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    @okayu_gohann
    書きかけメモちゃん/短文/えっちなのとか
    加筆修正したら支部行きです↓
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    とーじにやられた時の傷が残ってたら、な伏五ちゃん
    どんなに痕残したり傷つけたりしても結局反転で消えちゃうのに、ただ一つ痕残せたのがめぐの父親であるとーじってめちゃめちゃエモくないですか

    #伏五
    volt5

    額に落ちる前髪を鬱陶しげにかき上げたときに見えたのは、陶器のように艶やかな肌に似つかわしくない瘢痕だった。
    彫刻か何かのように、一つの狂いすら許さないものと思っていた彼の身体に残る歪な傷跡は伏黒に鮮烈な印象を与えた。

    穏やかでない色を潜めた深緑の瞳に気付かない訳もなく、刺すような視線を一身に浴びる五条は仕方ないと言った様子で真っ白な髪を上にやり、視線の求める先を露わにする。

    自ら求めたはずなのに、いざまじまじと見せつけられてつい目を逸らしてしまう。
    向かい合って座る伏黒のそんな様子を気にすることもなく、血の気のない指先で額を撫でながら言葉を転がし始めた。
    「もっとザクザクって刺されて、ズバーッてぶった斬られたんだけど、他は綺麗さっぱり。ここだけ残っちゃったんだよねえ。ま、初めて反転使ったのがこの時だからいきなり100パー完璧になんて無理だったのかな」
    けらけらと笑いながら口にされる、捉えようのない抽象的な擬音と不穏な言葉の羅列に、伏黒は隠すこともなく顔を顰めた。

    「どしたの恵難しい顔して。もう痛くないしただのケロイドだよ?」
    「五条先生に傷つけるなんて、よっぽどの奴ですよね」
    「あら、そこ気になっちゃう?教えてあげよっか、」
    「いいです、聞いたところでそれが治る訳でもないですし」
    五条は常と変わらない軽薄さで話を進めようとしたが、また一つ眉間に皺を寄せた伏黒がもう聞きたくないと言った風に話を切り上げる。
    元々この話の種を蒔いたのは伏黒だというのに、変なところで律儀な彼のいつにないぞんざいな様が物珍しく、元来飽きっぽいはずの五条がいやに関心を寄せた。
    「なんでさ、興味あるんじゃないの、ここ」
    ほら、と皮膚の盛り上がる箇所を見せつけるように伏黒に擦り寄ると、翠の瞳を複雑そうに揺らしながらぽつりと漏らした。
    「いや…俺は何も残せないのに、と思っただけです」
    忘れてください、と吐き捨てるように呟く伏黒の横顔は、様々な感情が交錯していて複雑な様相を呈していた。

    致命傷になり得る程の刺傷痕に嫉妬心を抱く浅はかさも、何も生み出さない関係に抗うように繰り返し跡を残す無益さも、五条に対する執着の表れであることを伏黒は自覚している。
    加えて、それを目の前の彼に伝えたところで、「恵はかわいいね」なんていたずらっぽく笑うだけだろう。

    押し黙ったままの伏黒とは対照的に、口元を僅かにあげた五条が、うっとりとした様子で目を細めた。
    「ハハ、やっぱり血は争えないね」
    伏黒は己の血統ゆえ、血縁を仄めかすような物言いには敏感な節がある。
    五条とてそれを知らないわけではないから、この言葉遊びは伏黒を試すものでしかなかった。

    「知らなくて良いって言ったのは君だよ、恵」
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    DOODLEとーじにやられた時の傷が残ってたら、な伏五ちゃん
    どんなに痕残したり傷つけたりしても結局反転で消えちゃうのに、ただ一つ痕残せたのがめぐの父親であるとーじってめちゃめちゃエモくないですか
    額に落ちる前髪を鬱陶しげにかき上げたときに見えたのは、陶器のように艶やかな肌に似つかわしくない瘢痕だった。
    彫刻か何かのように、一つの狂いすら許さないものと思っていた彼の身体に残る歪な傷跡は伏黒に鮮烈な印象を与えた。

    穏やかでない色を潜めた深緑の瞳に気付かない訳もなく、刺すような視線を一身に浴びる五条は仕方ないと言った様子で真っ白な髪を上にやり、視線の求める先を露わにする。

    自ら求めたはずなのに、いざまじまじと見せつけられてつい目を逸らしてしまう。
    向かい合って座る伏黒のそんな様子を気にすることもなく、血の気のない指先で額を撫でながら言葉を転がし始めた。
    「もっとザクザクって刺されて、ズバーッてぶった斬られたんだけど、他は綺麗さっぱり。ここだけ残っちゃったんだよねえ。ま、初めて反転使ったのがこの時だからいきなり100パー完璧になんて無理だったのかな」
    けらけらと笑いながら口にされる、捉えようのない抽象的な擬音と不穏な言葉の羅列に、伏黒は隠すこともなく顔を顰めた。

    「どしたの恵難しい顔して。もう痛くないしただのケロイドだよ?」
    「五条先生に傷つけるなんて、よっぽどの奴ですよね」
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