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    はるしき

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    はるしき

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    【零盧】

    「一体僕と何がしたいの?」
    #shindanmaker #この台詞から妄想するなら

    口調とかの練習

    ##零盧

    「で?一体全体俺と何がしてぇんだ、盧笙」
     突然電話を寄越してきたのは、今俺の目の前で腕を組んで睨み上げてくる男。いや、睨んでる訳じゃねぇか。元々あんま目つきがよくねぇってだけで、多分普通に見てんだと思う。そう思いてぇ。そうじゃなきゃ、俺はこいつ、盧笙に睨まれるためにオオサカのど真ん中にのこのこ来た馬鹿になる。
    「大したことやあらへん、ちょお酒付き合うて欲しいだけ」
    「酒?」
     盧笙が口にした言葉を、俺は思わず聞き返した。せや、と盧笙は当然って言いたそうな顔しながら頷く。
    「最近お前ら来おへんから全然呑んどらんねん。責任もって付き合え」
     理不尽な物言いだが、言ってる内容は可愛いもんだ。が。
    「なんだそりゃ……簓はどうした?」
     簓。
     その名を口にした瞬間、じとり、と盧笙が俺を睨む。
     こいつ本当怖いものねぇよな。俺もこの歳になって。この世界にそこそこいて、こんな真正面から睨んでくるやついねぇぞ。
    「仕事や」
    「……そうかい」
     いつもより低く機嫌が悪そうな盧笙が吐き捨てるように言う。
     機嫌が悪くなるポイントが分からねぇ盧笙ってのも珍しい。いつもこいつはコロコロ目まぐるしく表情を変えて、喜びも怒りも悲しみも、全部を身体いっぱい顔いっぱいで表現する。今時珍しいやつだ。
     そんな奴が、今日だけは分からねぇ。
     俺と呑みたいってのも、何か簓からけしかけられた意図でもあって盧笙本人の意思じゃねぇってこともあり得る。
     ここは慎重に行かねぇと、どこで地雷踏むか分からない。
    「俺が零と呑みたい」
     ぐ、と盧笙の顔が近づく。
     初めて写真で見たときも思ったが、こいつは本当に顔が整ってる。切れ長な目も薄い唇も最初目を見張ったが、実物見たときはため息が出た。
     んで、今も。こんな勝ち気な美人に睨まれるとは、男冥利に尽きるな。
    「それじゃアカンか?」
     さっきまで目も眉もつり上げて俺を睨んでた盧笙が一転、気弱そうに目元を緩めて首を傾げながら俺に聞いてくる。
    「簓が居らんと嫌やってなら、今日は解散でえぇけど」
     自信なさげに斜め下を見る盧笙がどうにもいじらしい。俺は腕を伸ばして、がっつり盧笙の身体を引き寄せた。
    「ご指名、ありがたくいただいとこうかね」
    「なんや急に……」
     恭しく礼を言ってみりゃ、逆に警戒心が増したのか俺の腕から逃げようとする。
    「ホンマに嫌やない?」
    「こんな別嬪と呑めるってのに嫌なわけねぇだろ」
    「アホ言うな、誰が別嬪や。お前目ん玉ちゃんと付いとんのか」
    「はっはぁ」
     盧笙が逃げないように肩を掴んで、耳に口を近づける。
     特殊な形状のヒプノシスマイクを収めてる盧笙の耳。耳朶は思った通り薄い。用があんのは、ぽっかり空いた耳の穴。
    「お前は特別、一等別嬪だよ」
     わざと声を低くして、耳元で囁く。ぶるり、と盧笙の細い身体が震えた。
    「あ、アホ!俺口説いてどないすんねん!つーかたばこ臭いわ!寄るな!セクハラやぞ!」
     俺の腕の中からあっという間に耳を押さえたまんま離れた盧笙は顔を真っ赤にしてぎゃあぎゃあと喚く。拳を握る。あ、こりゃやべぇ。
    「おいおい、先口説いてきたのそっちだろ?」
     突き出された拳を避ければ、盧笙は舌打ちしやがる。こいつはとんだじゃじゃ馬だ。それこそ、俺が今まで出会った中でも一等の。面白い。俺は久々に楽しいと思った。
    「……揶揄いすぎて睨まれねぇようにはしねぇとな」
     肩を怒らせて俺の前をさっさと歩く盧笙の陰に見え隠れする気配。この場にいねぇってのに、ずっとべったり纏わり付いている。細っこい目で俺をじっと睨む。
     とりゃしねぇよ。からかってるだけだ。
     俺は陰に向かって鼻を鳴らした。
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    いつものミコッテ♀ヒカセンだよ
    ※謎時系列イマジナリーラザハンにいる
    ※実際のラザハン風は多分違うと思う

     まだ土地勘のないラザハンで、ほとんど拉致されるように連れ込まれた店にはウルダハでもなかなかお目にかからないような服や宝飾品が並んでいた。
     彼が選んだ数着のドレスごと店員に任せられたかと思ったら試着ファッションショーの開催となり、頭に疑問符を浮かべたままサベネアンダンサー仕込みのターンを彼の前で決めること数度。
     そういえばこのひと皇帝やってたんだっけと思い出すような審美眼で二着が選ばれ、それぞれに合わせた靴とアクセサリーが選ばれる。繊細な金の鎖のネックレスを彼に手ずからつけてもらったところで我に返ると、既に会計が済んでいた。
     当然のような顔をして荷物を持ってエスコートしてくれるまま店を出たところで代金についてきけば、何故か呆れたように、プレゼントだと言われてしまった。
    「今日なんかの記念日とかだっけ……?」
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     秋。一年で最も実りのある季節。
     あぁ、今年も来てしまったと言わざるを得ない。大きく溜め息を溢した後ろで、恋人が笑っている。

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    DOODLE一緒にいても何とも思わないけど一緒にいなかったらなんとなく不安になる夜帳と比鷺
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    早野の夜鷺さんへ贈るタイトルお題は、『書を捨てよ、此処を発とう』 です。
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     浪磯の部屋を引き払って別の部屋を借りる予定だと聞いたのは、その部屋を明け渡すほんの数日前の事だった。というかつまり、今日初めて知った。
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     良い風じゃん、日当たりも良さそう、トマトでも育てれば? なんていい加減なことを言いながら不思議な気分になったのをよく覚えている。出会ったばかりの頃はずっと萬燈に怯えていた。今は……今はどうだろう? 怯えたって仕方がない相手だとは思う。怖い部分もあるし、可愛い部分もある。人間らしいな、と思うときも人間らしくないな、と思うときもある。まあだから、つまり、慣れたんだろう。慣れた比鷺はふかふかのソファに寝そべってテレビで洋画を見たりもした。自分が介入できない映像を二時間も見続けるのは大変だな、と思って、次はあまり使ってないゲーム機を持ち込んだ。萬燈と対戦して、勝ったり負けたりする。……まあ、トータルでは俺が勝ったけどね。
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