あの子と僕/膝枕[リバミファ]「貴方の膝ってフカフカしてるんだね」
ハイラル城から程近い岩場の上に僕らはいた。
城の近くでゆっくり昼寝出来る場所はないかと聞かれた結果、二人でここにいる。
「少しチクチクするかなって思ってたけど、そんな事なかったね」
膝枕はミファーに請われて仕方なく貸してやってる。ちなみに人に膝を貸すのはこれが初めてだ。
「満足かい?」
「うん。ありがとう、ここに連れてきてくれて」
城の近くにもこんな素敵な場所があったなんてと、ミファーは上品に微笑む。
「英傑同士の会合前とか重宝したもんさ。ここは下から人が上がって来れないからね」
「どおりで寸前まで姿を見せないと思ったら……。だめだよ、これからはそういうコトしちゃ」
僕の膝に寝転がったまま、ミファーは嘴に人差し指を押し付けてくる。
「…善処するよ」
「ふふっ、素直でよろしい」
それから沈黙が訪れる。
穏やかな風が吹き、寄りかかっていた木立の葉を緩やかに揺らしていた。
「――――」
悪くない沈黙だった。