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    sangatu_tt5

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    リ占/金虎ちゃん想像妊娠

    #リ占
    lyLy

    虎ちゃんが想像妊娠して、悪阻が訪れるのね。
    金は突然吐き出した虎にびっくりするし、心配しながらも「行儀が悪いから気持ち悪かったら先に言いなさい」って言う
    虎ちゃんは食べ物の匂いと金からする僅かな匂いだけで気持ち悪いんだけど、金には言えない。
    酸っぱい味のする口に気持ち悪さを感じながら、吐き気を我慢する。
    少し気持ち悪さが落ち着くと腹が膨らみ出した。最初は少し太ったのかも思ったが、腹部以外はやせ細っている。子宮も何ない腹だけが大きくなる姿はまるで妊婦だった。
    虎は腹に子供がいるのだと嬉しくなって金に話す。

    「君の子供が出来たんだ」
    「嬉しいだろう?」
    「頑張って産むね」

    目を輝かせながら話す虎に金は見下ろしながら言葉が出てこない。
    目の前にしゃがみ、焦点を合わせ、金は虎の手を握った。
    頬を紅潮させ笑う虎は幸せそうだが、その頬はこけている。

    「貴方は雄だから子供は出来ませんよ」

    金が虎にゆっくりと幼子に説明するかの如く言葉を紡ぐが虎は首を傾げて、ラジオのように「嬉しいよね?」と言った。
    金はどう説明すればいいのかわからず、側頭部が殴られるような痛みを感じながら、「私と貴方の子なら嬉しいですね」と希望観測だけをこぼした。
    虎はちゃんと産むねと笑って自分の腹を撫でる。薄く内臓すら入ってるのか不安だった虎の腹はだいぶ大きくなった。
    遠目から見れば完全に腹に子を宿した雌であったが、やはり彼はどんどん痩せていく。
    臨月間近ではないかと思うほどの腹を金は撫でるが、腹を蹴るこの存在は感じない。
    ただ膨らんだだけの腹。虎は「今蹴っただろう?」と問いかけてくるが、動く命などいない。
    金は虎の冗談だと思っていたことが狂気に満ちてると理解する。

    「……一度先生に見てもらいましょうね。」

    金が虎にそう言えば、虎は眉尻を下げて、「どうしても行かなきゃいけない?」と問う。

    「腹の子が大事なら行きましょう。一緒に行きますからね」

    金が虎の手を優しく握れば、虎は小さく頷いた。
    金は虎をエミリーの元へ連れていく。
    エミリーは金から事情を聞いていたため、虎には当たり障りないことを話す。「経過は順調よ」とエミリーが言えば、虎はほっと息をついた。
    金と二人になりエミリーは頭を抱える。
    腹の中には何もいない。それでも虎に出ている諸症状は妊娠によるものだ。
    想像妊娠というのは考えているよりも体力も気力も奪う。
    虎がああして歩けるのが正直不思議だった。食事もまともに摂れていない手足の細さ。まろかった頬は痩せこけている。

    「あの子の腹には何もいないわよ」

    エミリーの言葉に金は息を飲んだ。
    そうかと納得すると同時に悲しくなった。安堵と居なかった悲しみ。いてくれたら嬉しかったのかと言われれば分からない。

    「でも、あの子はこのままだと死ぬわよ」

    金はその言葉に頭から冷水を被ったように身体が冷えていく。

    「なんで死ぬんですか?」

    金の口からやっと出たのは当たり前の質問だった。

    「だって食事が摂れていないでしょう? 餓死だってあるし、体力が落ちて病気にもなるわ」

    エミリーがカルテを人差し指でこつこつと叩く。

    「居ない子をどうやって産むんですか?」
    「産めないわよ。虎が納得しなければ子どもも産まれてこないし、腹も小さくならないわね」

    まるでガジュマルのようだと思った。
    金はどうすれば……と深く息を吐き出す。

    「なんであの子は妊娠などしたのかしら……。なんであの子は『腹に子が宿ればいいと』思ったのかしらね」

    エミリーが両手の指を絡ませながら金を見遣る。なんで……など自分が知りたいと思ったが、金は思い当たる節があった。
    虎が子を宿したと言う少し前から金は虎と距離を置いていた。別に嫌いになったとかではない。ただ何となく息苦しかったのだ。話しかけずに近寄らずにいれば、虎は金の袖口を恐る恐る引き、何かしたかと問いかけてきた。それすら煩わしく感じるのだから末期だろう。
    金はそんな虎を突き放した。
    その後だったのだと、エミリーに伝えれば、彼女は呆れたように金を半目で見た。

    「貴方が悪いわね。何が煩わしく感じたの?」
    「だって、彼は眩しいでしょう? 触れたらイカロスのように私が燃え尽きてしまう」
    「彼は別に太陽でもなんでもないわ」
    「知ってますよ。それでも、無垢さが恐ろしいし、…………微妙に噛み合わないのが嫌なのです」
    「虎は元々不具合なのだから仕方がないじゃない。引き取って育てた貴方が捨てようとするなんて無責任よ」

    エミリーの言葉に金は息を詰まらせる。そうだと思いながらも自分が悪いとは思いたくなかった。
    エミリーはそんな金の心情に気がついているのか再び大きなため息をついた。

    「どうすれば、虎は腹の子の事を間違いだと気が付くんですか?」
    「まず、『間違い』だと言うのをやめなさい。居ないと気付かせるよりも産まれたと思わせる方が手っ取り早いわ。経過を見て、適当なタイミングで子を産んだという体を取り、死んだってことにするべきよ」
    「………死んだことにするんですか?」

    「あそこには何も無いのだからしょうがないじゃない」とエミリーは机をつま先で叩く。
    金はそうですね、そうですねと言って俯いた。
    聞き分けよく頷く振りをするが納得などしていない。
    虎が腹を撫でて微笑む姿は愛おしかった。母の愛とは美しいものなのだろう。彼越しに見たそれは渇望するほど羨ましかった。昔なぜ女性を殺したのかと虎に問われた時に柔らかく殺しやすいからと言ったが、実は子宮に固執していた。
    産まれ直したかったのかもしれないし、産んで欲しかったのかもしれない。
    だからか、虎の姿はきっと狂気に満ちているのだろうが、金としては好ましかった。羨ましいにも近いのかもしれない。
    エミリーと話している間一人で部屋の外で待っていた虎は椅子に座りながら、退屈そうに両脚をぱたぱたと振っている。その間も虎の手は腹を撫で、我が子の動きを慈しんでいた。動く子供など、居もしないのに……
    金が少し遠くからその姿を眺めていれば、虎が金に気がつく。立ち上がって近寄って来ようとする虎を静止し、金は虎のもとに近寄った。
    片手を差し伸べ、虎が立ち上がるのを手助けする。
    虎は一瞬驚いたように金の顔を見上げ、ゆっくりと金の手に自分の手を重ねる。その様子に金は首を傾げるが、思い返せば金から虎に手を差し伸べることなどはしばらくなかった。
    虎は嬉しそうにしっぽを振りながら、金の隣を歩く。大きな腹を抱えて歩く虎はゆっくりとした動きしかできない。
    それでも、虎は金に歩幅を合わせようと少し駆け足になる。金はそれに気が付き、いつもよりもだいぶゆっくり歩むことを心がける。歩幅は小さく、虎の様子を見ながら……。
    虎は頬を緩め、耳を少し赤くしながら金の優しさを喜んだ。
    「歩くのは大変ではないですか?」と金が問えば、虎は「少しだけ……」と答える。

    「でも、大丈夫だよ。動くとね苦しいし大変だけど、この子が可愛いから苦痛ではないんだ。」

    虎が金を見上げて笑う。そしてすぐに俯いた。

    「ダイアー医師とは何を話していたんだい?」

    虎は突然立ち止まって、金に尋ねる。
    唇を少し噛みながら金を見据える虎に金は息を飲んだ。なんと答えれば良いものかと一瞬躊躇った後に、金は言葉を絞り出す。

    「ダイアー医師が何度か診察させて欲しいと。それと、出産が近づいたら医務室でしばらく過ごして欲しいと言ってましたよ」

    これは嘘である。否、虎の子が死んだと伝えるための下準備だった。
    エミリーが様子を見て、産んだということにする。そのための嘘。自分と愛し子の子を殺すための嘘。目頭がツンと痛くなる。ガンガンと割れるように頭が痛みながら、できるだけ優しい声を出す。
    虎は困ったように眉を下げ、少し口を歪めた。

    「ダイアー医師は嫌いじゃないけど、あそこは嫌いだ。君の部屋で産むではいけないのかい?」

    虎の足が足元に転がる石を蹴る。からんからんと音を立てて転がっていく石を何故か目線が追ってしまう。

    「何が嫌なんですか? 貴方の身体を思えば、ダイアー医師の元で産むのが一番安全なんですよ。理解できるでしょう?」

    金が虎を見下ろすが、虎の頭頂部しか見えず、表情が伺えない。

    「だけど、あの消毒の匂いは嫌いだ。君はそばにいてくれないのかい?」

    「立ち会えたら立ち会いますよ。彼女が許可をくれればですが……」と答えれば、虎は勢いよく顔を上げてこちらを見る。
    彼の鼻先は真っ赤だった。

    「本当に? 絶対だよ! 絶対ダイアー医師を説得してね!」

    そう必死に訴える虎の手を金は強く握る。彼の手が潰れないぐらいに調整しながら、そばに居ると伝えるように……。
    彼だって当然怖いのだろう。妊娠など普通はしないからだなのだから、仕方がない。逆に安心したぐらいだった。

    「もちろんですよ。頑張って彼女にお願いしてみますね」

    金の言葉に虎はもう一度小さく絶対だよと呟く。ゆっくりと虎の歩みに合わせながら金の部屋へと向かう。
    いつの間にか日は傾き、空は真っ赤に染っている。差し込む光も赤みをもち、強い光が自分たちを焼くのだ。
    虎は綺麗な赤だねと言ったが、金は血のようだと思った。血にしては明るくて眩しいけれど、まるで血が垂れたような空の色だった。段々と空が紫、紺色を経由し、黒くなる。
    「名前、何にしようか」と虎は少し弾んだ声を出す。「金は何か思いつくものはあるかい?」と虎は金に委ねてくる。
    何も思いつかない。何がこびりついているのに、この名前にしなくてはいけないと思うのにそれは不鮮明で言葉にできない。

    「……今は思いつかないですね。貴方はありますか?」

    虎に質問を返せば、虎もなんだろうと呟いた。

    「名前はね、親が子供に贈る一番最初のプレゼントなんだ。だからね、素敵な名前にしたい。金も一緒に考えてくれるだろう?」

    もちろんですよ……と答えながら金は胸を締め付けられる。
    そのプレゼントは虚空に消えるのだ。誰かに届くことは無い。そして、自分は親からのプレゼントを貰うことが出来なかった。
    悲しい……夕焼けのもの寂しさと共に心が沈んでいく。
    寂しくて寂しくて、金は虎を抱えあげた。触れる身体に熱が伝染する。

    「どうかしたのかい?」
    「歩くのが大変でしょう。私が運びますよ」

    強がっただけの言葉だった。温もりと心音が愛おしい。

    「大変ではないよ。うん、でもそうだね。君に運んでもらうよ」

    虎は金の肩に顔を寄せた。すりっと頬を肩に乗せて、金に密着する。

    「タバコの匂いしなくなったね」

    虎は金の匂いを嗅いでそう零す。
    よく吸うという程でもなかったが、金は日に1、2本タバコを嗜んだ。虎は正直それが嫌だったし、子を腹に宿してからは悪阻の原因のひとつでもある。

    「……やめたんですよ」

    そう囁いた金に虎は嬉しくなった。「そっかありがとう」と虎が言えば、「貴方のためではないです」と金が答える。
    虎はそれ以上何も言わない。
    ただ、悪阻が始まるまではタバコの残り香と金の香水の香りが混じっているのが好きだったなとふと思い出す。
    好きに吸っていいんだよと言わないのは言う必要性がないからだ。
    部屋の扉ががちゃんと小さな音を立てて閉まる。
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    kawauso_gtgt

    DOODLE探占の下書き。
    とりあえずさせたい会話を書き並べてここから埋めていく。強かな占い師と諦めることを知っている探鉱者の会話
    ノートンとイライとの間に歪な関係が成立してから早数日が経過していた。その間も毎日とはいかずとも二人が身体を重ねた夜はそう少なくなかった。
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    荘園の仕組みには理解不能な点が多い。どれだけ深い傷を負ったとしても荘園に戻れば完治してしまうし、不思議なことにハンター達は試合外では攻撃してくることもない。それどころかサバイバーとの交流を持つ者すら存在しているという。それから試合でボロボロになるのはサバイバーだけではない。使い古されたマップでさえも、次に試合が行われるときには染み付いた血の痕でさえも綺麗さっぱり消え去っているのだった。

    イライはどうやら同世代の女性陣に捕まっているらしい。
    元来そういった性格なのか。小さなものではあれをとって欲しいだの何を探しているだの、大きな物なら代わりに試合に出てはくれまいかと。余程の事でなければイライは大抵 1216

    kawauso_gtgt

    DOODLE探占続き。それぞれの価値観とは。それ故にか荘園には定期的にメンテナンス日が設けられる。
    イライはどうやら同世代の女性陣に捕まっているらしい。
    元来そういった性格なのか。小さなものではあれをとって欲しいだの何を探しているだの、大きな物なら代わりに試合に出てはくれまいかと。余程の事でなければイライは大抵の頼み事を請け負っていた。
    ノートンにはわからない感性だ。なんの見返りもなしに誰かに奉仕するだなんて理解ができない。正直にそう告げたとしても、きっとイライは困ったように笑うだけなのだろうが。
    今日はエマとトレイシーに捕まったようで庭の片隅にある花壇の手入れを手伝っているようだった。庭師である彼女が丹精込めて育てた花は色とりどりで、どれもが活力に満ちた鮮やかな色を纏っている。
    「……不細工な笑顔」
    窓の外。エマに腕を引かれながらイライは及び腰で彼女の跡をついていく。柔らかな日差しの中で色鮮やかな花々に囲まれるその姿はまるで一枚の絵画のようで。
    ノートンはそうした芸術には明るくないから分からないが。
    似たような絵画が館のどこかに飾ってあったのを見たことがあった気がした。
    ***
    コンコンと軽いノックの後、「ノートン、入るよ」と 1329

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    PROGRESS探占土竜と独歩行者
    進捗ちゅー
    多忙のあまり、些か過敏になってやしないか。言外にそう伝えたつもりだったが伝わっただろうか。形のいい眉がぴくりと吊り上がる。ちら、とこちらを一瞥する視線は何処か苛立ちを孕んでいるように見えた。土竜はゆらりと立ち上がると靴音を鳴らしながらイライの元へと歩み寄っていく。それからソファに腰掛けたイライの細顎を掴み上げて、するりと目元を覆う布切れを解いてしまった。流れるような自然な動作にイライは反応することが出来ない。小さく見開かれた瞳に、普段のおちゃらけた様子からはかけ離れた土竜の姿が映しだされる。
    「アナタのなんでもないほど信用できないものはないんですよ。だってアナタ、──……」
    「な、にを……ッ!!」
    続く言葉は飲み込まれて音にならなずに消えていく。唇を塞がれているのだと気づくのに数秒かかった。食むように重ねるだけの口付けは、段々と深い交わりへと変化していく。酸素を求めて開いた隙間に滑り込んだ分厚い舌が、口内の粘膜をねっとりと這い回る感覚に思考が定まらない。離れようと胸元を押したところで体躯の差に加えてもともと力の入りにくい体勢だったせいで大した抵抗にもなりやしない。どうすればいいかわから 1076

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    MOURNING土竜とやこうふくろうの探占「……! ノー、」
    扉の隙間から覗く部屋の主にの姿を前にして、イライはその名を呼ぶことはできなかった。
    「……」
    積み重なる書類に、険しい表情。時折眉間に寄った皺を揉みほぐしながら空いている手は書類の上を滑っていく。彼が遊んでいるのではない、というのは一目瞭然だった。
    イライとてノートンがこなすべき仕事を全うしているだけだというのは十分に理解している。それを自分が邪魔していい道理があるはずもないということも。それでも、やはり。自分を見つけてくれた唯一の存在を、欲してしまうのはいけないことなのだろうか。イライにはまだ、分からなかった。ずるずると扉の前でしゃがみ込む。布越しに伝わる床の冷たさに小さく身震いをして、両膝に顔を埋めた。
    「つまらない、な……」
    力ない声が唇から溢れ落ちる。薄暗い廊下の果て、それは誰に届くこともなく静かに消えて見えなくなった。
    ***
    「……嗚呼、もうこんな時間か」
    ふっと沈んでいた意識が浮上する。まさか自分ともあろうものが意識を飛ばしていたとは。知らずのうちに無理をしていたのかもしれない。残りは明日でも構わないだろう。暖炉の火もほとんど勢いをなくしてすっかり冷 1029

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    PROGRESS下書き。書き初め探占。hmhjmないで初詣に行くゆらゆら、とぷん。
    薄暗い水底に沈んでいた意識がゆっくりと引き上げられる。うっすらと重たい目蓋を開けるとぼやけた視界に己を起こそうと躍起になっている同居人の姿が映った。
    嗚呼、どうやら自分は炬燵で眠ってしまっていたようだ。
    寝落ち特有の気怠さからノートンはもう一度卓に頭を突っ伏す。少しだけ首を動かし腕の隙間から覗いた先には几帳面に積み上げられたみかんの山と、その隣に転がる中途半端に皮の剥かれたはぐれものが一つ。
    その隣に並んだ度数の割に飲みやすい! とCMで最近よく見かける缶チューハイの空き缶を眺めながら、ノートンは自身が寝落ちる前の記憶を思い返していた。
    そういえば、寝落ちる前に食べようとしたんだっけ。
    ぼんやりと右往左往していると思考を引き戻すように、同居人──兼恋人であるイライ・クラークは再度ノートンの腕を掴んで小さく身体を揺すった。
    「ノートン、ノートン。起きて」
    「……眠いから嫌」
    「炬燵で寝るのは身体に良くないよ。それに外を見て、雪だよ。ほら」
    「うわ、最悪……」
    思わず本音が溢れてしまったのは仕方のないことだろう。
    イライが指差した窓の外ではしんしんと降り積もる白い雪。眠 2534