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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    なりひさ

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    ガンマト。ガンガの理性を失わせて事を進めようとしたが失敗するマト

    #ガンマト
    cyprinid

    据え膳 疲れ果てたガンガディアが辿り着いたのは、地底魔城深くの自室だった。この混乱の二週間は屈強なガンガディアの肉体と精神を極限まで追いつめていた。
     この混乱の始まりは、勇者がバニーの姿をして現れたことだった。今思えばあれも罠だったとはっきりわかる。だがバニー姿の勇者が現れたとの報告を聞いたハドラーは、ガンガディアが止める間もなく城から飛び出していった。そして未だに帰らない。もしかすると不思議の国にでも迷い込んだのかもしれない。
     そしてハドラーがいなくなったタイミングを狙ったように、各地で謎のメッセージが空に浮かび上がった。報告によればそれは魔法によって作られたもので、だとすれば首謀者はマトリフだろうとガンガディアは思った。
     そこからガンガディアは各地を回ってメッセージを読んだ。メッセージは暗号で書かれてあり、それらは簡単ななぞなぞであったり、複雑な数式の解を求めるものであったりした。そしてガンガディアが必死でメッセージを解読していると、どこからともなくマトリフが現れて攻撃をしてくる。ガンガディアはマトリフの攻撃を交わしながら、なんとかメッセージを解読していった。
     そんなことが約半月間、不眠不休で行われた。さすがのガンガディアも疲れ果てていた。ぼろぼろになって回らない頭でようやく全てのメッセージを解いて繋ぎ合わせると、「お前の部屋で待っている。マトリフ」という言葉に辿り着いた。
     ガンガディアは地底魔城自室へと帰ってきた。そして見たのはベッドの上でシーツだけを身に巻きつけて寝転ぶマトリフの姿だった。
    「お、ようやく来たか」
     この時のガンガディアの気持ちがおわかりいただけるだろうか。ガンガディアは敵であるマトリフに心底惚れ込んでいた。しかもマトリフも満更でもなさそうである。マトリフは幾度もガンガディアを誘っていたが、ガンガディアはそれを拒んでいた。ガンガディアも本心ではマトリフを抱きたいと強く願っていたが、敵対関係では情を交わせないといつも拒んでいた。いつも必死に理性を働かせて我慢していたのである。
     ガンガディアは今にも倒れそうなほどフラフラだったが、マトリフは元気そうだった。マトリフはガンガディアの疲れ果てた姿を見てつまらなそうに言う。
    「なんだよもうへばってんのか?」
     オレなら一月は寝ないで戦えるぜ、と得意げに笑う。マトリフは身体を起こして身に纏うシーツの端を持ち上げた。
    「ほら、据え膳だぞ♡」
     普段は衣服に包まれて見えない内腿がシーツからのぞく。それはガンガディアの摩耗した理性を簡単に焼き切った。
     ガンガディアは一歩踏み出した。そして今まさに肉体と精神の限界を迎えて床へと倒れ伏した。
    「え、おい、ガンガディア」
     真っ裸のマトリフがいくら声をかけようとも、ガンガディアは三日三晩眠って起きなかった。



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    kisaragi_hotaru

    DONE無自覚のままであろうとした両片想いガンマトが自覚させられるお話。欠損描写がありますが最終的には治りますけれど苦手な方はご注意くださいませ。謎時空なので深く突っ込んではいけない系です。魔王は祈りの間にて引きこもり中です。
     乱戦状態だった。一人ずつ探して回復していったのでは間に合わない。マトリフは冷静さを保ちながら素早く周囲を見回して、次いで傍らでモンスターを殴り飛ばしたブロキーナに視線を向ける。最近習得したばかりの回復呪文を使うにしても発動中は無防備になってしまう。詠唱のための時間稼ぎも必要だ。
     「よお大将! 全員を一気に回復させてやっからちょっくらザコどもの相手を頼むぜ」
     「いいよん」
     モンスターの大群相手にしながらもブロキーナは軽いノリで請け負った。
     そんな二人の会話を聞いていた一体のモンスターが不満をありありと孕んだ声色でもって割り込んだ。
     「ほう。君の言うザコとは私のことも含まれているのかな?」
     トロルの群れの向こう側から青色の肌をしたさらに巨大な体躯が現れた。眼鏡を中指の鋭利な爪で押し込んで歩み寄ってくるその理知的な動作とは裏腹に額には幾つもの血管が盛り上がっていた。
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