エメ、トセルク、大好き!2 ~花の香り ヘルメスが先に向かった牙の園まで、4人で向かいます。
ノトスの感嘆からナビを利用してゼピュロスの喝采へ移動すると、道沿いに鮮やかな花畑が見えます。
「綺麗だね」
彼女がそちらを眺めて顔を綻ばせました。
「お花、皆好き。いろんなお花、創る」
そこには様々な花が所狭しと咲き誇っています。足元に隠れるように咲く細やかな小花から、手を伸ばせと木の上から誘うように咲く花、宙を踊るように舞う花、人を飲み込みそうな大きな花も見えます。花の創造者達が好き好きに種を撒いていくのです。
花は気持ちを伝える素敵なプレゼントのひとつだと聞いています。
「ねえねえ、皆で、花束、作りたい!」
3人を見上げると、ヒュトロダエウスが穏やかな顔を明るくします。
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