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    I mainly draw Akaren ❤︎
    Besides, Upload the progress of manuscript production.
    猗窩煉メイン。
    あと、原稿進捗等。

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    POIPOI 29

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    ほしいも

    DONE家出と猗窩煉
    ■現代パロディ、同棲
    ■生活に無頓着な煉獄と心配性の猗窩座
    本当によく、些細な事で言い争いをした。帰りが遅くなる時は連絡が欲しいとか、洗濯物を部屋に持ち込まないで欲しいとか、一緒に出掛けている時に他の男によそ見をするなと言いがかりを付けてくる時もあった。一番最近では、普段料理を全くしない俺が珍しく台所に立ち、それを見た彼から「危なっかしいから二度と台所に入るな」と制された。年下の彼に子供扱いされた事にもカチンときたのだけれど、それ以上に俺の行動を制限しようとする物言いが気に入らなかった。気に入らなかったので、いつも以上に言い過ぎて派手に大喧嘩をしてしまった。人のいい大家さんから大層気を使った注意を受けるほどに。
     幾つもの言い争いと、時々の取っ組み合い。過去に一度だけ、コンビニまでの道中に取っ組み合いの喧嘩をして、お巡りさんに厳重注意を受けながら、それでも猗窩座と一緒に暮らしていた。大喧嘩を繰り広げた後も、結局は一晩眠ると些細な事であったと気がついたし、大体いつも彼の方が折れて謝ってくることが多かった。口にするのも恥ずかしいほどのくだらない喧嘩は笑い話しにすらならないが、それでも彼を手離す気にはならず、何なら、諍いを繰り返す度に絶対に離すまいと 2143

    ほしいも

    DONE1cm差の猗窩煉
    ■現代パロディ

    ファンブックで身長差の正解が出たら書けなくなると思って慌てました。
    俺よりも、身長は1センチ、年齢は二つ上の恋人と並ぶとき、ほんの少しだけ踵を上げてみる。ほんの少しだけ視界が揺れて、それだけだった。
     初めて踵に高さのある靴に足を通した時、世界が違って見えたと言った知り合いがいたが、俺の背伸びでは見える世界が変わるなんて劇的な事は一つもなかった。


     ソファーの上で二人、折り重なったまま目覚めた。上下逆さまの視点で壁掛け時計を確認すると、短針と長針も自分たちのように重なっている。この場合、短針が自分という事になるのだろう。短針の上には長針が被さっているし、自分の上で眠る恋人の方がほんの少し上背があるからだ。
    「杏寿郎、おい…杏寿郎、起きろ。」
    「やだ。」
    「起きているなら退いてくれ。」
    「いやだ。」
     わがままな長針は返事こそ素早く威勢がいいものの、眩しい日差しから逃げるように俺の胸へ顔を埋めている。並んで立っているとほんの少しだけ目線が上にある恋人を、こうして見下ろすのは気分がいい。
     ふわふわとそよぐ癖っ毛を撫でながら、こんな僅かな身長差なんて絶対に超えてやると息巻いていた学生時代を思い出す。結果はご覧の通りで、成長期を終えた自分の上背はこれが頭 935

    ほしいも

    DONE鬼の猗窩煉と急雷の少年
    ■鬼化if
    月のない静かな宵闇を、電光石火の剣技が走る。
     宵闇に溶ける漆黒の稲妻が駆け抜けていき、空を切り裂く雷鳴のような音が響く。耳の奥で騒がしくその余韻を残したまま、再び新月の暗闇が世界を包む。左の肩から脇腹へ抜けてその刃を受けた鬼殺の隊士は、自身の肌身が稲妻状にひび割れて崩れていく事に気が付く間も与えられずに倒れていく。静寂の中、夜風が草地を揺らす音と命を散らした塊が崩れ落ちる音が立つ。

    「ほら見ろ、上弦には呼吸を扱う鬼が居ると言うのは本当だったろう?」
    「あれは日輪刀か?人の打った刀が、血鬼術に堪えられるとは思えないが…何にせよ、素晴らしい剣技だ。良く鍛錬されている。」
     慰めるように肌を撫でる穏やかな風に乗って、異なる声音が二つ混ざり合うように届く。笑っているように、歌うように、軽やかで楽し気な話し声だ。地に伏せる肉塊から放たれる血と死肉の匂いは風下に流れ、風上から聞こえる二つの声に、汚れのついた刀を振って血飛沫を土へ還しながら、風下に一人立った鬼、獪岳が振り返る。間合い以上の距離を保ったままでありながら、気を抜くと足が竦んでしまうような威圧感を帯びる二つの影に目を凝らす。
    「どうだ 1553