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    KE_bluerose

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    KE_bluerose

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    五夏(友愛)前提五乙。
    3篇の短いお話。繋がってるようで繋がってないような。
    261話より前に書いていたものに足してるので、解釈の違う部分はお見逃し下さい。

    #五乙
    fiveB

    青の葬送「先生は、僕にとって光なんです。」
    「……憂太ってさ、たまに真顔ですごいこと言うよね。」
    臆面もなく告げられたその言葉は、本来なら胸の内に仕舞って然るべきなんじゃないかと思う。けれど憂太は、一切の躊躇もなく言ってのける。ある意味凄いことではあるけれど、言われた側は少々面食らってしまう。
    「すみません。けど、言わずに後悔したくないから。」
    「いや、責めてる訳じゃないよ。」
    自分の考えを察したのか。申し訳なそうな表情を浮かべたけれど、続く言葉がそこにはあって。
    「………………」
    憂う顔の意味を、痛いほど知っている。
    大切な人が、ある日突然自分の前からいなくなってしまう。
    残酷すぎる結末が、呪いのようにずっと自分を蝕んで。底の見えない深海に沈み続けて。苦しくて、苦しくて──…
    あの時。もっと話を聞いていれば、何かが変わったのかな。
    今更考えたって、もう仕方のないことなのに。それでも思わずにはいられないんだ。もっと土足で踏み込めばよかったって。
    「……憂太が思う程いいもんじゃないよ、僕は。」
    親友の苦しみにすら気づいてやれない。
    照らすことも、一緒に堕ちてやることも。何一つできなかった。光にも闇にもなれない自分は、さながら眩しい闇か。
    「性格も悪いし。ホント教師なんて柄じゃない。」
    こんなこと、生徒に言うことじゃないのに。
    例え恋人だからって、全てを曝け出す訳じゃない。お互い不可侵の領域があって当たり前だし、それを無理やり暴くことも、押しつけることも自分はしたくないから。教師と生徒というその一線は、ちゃんと引いておきたい。そう思っているはずなのに。
    「…………」
    蓋を開けてみればこの様だ。
    どんなに理屈を並べたところで、ただ弱い自分を見せたくないだけなんだ。カッコ悪いところを見せたくない。
    いつだって、君の憧れの先生でいたいんだよ、僕は。けど憂太は
    「貴方がどう思おうと、僕は貴方に救われた。その事実は変わらないから。」
    こうやって、いともたやすく自分の中に入ってくる。
    「それに。貴方がもし最低最悪の犯罪者だったとしても、悪者だったとしても、僕はいいんです。そんなの、僕には関係ないから。どんな貴方でもよかった。」
    ──ああ。光は君の方だよ、憂太。僕を包み込む、優しい光。

    『君にならできるだろ、悟』

    僕も君のようになれていたら、あの結末を変えることができたのかな。
    「………………」
    「先生?」
    「……いや。憂太ってさ、重いよね。」
    「え。重い、ですか…?」
    「うん。」
    あまり自覚はなかったらしく。少しショックを受ける憂太の姿に笑みが零れる。
    「そのくらいでいいよ。僕にはちょうどいい。」
    その言葉にぱっと明るい顔を見せる憂太にまた笑って。
    「ありがとう。いつも僕の傍にいてくれて。」
    俺は一人になってしまったけど。僕は一人じゃなかったよ。
    「そんな。僕の方こそ、ありがとうございます。貴方に出会わなければ、僕という存在は今ここになかった。本当に、感謝してもしきれません。」
    「やっぱ重たいね。」
    「酷いですよ、先生。」
    くすくすとからかうように笑えば、むぅと少し膨れる反応がかわいくて。
    「僕は、憂太のそういうところが好きなんだよ。」
    深い愛をくれる君に、僕がどれだけ救われてきたか。やっぱりカッコ悪いから口には出さないけど。本当にそう思ってるよ。
    「僕も好きですよ。先生。」
    君に出会えて、本当によかった。




















    『教師なんて柄じゃない』

    そう貴方は言ったけど。
    僕にとっては、誰よりも最高の先生だった。
    貴方と出会えて、本当によかった。
    さよならは言わない。
    また会えるって、信じてるから。
    だから笑って見送る。
    「大好きだよ、先生。」




















    『先生』
    そう僕を呼ぶ君の眼差しは、いつも慈愛に満ちていて。大切な宝物みたいに呼ぶんだ。
    僕はそれが、とてもうれしかった。
    正直な話。教師なんてなりたくはなかった。どう考えても向いてないと思ったから。
    それでもその道を選び、何人もの生徒を育てた。
    やってる時は正直面倒臭いって思うこともあったし、嫌になる時もあったけど。
    それでも、教師になってよかったと心からそう思う。
    『五条先生。』
    皆が先生と呼んでくれるから、こうして続けてこれた。
    僕を先生にしてくれて、ありがとう。

























    青へと還る

    ──楽しかった。
    一つだけ心残りがあるとすれば、背中を叩いた中にお前がいなかったこと。
    けど、それももういいのかもしれない。
    もう一度お前に会えた。
    それだけで、十分。

    『領域展開』

    「………………」
    「心配かい?」
    「大丈夫さ。憂太なら大丈夫。だって僕の教え子だもん。」
    誰よりも特別な、僕の愛弟子。

    『もう独りで怪物になろうとしないでください。』

    応えられなかった僕の弱さを、君は許してくれるだろうか。

    「君は本当に拗らせてるよね。」
    「……それ、お前が言うか?誰かさんのお陰で、俺は怪物になったってのに。」
    「私のせいかな。」
    「そうだよ。全部お前が悪い。俺はただ、お前に隣にいて欲しかっただけなのに。それなのに、お前が俺を置いていくから…っ」
    ああ。言うつもりなんてなかったのに。カッコ悪すぎるだろ、俺。
    「泣くなよ、悟。」
    「……泣いてねぇよ。」
    零れた涙を拭おうとするその手を払いのける。それでもその手は自分に伸びて、あたたかなそのぬくもりが頬に触れた。
    「……もう、俺の前からいなくなるな。」
    「ここにいるよ。」
    「っ……」
    優しいその微笑みに、ずっと蓋をしていた感情が溢れ出し、また涙が溢れた。

    ホント、僕の妄想じゃないことを祈るよ。
























    いつか見た夢の続きを

    「傑は高専卒業したらどうすんの。」
    「教師、かな。」
    「教師〜?」
    「駄目かな?」
    「いや、駄目じゃねぇけど。……俺もなろっかな。教師。」
    「…………」
    「なんだよ。」
    「君、教師って柄じゃないだろ。」
    「あ゙?」
    「ほら。そういうとこだよ。ガラが悪くて誰も寄りつかない。」
    「…………」
    あ。拗ねた。
    機嫌を損ねぶすっと膨れてしまった悟にどうしたものかと考えていると、少しして目の前でびしっと指を差されて
    「絶対お前と教師やってやるからな。見てろよ、傑!」
    「期待してるよ。けど、人を指で差す奴は教師に向かないんじゃないかな。」
    「ぐぬ」
    「ははっ」















    「おはようございます。五条先生。」
    「おはよー憂太。」
    「…………」
    「どうかした。」
    「いえ。今日は一緒じゃないのかなと思って。」
    「誰と?」
    「誰って。一人しかいないじゃないですか。」
    「……憂太さ。もしかして勘違いしてない?」
    「何をですか?」
    「僕とあいつは、別に恋人同士とかじゃないからね。」
    「違うんですか?」
    「違うに決まって」
    「やあ。二人共おはよう。」
    「…………」
    「おはようございます。夏油先生。」
    「悟。どうかした?」
    「……お前のせいで、憂太に変な勘違いされたじゃねえか!」
    「私が何かしたなら謝るけど。ちゃんと理由を説明してくれないか。」
    「っ……傑のバーカ!」
    「……外で話そうか。悟。」
    「やなこった」

    今日も仲いいなぁ。
    けど何でだろう。何かもやもやする。不整脈かな。
    微笑ましく思う反面、どこか複雑な感情が芽生える憂太だった。
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    ne_kotuki

    DONE生まれた時から親戚付き合いがあってはちゃめちゃ可愛いがられていた設定の現パロ。人気俳優×普通のDK。

    以下注意。
    ・捏造しかありません。
    ・乙パパ視点。
    ・ママと妹ちゃんとパパの同僚という名のもぶがめちゃ出歯ります、しゃべります。
    ・五乙と言いながら五さんも乙くんも直接的には出てきません。サトノレおにーさんとちびゆたくんのエピのが多いかも。
    ・意図的に過去作と二重写しにしているところがあります。
    とんとん拍子も困りものもう少し、猶予期間を下さい。


    ◆◆


    「横暴すぎるだろくそ姉貴ぃ……」

    待ちに待った昼休み。
    わくわくと胸を踊らせながら、弁当箱の蓋を開いた。玉子焼きにウインナー、ハンバーグにぴりっとアクセントのあるきんぴらごぼう。そして、彩りにプチトマトとレタス。これぞお弁当!なおかずが、ところ狭しとぎゅうぎゅうに詰められていた。
    配置のバランスの悪さと、焦げてしまっているおかずの多さにくすりと口元を綻ばせる。タコもどきにすらなっていないタコさんウインナーが、堪らなく愛おしい。
    妻の指導の元、おたおたと覚束ない手つきで奮闘していた後ろ姿を思い出し、食べてもいないのに頬が落ちてしまう。

    「ゆーちゃんの『初』手作りお弁当。いただきま……」
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    yuino8na

    MOURNING自分が書きたかっただけの、半獣人(獣族)なごじょさとる。
    適当設定。半獣人な五と人間の乙。
    本当に自分が好きな設定を詰め込んだだけです。気が向けば続きます。
    ・呪術とか呪霊とか一切出てきません
    ・乙は成人してます
    ・里香と同棲していました(里香自身は出てきません)
    ・キャラいろいろ崩壊しています
    ・自分の書きたい設定を自由に詰め込んでいます。やりたい放題です
    空に誓い 今一番不幸なのは自分なのでは。そんな感覚に襲われる日がある。

     乙骨憂太にとってはこの一週間がそんな日々だった。
     幼い頃に両親を亡くし、頼れる身内もなく施設で育った。そこで出会った女の子と恋をして、ずっと一緒に過ごした。幼いおままごとのように思われていた恋も、五年十年と続けば結婚という恋のその先も見えてきた。
     週末には式場の見学に行こう。そんなこれからの話をした翌日、最愛の婚約者であった折本里香を事故で亡くした。
     葬儀や身の回りでしばらく仕事も休んだが、それでも生きている以上仕事には行かなければならない。一週間ほど休みを取って久しぶりに仕事に行くと、上司から「帰って休め」と言われてしまった。
     なんでもいいからなにか食べて寝ろ、と言われてそういえば最後に食事をとったのはいつだろうかとぼんやり考えたが、思い出せない。食べるのも眠るのも生きるために必要な行為だ。それを自分からする気にならなかったことは、なんとなく覚えている。
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    yuino8na

    MOURNING前作の続き。半獣人(獣族)なごじょさとると人間の乙の五乙。
    とりあえず書きたかった所まで書ききりました。以降続くかは未定です。

    今更ですが、注意
    ・呪術とか呪霊とか一切出てきません
    ・乙は成人してます
    ・里香と同棲していました(里香自身は出てきません)
    ・乙が五のことを「悟」と呼びます
    ・キャラいろいろ崩壊しています
    ・自分の書きたい設定を自由に詰め込んでいます。やりたい放題です
    空に誓い2「ご、ごめん。散らかってるから、適当に座ってて」

     共に玄関から入った五条悟より早く、乙骨憂太は家の中に急いだ。その途中、脱ぎ散らかしたままの服などを抱えて、洗面所に放り投げる。
     仲介所で悟とパートナー契約を結んだ後、まさかそのまま一緒に住むことになるとは思っていなかった。仲介所のオーナーであった夏油の話では、悟はここ数年あの仲介所に住んでいたらしい。迷惑じゃないなら連れて帰ってと言われたのだが、それ以前に悟が憂太を抱きしめたまま、一瞬たりとも離れようとしなかった。そんな状態で、「じゃあ、また後日」なんて言えるはずもない。
     仲介所を出るときは流石に腕の中から解放してくれたが、その代わり肩を抱いてずっと密着して歩いていた。外を歩くとき、再び悟はその瞳を黒い布で隠してしまった。彼曰く、「憂太以外に見せる理由は無い」らしい。それでも、長身に白い立派な耳と尻尾を持つ悟には、まるで獣の王の様な風格さえ感じさせ、外を歩くと注目の的だった。そんな彼に肩を抱かれて歩くのは、まるで悟に『自分の物』と主張されているようで恥ずかしく、なるべく周囲と視線が合わないよう、俯きがちに急いで帰宅した。
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