「おいで、ノートン」
呼ばれるままに、椅子に座る彼の元に歩み寄る。
長い腕が大きくこちらへ差し出されて、膝上に乗るように促される。
なんだか子供扱いみたいでこの触れ合い方はあんまり好きじゃないんだけれど。
仕方なく伸ばされた腕に手を添えて、そのまま彼の膝に向かい合わせに座った。
一度ぎゅっと抱きしめられて、僕も彼の背中に腕を回すとにこりと満足そうに微笑まれる。
「それで、何をするって?」
「先日面白いものを見かけましてね」
どこから出したのか、ジャックの手には白い箱があった。
それを僕に差し出して、開けてみてと笑う。
言われるままにシンプルな装飾を解いて箱を開けると、中には3色のチューブが収まっていた。
「なにこれ、化粧品?」
2026