考えるととても細い。
    ‪ ‬いったいこの何倍の太さなんだ……。
     これからの途方もない道のりを思うと富永は果てしない気持ちになった。
     K、あんたの執刀を初めて見た時を思い出したよ。
     振り切るように、富永はタオルケットを頭からかぶって寝ることにした。
    ‪ ‬しばらくして本来の目的を思い出して、寝っ転がったままにパジャマのズボンを下ろした。何を隠そう、富永は自慰がしたかったのだ。

    ***

     思い返せば富永は仕事人間だったように思う。人を救いたいという使命感がそうさせるのは間違いないが、そもそも物心ついた時から患者のために砕心する父親の姿を見てきたから、自然とそういう心構えが出来上がったのだろうと、今でこそ考える。とにかく、まず第一が患者だ。医者を頼って病院に訪れた人間を放っておけないのだ。食事を片手間に症例を読み込む父の姿は、富永にとって苦い思い出であり、一番奥底にある医者の姿である。
     とにかく、医師や看護師を少なからず抱える総合病院の院長であった父がそうであったのだ。T村の診療所にいた時は、だから休みがなかった。Kと出会った頃は二人でこの村すべてを一手に引き受けていた。地元よりも患者の絶対数が少ないとはいえ、とにかくがむしゃらに駆けずり回っていた。比喩でなく、本当に村内のあぜ道を走り回っていた。若かった。走り回って、治療をして、Kから執刀の手ほどきや知識を受けて、患者の病状を確認して、日々進歩する医学を勉強して、泥のように眠って……。思い返せばどうやって生きていたのかわからない。壮絶な二人時代から診療所には徐々に人が増えていった。とはいえ、いくら互いを気遣って休みを持ち回しても重篤な急患が担ぎ込まれれば関係は無い。Kの系譜を差し引いても、皆、人を救うことを一番にしている人間たちの集まりなのだから、何かあれば村にいる限りすぐに駆け付けたものだ。反面、楽しい思い出もあった。この時期、Kと旅行に行ったり村井氏が出張先から買ってくる奇妙なお土産を楽しんだりもしていた。
     懐かしい話だ。今、富永がいるのは村の診療所ではない。富永病院に戻ってきて一週間、休むことも仕事であると、父に言い含められた。アンタが言うのか、と思わないでもなかったが、富永も理屈は分かる。父もいずれ息子を院長にするべく管理者としての在り方を説こうとしているのは理解できた。人生に反発して無医村に飛び出した頃とは違う。
    ‪ ‬であれば、富永も大人しく自宅に引っ込むしかないのだが、いかんせん暇だった。日進月歩の医療だから、読むべき症例や論文は尽きない。だが、人間そればっかりでは立ちいかない。息抜きもしないと、パフォーマンスも落ちてしまう。
    ‪ ‬元来嗜好は広い口だ。友人も少なくない。適当に誰かを誘って、とアドレス帳を開いて壁にぶち当たった。僻地で10年近く走り回っていた富永と違い、都心部で仕事に勤しんでいた同窓生たちはそろそろ家庭を持ち出している。おまけに不定休だから誘うにも気を遣う。病院に勤める同僚を誘おうにも、どうにもプライベートはプライベートという風潮が世に流れ出しているので、毎度毎度誘うわけにもいかない。こうやって友人は旧友となっていくのかしらと富永は感慨に耽ったが、そこまで寂しい思いをしなかった。友人たちのことは嫌いじゃないが、あくまで友人だ。休みだ、さあ何をしようと計画を練る時、一番に考える人なんて、はなから決まっている。Kだ。
    ‪ ‬そこで富永は気づいた。俺、Kのこと好きじゃないか。
    ‪ ‬そうだ。好きだ。大好きだ。
    ‪ ‬不思議な気分だった。自分をして戦友と言ってくれた、おそらく世界で一番尊敬する男。嫌いなわけがあるもんか。だが、そこに肉欲を伴っても案外素直に受け入れられた自分に富永は少し驚いた。
    ‪ ‬俺ももう若くないもんな。
    ‪ ‬T村に移り住んで間もない頃ならきっとこうはいかなかっただろう。父親への反発もあったが、あの頃の自分は正義や使命といったものに燃えていた。今も変わりはないと自負しているが、当時はもっと潔癖のきらいがあったのではないかと思う。患者を救うためならいざ知らず、自分の欲望のためだけには清濁合わせ飲めるほどの器量はなかった。早晩、理想と欲の間で身持を崩して、ボロを出して、Kの下を去ることになっていたのではないだろうか。いや、Kの下を去っては富永は未熟なままだから、自分の腕を磨くため、より多くの患者を救うため、案外死に物狂いで喰らいついたかもしれない。
    ‪ ‬それでも同じ屋根の下で耐えるのはきっと大変だろう。煩悩を消し去ろうとして走り込みだとか筋トレを始めていたら、富永は今頃、Kまでとは言わないまでも、そこそこ良い体になっていたのではなかろうか。Kの笑顔、優しさ、たくましさ、高潔さ。全てをとって、Kにときめかない瞬間がない。
    ‪ ‬それにエッチだし。
    ‪ ‬思考に魔が差したな、と富永は気づいた。だが一度そちら側に考えが傾くともう止まらない。
    ‪ ‬富永の優秀な脳みそは勝手に次々Kのエッチな特選集を呼び起こしだした。椅子に座ったKがこちらを見上げて薄く笑う唇。色白ではあるががっしりとした腕。風呂上がりで髪がまだ湿り気を帯びた姿や、白衣をガバリと羽織る時に見える太い脇筋、普段はマントに隠されたズボン越しにもわかるたくましい太もも……。
    ‪ ‬温泉に一緒に行ったこともある。あれは思いがけない小旅行だったが、その後泊まりがけで外出した時はホテル代を安く済ませましょうだとかなんとか、そんな言い訳をしてツインの部屋に泊まったこともあった。学生旅行みたいで楽しいですねえなんて、やたらはしゃいでいた。
    ‪ ‬わかりやすすぎやしないか。
    ‪ ‬過去の自分に呆れてため息をついた。‪
     自然と視線が落ちる。と、身体的事象として、事実がそこにあった。
    ‪ ‬富永は頭の中でざっくりと家族の予定を考える。父は夜まで帰ってこない。母はどうだったろうか。階下から人の気配はしないから、恐らく外出中だろう……。こんなことを考えるのは中高生の頃以来だと自嘲する間も惜しい。富永は感情の昂りに任せて、開き直っているのだ。少し冷静だったなら、「小人閑居して不善を成す」などと厳めしく唸る父の顔でも脳裏に浮かんだかもしれない。だが、もう誰も富永を止めることなどできない。
    ‪ ‬机の上のティッシュが空でないことを視界の端に捉えると富永は下履きに手を掛けた。今日は休みだ。履いていたのは部屋着のゆるいゴムのズボンだから、前だけくつろげることはできない。腰を浮かせるついでに富永は椅子から立ち上がってベッドへ移動することにした。小脇に抱えて運んだティッシュは適当な場所に置き直す。ズボンとパンツを下ろして性器に触れる。緩く竿を揉んで、扱くと少しずつ硬さを持ち始めた。頭に浮かべるものといえばKである。しばらく会っていないから、記憶の中からKの顔を、声を探り出す。
    ‪ ‬──富永。
    ‪ ‬Kの声は静かだけど朗々としていた。凛々しい表情は精悍さを湛えて富永を見下ろしている。思えばKはよく笑っていた。無表情だと思われがちだが、富永のとるに足らない世間話にはたいてい笑みをこぼしてくれていた。気安げで、少し控えめな笑顔が富永は大好きだった。
    ‪ ‬──富永。
    ‪ ‬Kは体格が良かったから、富永が肩を組もうとしたとしても肩甲骨を掠めるくらいだ。飛びついて、よくやく彼を捕まえることができるだろう。きっとびくともしないで富永を受け止めては、どうしたと問う。少し眉を顰めたのは気を損ねたのではなく、富永に何が起きたのか、おそらく心配と困惑がそうさせたのだ。なんて善い人。愛おしい人。
    ‪ ‬でもこれは富永の妄想だからここで終わらない。場所は都合よくKの部屋で、Kはベッドに腰掛けている。数年間一緒に暮らした中で、数度だけ見たことのある特別な部屋だ。体勢を崩したKは富永に押し倒されてシーツに横たわる。白衣と黒衣しか纏わないKは高潔さの象徴のように思われるが、富永は彼の内にある情熱を知っている。Kの肉の熱さは知らないけれど、Kがどれほど自分を慕ってくれていたかを富永は知っている。
    ‪ ‬自分を押し倒した男を気遣うように、Kはきっと支えるように手を伸ばすだろう。妄想の中で富永はお構いなしにKの肩に置いた手をゆっくりと下へ下ろしていく。筋肉のついたKはきっと体が温かいんだろうな。信頼し合う関係ではあるが、気安く身体を触るような仲ではなかった。全部全部、富永の妄想だ。それでもバカみたいに興奮する。Kの黒いシャツをたくし上げる。いつ鍛えているのか、そんな姿見たことないのに立派な身体が現れる。黒衣との対比か、やたら白く見える腹の肉に触れる。ああ、生きている。剥き出しの腹に吸い付いて、離して、また吸い付いてを繰り返す。富永が今まで行ってきたキスと比べると随分と肉欲にまみれていて、違う行為のように思える。これくらい力を込めて吸えば鬱血痕は残るのだろうか。誰かの体に痕を残したいと思ったことなんて、富永の人生にはなかった。それでも必死に吸いついて、Kの体を確かめるように唇を滑らす。腹直筋をなぞって胸に至った。大胸筋だ。いや、おっぱいだ。
    ‪ ‬うわー、Kにも乳首ってあるんだよな。そりゃ人間だもんね。
    ‪ ‬妄想の中だと言うのに一瞬躊躇って吸い付いてみる。富永はKの喘ぎ声なんて聞いたことがない。Kは乳首を吸われたら喘ぐんだろうか。喘がないかもしれない。それとも困惑して「富永」と名前を呼ぶのだろうか。突然の旧友の蛮行に突き飛ばされるかもしれない。
    ‪ ‬でも残念、これは富永の妄想なのだ。Kだって喘ぐし、富永はずっとKの肉に埋もれていられる。Kはどんな声で喘ぐのだろう。一緒に暮らしていた中で焦った声なんて聞いた覚えがない気がする。そんな人が自分の手で乱れてくれるなら、それほど興奮することはない。思い切ってえいやと目の前の乳首に吸いついてみる。自分の下の大きな体がビクリと震えるが、声までは出なかった。
    ‪ ‬うん、多分Kなら堪えるよな。口を手のひらか腕で抑えたりして。
    ‪ ‬視線を上げて見る。顔を赤く染めて、口を手の甲で塞ぎ声を抑えるKがいた。完璧だ。富永の理想のKがいた。
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    MOURNING肛門触診用の手袋は滅菌のものじゃなくていいらしいです。肛門自体が菌でまみれているため。
    アナニーK富です。Ќでません。アナニーもしてません。富永がK抱く妄想してるところで断絶してるのでもはや何かわかりませんがこれはЌ富でしかありません。
    スーパーヘルス ディスポーザブル手袋を両手にはめて、富永は覚悟を決めた。
     やるぞ。僕なら出来る。
     数年ぶりに実家に帰ってきた。まだまだ病院に詰めることも多いが、ようやく馴染んできたベッド。T村にいた間は、結局診療所の客間を一室借りていた。こうして寝比べてみると両親はずいぶんと良い寝台を与えてくれたのだと実感する。子供の頃はこの広々としたベッドが好きではなかった。親子で川の字に寝る話をしていた同級生に羨望を覚えたものだが、今はちょうどよい。
     シーツの上にバスタオルを敷いて、汚れ避け兼器材置き場にした。器材といっても大したものはない。今両手につけた手袋を除けば潤滑剤しかないのだ。己の指、それだけが頼りだった。潤滑剤を適量指にとると、ベッドの上で胡坐を掻いていた足を解いて、迷った末に側臥位を取った。すでに下着は脱いだ状態だったので、バスタオルのふわふわとした感触が腰をくすぐる。いよいよだ。緊張からか下腹部にざわつくような痛痒感がある。手袋のゴム越しに触れる液体に恐怖を覚えたのは久しぶりだった。
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