昔のお話昔、少女アルシアは独りでした
しかし、独りで居ることの寂しさを隠し、誰にも己の弱さを見せたことはありませんでした。
いつもそう言って笑い、誰よりも強く在ろうと彼女は誓っていました。
でも、それでも寂しさはふとした時に訪れその度に苦しくなる胸を押さえつけ、知らぬふりをしていました。
そんな時、国の王子セリウスに出会いました。
彼は、少女に一目惚れをし何度も何度も彼女の居る神殿に通い、街の外の事を話してくれました。
彼女も段々と彼が会いに来てくれるのを楽しみにしていました。
軈て、セリウスとアルシアは結ばれました。
しかし、神はそれを赦しませんでした。
翌年、彼女は神の供物として選ばれたのです。
彼女は炎巻く祭壇に立たされ、その時を待ちました。
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