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    sangatu_tt5

    @sangatu_tt5

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    sangatu_tt5

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    🤕🔮と🔮💍

    #傭占
    commissioner

    ゲキのことを好きなイを愛してるナブ
    荘園でイは死んでしまって、ナブはイの遺品をゲキに届けにいく。
    ゲキはイと結ばれるために、家族が持ってきた縁談を全て断わっていたため、家を追い出されてしまっていた。
    ナブがイの遺品をみせるとゲキは泣き崩れて、いまにも死んでしまいそうだった。
    「私がダメだったらゲキのことをよろしくね」とイに言われていたナブはゲキの世話を焼くようになる。
    男女で暮らすことになったが、どちらも愛した男を忘れられず、互いに互いを通してイの面影を見ているため、毎夜別の部屋で眠り、性事とは遠く、朝起きればイの墓を掃除した。
    イの墓を掃除し、イのことを互いに話しながら朝食をとり、時間をずらして墓参りしては、ふたたびイの話をする。
    彼が風化しないように、己が知っているイの姿を語り続けた。
    いつの間にか、イとともに過ごした日々よりもナブのゲキは長く暮らし、年老いた。
    二人とも死後の遺言はイの墓の隣で眠らせてくれであり、先にその日が訪れたのはゲキだった。
    安らかに眠ったゲキを見届け、彼女の遺した手紙を見れば、ナブ宛のものがひとつあった。
    『拝啓 ナブ様
    ずっと謝りたかったことがあります。私はあなたが嫌いでした。あなたは私とイのことをずっと大切に思ってくれていたのに、私はあなたに嫉妬してました。
    あなたの口から私の知らないイが出るたびに心が軋みました。でも、あなたがいてくれたことでずっと彼のことを忘れずにすみました。
    私のイを取らないでと心の中で叫んだ数よりも、あなたのおかげでイを思い出すことのほうが多く、何度も救われました。
    あなたがイを愛してることはよく理解しておりました。きっとそれがさらに嫉妬を助長させたのでしょう。
    あなたは私の所作の節々をみてよく目を細めていました。私はそれがずっと疑問だったのですが、ふと私もあなたの所作に魅入ってしまってその意味を知りました。
    私もあなたもイの癖が移っていたのですね。だから、あなたは私に移ったイの癖を見て微笑んでいたのでしょう。
    それを理解したとき、なんとも泣きたい気持ちになりました。
    きっとあなたのほうがイのことを愛してるのです。悔しいと思ったと同時に、あなたの深い愛に救われました。
    イと私を大切にしてくれてありがとうございました。
    イを愛すあなたが好きでした。これは恋愛ではなく親愛として。きっと私たちはイを通して家族になったんだと思います。
    だからどうか、あなたも幸せになってください。そうして、あなたも同じ墓に入ってください。きっとあなたは遠慮するでしょうから、これは私の遺言です。
    私とイの指輪を持って、あなたは残り生きて、そうして同じ墓に入って、私たちにそれを届けてください。
    どうかどうかお願いいたします』
    そう綴られた手紙にナブは涙をこぼす。
    イと同じ墓に入りたいと思っていた事実も、そうしてそれをしないつもりだったことも全てゲキにバレていた。こんな言葉を遺されてはナブは叶えるほかない。
    イもゲキもなんてひどいのだと零しながら、ゲキが大切に持っていた指輪をドッグタグと一緒に鎖に通す。ナブはそれから一年も経たずに他界する。独り、部屋の中で、誰にも看取られずに死んだ彼はイとゲキの墓には入れず、ドッグタグに書かれた故郷に亡骸は送られた。
    燃やされた遺灰は川に流され、指輪は水底に沈む。
    目を覚ませば視界の先は真っ白で、自分の後ろは真っ黒だった。
    ナブが足元を見れば、足首を掴む手がある。前を向けば、遠くに笑い合うイとゲキがいた。
    目を細めて、涙を流し、抱きしめ合うその姿にナブはやっと見たかった光景が見れたと涙を流す。
    そうして、声もかけずに自分の名前を呼ぶ、殺した人たちや先に死んでいった仲間たちのいる方へと足を進める。
    「ナブ!」
    名を呼ばれ、立ち止まれば、イがナブの手を掴んだ。
    「ごめんね、ずっと約束待ってくれてありがとう……ごめん、ごめんよ」
    「泣くなよ、イ……やっと見たかったものが見れたんだ幸せだよ」
    「そっちに行ってはいけないよ。一緒に天国へいこう?」
    「オレはそっちに行けないんだよ。だって、人を殺してるから……償わないと」
    「それなら私も行くから……」
    「バカ言うなって……やっとゲキに会えたのに彼女まで地獄に連れていく気か?」
    「だって……だって……」
    涙を流すイにナブは困ったように眉を下げる。彼の背中を撫でるゲキも同じように泣いている。
    似たもの同士めとナブは笑いながら、イの涙を拭い、二人を抱きしめる。
    「大丈夫だよ……なんとかなるさ……だから、今度はお前たちが待っててくれよ、天国で、オレの話をしながら」
    「待つ……待ってるよ……」
    「……早く、来てくださいね……」
    そう言って、ナブの服を掴む二人に指輪を返そうとすれば、彼らは首を振った。
    「次会えたときに返しておくれ」
    「待ってますからね」
    ナブは笑って、指輪を握りしめながら暗闇へと歩く。
    イとゲキはナブの姿が見えなくなるまでその背中を見続けた。
    生まれ変わって再会する話
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    kawauso_gtgt

    DOODLE探占の下書き。
    とりあえずさせたい会話を書き並べてここから埋めていく。強かな占い師と諦めることを知っている探鉱者の会話
    ノートンとイライとの間に歪な関係が成立してから早数日が経過していた。その間も毎日とはいかずとも二人が身体を重ねた夜はそう少なくなかった。
    例えばノートンが一人生き残ってしまった日。はたまた心労がたたってイライが使い物にならなくなった日。そういう関係であるという免罪符を手にしたお陰か、気づけばどちらからともなく自然と互いの部屋に足が向かっていた。
    何も考えたくないとばかりに身体を重ねていた。

    荘園の仕組みには理解不能な点が多い。どれだけ深い傷を負ったとしても荘園に戻れば完治してしまうし、不思議なことにハンター達は試合外では攻撃してくることもない。それどころかサバイバーとの交流を持つ者すら存在しているという。それから試合でボロボロになるのはサバイバーだけではない。使い古されたマップでさえも、次に試合が行われるときには染み付いた血の痕でさえも綺麗さっぱり消え去っているのだった。

    イライはどうやら同世代の女性陣に捕まっているらしい。
    元来そういった性格なのか。小さなものではあれをとって欲しいだの何を探しているだの、大きな物なら代わりに試合に出てはくれまいかと。余程の事でなければイライは大抵 1216

    kawauso_gtgt

    MOURNING土竜とやこうふくろうの探占「……! ノー、」
    扉の隙間から覗く部屋の主にの姿を前にして、イライはその名を呼ぶことはできなかった。
    「……」
    積み重なる書類に、険しい表情。時折眉間に寄った皺を揉みほぐしながら空いている手は書類の上を滑っていく。彼が遊んでいるのではない、というのは一目瞭然だった。
    イライとてノートンがこなすべき仕事を全うしているだけだというのは十分に理解している。それを自分が邪魔していい道理があるはずもないということも。それでも、やはり。自分を見つけてくれた唯一の存在を、欲してしまうのはいけないことなのだろうか。イライにはまだ、分からなかった。ずるずると扉の前でしゃがみ込む。布越しに伝わる床の冷たさに小さく身震いをして、両膝に顔を埋めた。
    「つまらない、な……」
    力ない声が唇から溢れ落ちる。薄暗い廊下の果て、それは誰に届くこともなく静かに消えて見えなくなった。
    ***
    「……嗚呼、もうこんな時間か」
    ふっと沈んでいた意識が浮上する。まさか自分ともあろうものが意識を飛ばしていたとは。知らずのうちに無理をしていたのかもしれない。残りは明日でも構わないだろう。暖炉の火もほとんど勢いをなくしてすっかり冷 1029

    kawauso_gtgt

    PASTSS再掲。優しい探占。ゆらゆらと頼りなく揺れていた蝋燭の明かりが今まさに消えようしていた夜更け過ぎのことだ。
    今日も今日とて試合に引っ張りだこで疲れ切っているというのにも関わらず、暫く前から部屋の前で立ち尽くす気配にノートンは堪らず声を掛けた。
    「誰」
    「……ノートン」
    「……イライさん?」
    苛立ちを露わにした声に返ってきたのはなんとも弱々しい呼び声で。その声に毒気の抜かれたノートンは、チェアから腰を上げると扉の向こうをじっと見つめる。いまだに開けることを躊躇っているのか。それでも開かれる気配のない扉に、ノートンは先程よりも幾らか柔らかい口調で声を掛ける。
    「いいよ、入って」
    その声を受けてがちゃりと開かれた扉の先にいたのはイライだった。自室へと置いてきたのだろうか、いつもの定位置であろう場所に相棒の姿はなく、どうやら身一つで此処へとやってきたようだ。
    (それにしても、なんというか)
    明かりもすっかり消えてしまって月明かりしか照らすものがないとはいえ、その顔色は酷く頼りない。ふらりふらりと部屋へ踏み入るその足取りさえも思わず心配になるほどに覚束なかった。堪らずこちらに辿り着く前にその腕を引いてすっぽりと身体 1918