お題:ハロウィン、スーパーマーケット、低気圧、停電 童話の世界で生きられればどんなにいいか、と思う。組織の追っ手から無事免れ、めでたしめでたしと終わる平穏な世界。無事オオカミから逃げることができた、赤ずきんのように。
ただ、現実はそう上手くいかないのだ。
これから始まるのは、オオカミに捕まった、赤ずきんの話。
ずきずき、ずきずき。鈍痛が、頭の中を駆け巡る。ずっと、頭上に重いものがのしかかっているような、頭蓋骨に締め付けられているような、そんな痛み。
ハロウィン当日。パーティもそこそこに、渋谷で事件解決に尽力した探偵団は、後日、ハロウィンパーティの仕切り直しをしたいと言い出した。
そして十一月も半ばに差し掛かった今日、赤ずきんの仮装に身を包んだ灰原哀は、博士の家で子供達とお菓子を広げていた。
1942