リー探偵事務所へようこそリー探偵事務所で起こった爆発事故については、ロドスにも一時間と立たずして連絡が入った。仮にも業務提携先であり、あの事務所は龍門における緩衝材、国家権力とアンダーグラウンドのバランサーだ。報告を聞いたときには、すわ敵襲による爆破かと緊張が走ったものだが、よくよく話を聞いてみれば調理中に起こった事故なのだという。リーとウンがその手のミスをするとは考えにくいから、おおかたワイフーかアが厨房に立っていたのだろう。
そうして一夜にして職場と家の両方を失ったリー探偵事務所の面々が転がり込んできたのが、ここロドスだった。
「なんとかなりませんか、ドクター」
「そうは言われてもなあ」
私たちはロドスの廊下を歩いていた。無機質な空間で、二人分の足音と話し声が反響する。屋根と壁があって雨風を凌げることがこんなにありがたいとは思いませんでしたよ、と彼は隻腕の狩人のようなことを言った。
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