Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    KE_bluerose

    @KE_bluerose

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 7

    KE_bluerose

    ☆quiet follow

    #五乙
    fiveB

    祈りにも似ていた百鬼夜行の後。一気に4級まで落ちた教え子を鍛える為、呪霊の湧く霊峰の上空へトび、落とした。
    「え…?」
    ぱっと手を離すと少し間の抜けた声が上がり、そのまま落下していく様を観察する。
    特に何の説明もしなかった為、しばらく慌てふためいていたが、呪霊の存在を感知するとその動きが変わる。背中に背負っていた刀を抜き去るとすぐさま臨戦態勢に入り、落下のスピードを伴いながら呪霊へと刀を突き立てた。そしてそのまま地面へと降り立ち、残りの呪霊をばっさばっさと切り捨てていく。
    「うん。いいね。ちゃんと対応できてる。ただ──」
    全てを祓い終え、刀を鞘に収める憂太の姿に自分も地へと降り立ち声をかける。
    「お疲れサマンサー」
    「酷いですよ、先生。いきなり何も言わずに落とすなんて。」
    「メンゴ。けど憂太なら大丈夫だと思ったんだよね。実際そうだったでしょ?」
    「確かに、そうですけど……だからって、何の説明もなしなんて」
    「それも含めてできるか見たかったから。」
    そう言ってしまえば不平はそこでストップしたけれど。少しむすっとした表情を見せる教え子に、特級の力を有するとはいえやはりまだ子供だなと感じる。
    「それで。僕は合格ですか?」
    「百点満点。けど」
    「けど…?」
    それは、前から少し懸念していたことだった。
    「憂太ってさ。もしかして、呪霊かわいそーとか思ってたりする?」
    「まさか。そんなこと思ったこともないです。」
    嘘を言ってるって訳でもなさそうだ。ならあれは、無意識のものか。
    「だって呪霊は忌むべきもので、祓うべき存在でしょう。」
    「まあ、そうなんだけど。」
    杞憂だったかなと考えていると、憂太は少し思案してからまた口を開いた。
    「憐れみ、とかはないですけど。呪霊に自我みたいなものがあるなら、それは生き物を殺すことになるのかなと。」
    「罪悪感を感じるってこと?」
    「いえ、そこまでは。彼らは所詮呪いですから。ただ。人から生まれた負の感情を祓うということは、浄化に似てるのかなとは思います。」
    「ふーん。」
    成仏しろよ、みたいな。そんな感情だろうか。自分にはないものだから、いまいちピンとこない。
    祓うとは、神に祈って罪や穢れ、災いなどを取り除くという意味だ。ならそれは、本来正しいことなのかもしれない。そう踏まえれば、これまでの彼の戦い方や先程の光景にも納得がいく。
    目を瞑り、祈るように呪霊に刀を突き立てた彼の姿に。それはどこか神聖な儀式にも見えて、美しいとすら感じた。
    呪術師の仕事は綺麗なものとは無縁の、言わば汚れ仕事だ。それでもそういう風に見えてしまうのは、彼の心が綺麗だからだろうか。
    軽薄と言われる自分とは大違いだなと、思わず笑みを零した自分に不思議そうな顔を浮かべる憂太に、何でもないよと告げ改めて宣言する。
    「次はショッピングモールに行きます。」
    「買い物でもするんですか?」
    「ははっ。違う違う。呪霊わきわき廃墟モールでーす。」
    「……何だ。先生とモール行けると思ったのに。」
    「僕も一緒に行くから大丈夫だよ。」
    「そうじゃなくて……もういいです。」
    拗ねてしまった憂太に、少し意地悪が過ぎたかなと内心で笑って。それから
    「嘘だよ。それが終わったらちゃんとしたモールでデートしよ。」
    「!はい。」
    途端笑顔になった憂太はやっぱり子供で、単純だなと思う。
    まあ、そういうところがかわいいんだけど。
    そんな年下の子に絆されて舞い上がってる僕も、大概大人ではないけどね。
    「先生。早く行きましょう。」
    「はいはい。」
    うれしそうにはしゃぐ姿がかわいくて、五条は微笑みを浮かべながら歩き出した。










    これは二年生憂太がアニメで初登場した時に私が感じたことで。それを元にこのお話を書きました。
    なんかホント、美しすぎて天使が舞い降りたのかと思いながら何度も見返した覚えがありますw
    今回ちょっと子供っぽくし過ぎたかなと思いつつ。年相応に先生に甘える憂太が書きたくて。
    憂太は人に甘える時期に甘えられなかった子なので、先生にめちゃくちゃ甘えて甘やかされるといいと思います。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺🙏🙏💖💖💖💖💖☺☺☺☺☺☺☺☺💖💖💖🍼
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    ne_kotuki

    DONE生まれた時から親戚付き合いがあってはちゃめちゃ可愛いがられていた設定の現パロ。人気俳優×普通のDK。

    以下注意。
    ・捏造しかありません。
    ・乙パパ視点。
    ・ママと妹ちゃんとパパの同僚という名のもぶがめちゃ出歯ります、しゃべります。
    ・五乙と言いながら五さんも乙くんも直接的には出てきません。サトノレおにーさんとちびゆたくんのエピのが多いかも。
    ・意図的に過去作と二重写しにしているところがあります。
    とんとん拍子も困りものもう少し、猶予期間を下さい。


    ◆◆


    「横暴すぎるだろくそ姉貴ぃ……」

    待ちに待った昼休み。
    わくわくと胸を踊らせながら、弁当箱の蓋を開いた。玉子焼きにウインナー、ハンバーグにぴりっとアクセントのあるきんぴらごぼう。そして、彩りにプチトマトとレタス。これぞお弁当!なおかずが、ところ狭しとぎゅうぎゅうに詰められていた。
    配置のバランスの悪さと、焦げてしまっているおかずの多さにくすりと口元を綻ばせる。タコもどきにすらなっていないタコさんウインナーが、堪らなく愛おしい。
    妻の指導の元、おたおたと覚束ない手つきで奮闘していた後ろ姿を思い出し、食べてもいないのに頬が落ちてしまう。

    「ゆーちゃんの『初』手作りお弁当。いただきま……」
    16678

    botangoton

    MEMO卒業後の五乙ネタまとめ。乙骨が教師になる世界線。乙骨、狭い賃貸アパートに住んでる。五条がよく家に遊びに来て、相変わらず狭い家だね~呪術師は給料もいいんだし引っ越したら?と言っても、一人暮らしだしこれぐらいがちょうどいいんですて返してたのに、ある日突然、キッチンが広い大きなマンションに引っ越したから

    また遊びに来た五条が、前より広くて良いね!僕んちよりは狭いけど。でもなんで大きいとこに引っ越したの?心境の変化?て聞いて、まあそんな感じですかねて乙骨は答える。乙骨は狭い部屋でも満足だったけど、五条が家に来た時に頭ぶつけそうになったり猫背になったりなるのが気になって引っ越したて話

    二年で飲みしてる時に引っ越しの話になって、なんで引っ越したんだ?て聞かれて、いや僕の家よく五条先生が来るんだけどすごく狭そうでさ…。壁や天井とほぼ接地してるっていうか…だからちょっと広くなれば過ごしやすくなるかなって。て答えて、全員にすごい目で見られる。

    悟のために引っ越ししたってことか!!!??て言われて、えっいや…そういうわけでは…?やっぱよく遊びに来る人が不便そうにしてたらよくないかなって。いやでも言われてみれば確かにそうだよね…。て言う。お前悟のこ 1058

    recommended works

    yuino8na

    MOURNING前作の続き。半獣人(獣族)なごじょさとると人間の乙の五乙。
    とりあえず書きたかった所まで書ききりました。以降続くかは未定です。

    今更ですが、注意
    ・呪術とか呪霊とか一切出てきません
    ・乙は成人してます
    ・里香と同棲していました(里香自身は出てきません)
    ・乙が五のことを「悟」と呼びます
    ・キャラいろいろ崩壊しています
    ・自分の書きたい設定を自由に詰め込んでいます。やりたい放題です
    空に誓い2「ご、ごめん。散らかってるから、適当に座ってて」

     共に玄関から入った五条悟より早く、乙骨憂太は家の中に急いだ。その途中、脱ぎ散らかしたままの服などを抱えて、洗面所に放り投げる。
     仲介所で悟とパートナー契約を結んだ後、まさかそのまま一緒に住むことになるとは思っていなかった。仲介所のオーナーであった夏油の話では、悟はここ数年あの仲介所に住んでいたらしい。迷惑じゃないなら連れて帰ってと言われたのだが、それ以前に悟が憂太を抱きしめたまま、一瞬たりとも離れようとしなかった。そんな状態で、「じゃあ、また後日」なんて言えるはずもない。
     仲介所を出るときは流石に腕の中から解放してくれたが、その代わり肩を抱いてずっと密着して歩いていた。外を歩くとき、再び悟はその瞳を黒い布で隠してしまった。彼曰く、「憂太以外に見せる理由は無い」らしい。それでも、長身に白い立派な耳と尻尾を持つ悟には、まるで獣の王の様な風格さえ感じさせ、外を歩くと注目の的だった。そんな彼に肩を抱かれて歩くのは、まるで悟に『自分の物』と主張されているようで恥ずかしく、なるべく周囲と視線が合わないよう、俯きがちに急いで帰宅した。
    4804