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    はるしき

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    はるしき

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    夢現(フウモク)
    子フモ

    フウガとモクマの状況
    どういうわけかフウガの夢の中に入り込んでいる
    #お題ガチャ #CP場面設定ガチャ

    ##フウモク

    目を開けたとき、モクマはアマフリ殿へ続く石段の途中にいた。
    憂鬱な色をした曇り空が頭の上に広がり、今にも雨が降り出しそうだった。
    「……なんだろう、ここ、なんか……変」
    モクマは周囲を見回しながら、ゆっくりと石段を一段一段上がっていく。
    疲労感は無い。ふわふわと足取りが覚束ない。どこか現実離れした違和感を覚えた。
    モクマがゆっくりと上がった先は、滅多に足を踏み入れることも無いアマフリ殿へと辿り着く。
    周囲を見回す。小柄な影が二つ、モクマの視界に入った。

    「フウガ!」

    モクマは突如響いたその声に驚き、反射的に草むらへ飛び込む。
    ひどく混乱したモクマは、叫びそうになった口を両手で押さえる。
    「お、れの、声?」
    両手で口を押さえたモクマの指の隙間から、震える声が漏れる。
    遠く離れた小柄な影の一つが発した声は、自らの声によく似ている。
    「……!」
    モクマは目を見張る。

    そこには自分でもしたことが無いほどの、爽やかな笑顔を満面にたたえたモクマがいた。
    彼のモクマは、あろうことかフウガの手を握り、草むらに身を隠すモクマの目の前を駆けていった。
    「フウガ、今日はどこへ行く?」
    「そ、そうだな」
    媚びるようにフウガの手を握ったまま首を傾げるモクマに、フウガはやや頬を赤らめる。

    (どういうこと……)
    もう一人の自分の甘えるような言動、見たこと無いフウガの柔らかい表情。モクマは酷く混乱していた。
    「……っ」
    草むらに身を隠すモクマは、仲睦まじい自らとフウガの光景に言葉を失う。
    (これ、夢だ)
    モクマはようやく違和感の正体を理解した。
    夢以外、ありえない。これはモクマの夢なのだろうか。

    「お前が、良ければ……共に、河原に行きたい」
    彼のモクマに手を握られたまま、俯いたフウガはぽつぽつと言葉を零す。
    その言葉に、にこり、と彼のモクマは微笑む。
    「フウガと一緒ならどこでも行くよ、俺」
    「モクマ……!」
    彼のモクマの言葉に、ぱぁ、とフウガの表情が明るくなる。

    (フウガ……)
    嬉しそうに笑うフウガ。そんな顔をするフウガを、モクマは想像もしたことが無かった。

    「モクマ」
    フウガは彼のモクマから手を離し、その細く長い両腕で彼のモクマの身体を、恐る恐る抱き寄せる。
    「フウガ……」
    発したことが無いほど甘い彼のモクマの声。
    まるで恋仲のような二人は、互いの背に腕を回しあい抱き合って笑い合う。

    「……」
    その様子の一部始終を見ていたモクマは、食い入るように仲睦まじい二人の姿を見つめる。
    俄には信じがたいその光景。これは本当に自分の夢なのか。モクマはひどく狼狽えた。
    自分がフウガとこのような関係になる事を望んでいたのか。モクマはひどく混乱した。
    「……え?」

    フウガの肩越しにモクマを見つめる彼のモクマは、目をすぅと細める。
    彼のモクマは、先程フウガに向けていた笑顔とは異なる笑顔を浮かべ、モクマを見つめていた。





    「………」
    すぅ、と息を吐いたモクマは枕に顔を埋めたまま目を覚ます。
    何か恐ろしいような、嬉しいような、哀しいような夢を見た気がした。
    「………」
    モクマは身をよじり、布団にくるまり再び目を閉じた。
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    【書き出し】雨に混じるよく知った匂いを気づかれないように吸い込んだ。
    です

    #限界オタクのBL本 #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/878367
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    貴方はマバで『いくらでもくれてやる』をお題にして140文字SSを書いてください。
    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/587150
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