眉月討伐任務のため招集を受けたリーバルは、蒼い翼をはためかせ、迷いの森入口に構えたベースキャンプへと向かっていた。
本来割り当てられたリーバルの任務は、タバンタ大橋を占領する魔物の群れの討伐だった。それがまだ正午にならない内にあっさりと片付いたため、加勢の声がかかったのである。
視界の端に見えてきた森は、近付くにつれ現れた霞がその姿を覆い隠し全貌を分からなくさせる。
降下しようと姿勢を変えると、風を受けた右脚がじくりと痛み、リーバルは息を呑んだ。
午前の任務で大量の魔物と混戦状態になるうち、気付かぬまま電気の矢にやられたのだ。
止血はしたが、打ち所が悪かったのか痺れが取れない。
リト族一の弓使いであると自負するリーバルにとって、傷付けられたのは右脚よりもプライドだ。
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