Recent Search

    はるち

    好きなものを好きなように

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐉 🍵 🎩 📚
    POIPOI 161

    はるち

    DONEリー先生お誕生日おめでとう
     目覚ましとして使っている音楽は、それがどんなに美しいものであれやがては嫌いになる。起こされる不快感に塗り潰されるからだ。
     しかしドクターは、アラームとして使っているその旋律を未だに嫌いになれなかった。リーが好きだと言っていたものだから。先ほどから惰眠に沈んでいる自分を起こそうと、落ち着いて、けれども根気強く流れているそのメロディの出所を探していたドクターは虚空に向かって手を動かし、数度手を振ったところで、そもそもそれは自分の手首から聞こえてくることに気が付いた。
     目を開ける。白熱灯の眩しさが意識を覚醒させる。自分を起こしたのはタイマー機能のある腕時計だった。竜頭を押し込んでその音を止めたドクターは、ゆっくりと立ち上がった。どうやら自室に戻ってから、ベッドへもぐりこむ前に床で眠ってしまったらしい。大きく伸びをすると、全身の筋肉と関節が不平不満を訴えた。床で寝ていただけではない。ここ数日の激務が原因だろう。龍門からウルサスへと向かう道中にはそれなりの波乱万丈があり、のみならずヴィクトリアで起こっているきな臭い一連の騒動の処理と情報収集には、かなりのリソースを割く必要があった。人的にも、時間的にも。昼夜の区別なく働いていたが、ウルサスへと無事に到着したことにより、徹夜新記録を樹立する前にけりが付いたことは僥倖と呼ぶべきだろう。
    6666

    はるち

    DOODLEリー先生から佩玉を受け取ったと聞いてわやわやする炎国勢のお話です。
    フォロワーさまとの会話の産物となります。
    大安吉日は晴れているか ドクターがリーから佩玉を受け取った――という情報は瞬く間にロドスに在籍する炎国出身オペレーターたちの間を駆け巡った。
     例えば髪飾りや首飾りといった他の装飾品ならいざ知らず、佩玉は彼らにとって特別な意味を持つ。
     すなわち、求愛だ。
     それをドクターが受け入れたということは――つまり。
    「どどどどどどうしましょう?!」
     炎国オペレーターたちの溜まり場となっている休憩室――タイミングが良いとジェイが魚団子を振る舞ってくれる――に飛び込んだスノーズントは、イベリアにあるサルヴィエントの洞窟もかくやという勢いで立ち込める湿気と暗闇に短い悲鳴を上げた。
     湿度と瘴気の出所は、炎国式円卓を囲んでいるチェン、スワイヤー、ホシグマ、リンだった。テーブルに肘をついて両手の指を絡め、顎を手に預けるチェンの眼光は鋭く、今まさにあの巨大ロボに乗って敵を撃墜せよと命じかねない雰囲気があった。反射的に回れ右をしてその場から立ち去りたくなったが、スノーズントは逃げちゃダメだと震える膝に言い聞かせた。
    5713

    はるち

    DOODLEリー先生とホシグマさんが丁々発止の丁半博打をするお話。CP要素は特にありません。
    フォロワーさまの「あのコーデで丁半博打をするホシグマさん」というツイートを見て書きたくなりました。絶対似合いますよね。
    龍鬼八八華合戦*本作は「真庭語/西尾維新」のパロディです。

    うへえ、と扉を開けたリーは悲鳴とも悲嘆とも付かない声を上げた。それが失言と気づいて口を抑えても、吐いた言葉は戻らない。
    デスクと二人分の椅子だけが置かれている室内で、ホシグマはにこりと仕事向けの笑みを浮かべる。
    「こんにちは。お久しぶりです、リー先生」
    「いやあ、どうも、ご無沙汰してます――ホシグマさん」
    口にこそ出さないもの、その瞳は雄弁に語っている。何故あなたがここにいるんですか、と。
    一部のオペレーターは入職時に明らかに実力を秘匿している。総合テストはクリアさえすればいいというのが現在のロドスの方針だが、やり方を調整する必要があるのではないか――というのが、先日行われた会議で人事部が出した結論だった。その会議の発端となったのがリーであり、故に人事部が模索している新形式の入職試験、その試運転テストに召集されたのも、やはりリーだった。
    5971