ふわふわたいむ! 必死に動かした足が縺れそうになる。それでもオレは同僚からのたった一言のメッセージが届けられた端末だけを握りしめて、夜の街を駆けていた。
今日は久しぶりのオフだったし、その間にやりたいことが溜まっていたから一日中、寮に引き篭もっていた。積み本になっていた漫画を読んだり、共有スペースで開催されていたゲーム大会に顔を出してみたり……我ながら充実した一日だったと思う。あとはぎっちぎちに詰め込まれた明日からのスケジュールを再確認して眠るだけ……そう思ってベッドへ潜り込もうとしたところで、私用のスマートフォンが短く震えた。SNSの通知が届いた証だ。テーブルに伏せたままだった端末を拾い上げ、画面を点灯させる。
5574