現パロ付き合ってない両片想い鯉月鯉今日は愛しい男と出掛ける日。
俗に言う「デート」というやつだ。
単なる買い物だと思えばなんてことはない日常なのに、「デート」と名称を付けると何だか特別なものになって胸の内がくすぐったい。
髪型はおかしくないだろうか?服装は整っている?
手鏡を常に持ち歩くのは自惚れているからではなく、皆の前に出て恥とならない姿であるかを確認する為だ。
それに、こちらは別問題ではあるが、好いた男の前では少しでも格好良い自分で居たいと思うのは当然の心理だろう。
「鯉登さん」
後ろから名前を呼ばれどきりと胸を高鳴らせる。自分が生娘のようになってしまったのは、この男の低く通る声のせいだ。
「月島ぁっ!やっと来たか」
「ええ。鯉登さんはお早いですね」
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