俺の名前は冨岡義勇3 俺の名前は冨岡義勇。キメツ学園高等部で体育教師をしている。
恋人は同僚の数学教師・不死川実弥だ。俺の地道な努力によって先日ようやく気持ちを受け入れてもらえて、晴れて恋人同士となれた。
そんな訳で俺は近頃気分が常に高揚しているのだが、さらにもう一段高揚させてくれる出来事があった。
何と不死川が、土曜の夜に泊まりに来てくれるというのだ。
不死川は七人きょうだいの長男で、弟妹達はまだ学校に通っている年齢だ。母親は働いているし、父親は物の役には立たないし(これは俺の見解ではなく不死川の言い分だ)、休日でもなかなかに忙しい。
勿論それは付き合う前からわかっていたことだし、俺自身不死川には家族優先でいて欲しいと思っている。何故なら、家族のことを話すときの不死川の幸せそうな顔が大好きだからだ。不死川から家族を奪うなど、いくら恋人とはいえしてはならないことである。
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