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    KE_bluerose

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    KE_bluerose

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    だざの誕生日をやっぱり祝いたくて書きました。
    短いですが少しでも何か感じて頂ければ幸い。

    #太織
    taiWeaving

    光の中で自殺主義者が自殺を止める日



    「やァ、織田作。今日が何の日か覚えてる?」
    「……何か特別な日だったか?」
    「全く。君は予想を裏切らないね。仕方ないからまた教えてあげる。なんと今日は、私の誕生日だよ。」
    「ああ、そうだった。済まない。生憎そういう事を覚えられない質でな。今更かもしれないが、何か欲しいものは在るか?」
    「何も要らないよ。ただ織田作が隣にいてくれれば、それで善い。」
    「そうか。なら、ずっとお前の傍にいるよ。太宰。」













    「聞いてくれ、織田作。昨日また死にそびれた。矢張り自殺というものは斯くも難しいものだね。」
    墓前の前で自殺を語るなんて、誰かが聞いていたらなんて不謹慎なと思われるだろう。
    だが、太宰はそんなことは気にしない。
    「何処かにないものかね。理想の自殺法は。」
    痛みもなく、安らかに死んでいきたい。君の腕に抱きしめられていた時みたいに。
    「……皮肉だね。織田作の腕の中で死にたかったのに、私の腕の中で織田作が死んでしまったよ。」
    私に死んでほしくないと云ったその口で、君はその命を容易く散らせてしまった。
    「酷い男だよ、君は」
    こつんと指で墓石を軽く叩く。冷たい無機質なそれは、腕の中で冷たくなっていく織田作の身体を連想させた。

    『人を救う側になれ。どちらも同じなら、佳い人間になれ。』

    私が光の世界の住人になどなれるはずもなく、相変わらず黒に沈んでいて、これはもう一生変わる事はないだろうと思う。けれど、それでも私がこうしてあの頃と違う道を歩んでいるのは、凡て

    『そのほうが、幾分かは素敵だ』

    陽の当たる場所は少々むず痒さもある。けれど、それも悪くないと思えた。ただ一つのことを除けば。
    「君に隣にいて欲しかった。それだけで、善かったのに…っ」
    どこまでも黒い自分を照らしていたもの。それは──

    君が私の光だったんだ、織田作……
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    yuino8na

    MOURNING前作の続き。半獣人(獣族)なごじょさとると人間の乙の五乙。
    とりあえず書きたかった所まで書ききりました。以降続くかは未定です。

    今更ですが、注意
    ・呪術とか呪霊とか一切出てきません
    ・乙は成人してます
    ・里香と同棲していました(里香自身は出てきません)
    ・乙が五のことを「悟」と呼びます
    ・キャラいろいろ崩壊しています
    ・自分の書きたい設定を自由に詰め込んでいます。やりたい放題です
    空に誓い2「ご、ごめん。散らかってるから、適当に座ってて」

     共に玄関から入った五条悟より早く、乙骨憂太は家の中に急いだ。その途中、脱ぎ散らかしたままの服などを抱えて、洗面所に放り投げる。
     仲介所で悟とパートナー契約を結んだ後、まさかそのまま一緒に住むことになるとは思っていなかった。仲介所のオーナーであった夏油の話では、悟はここ数年あの仲介所に住んでいたらしい。迷惑じゃないなら連れて帰ってと言われたのだが、それ以前に悟が憂太を抱きしめたまま、一瞬たりとも離れようとしなかった。そんな状態で、「じゃあ、また後日」なんて言えるはずもない。
     仲介所を出るときは流石に腕の中から解放してくれたが、その代わり肩を抱いてずっと密着して歩いていた。外を歩くとき、再び悟はその瞳を黒い布で隠してしまった。彼曰く、「憂太以外に見せる理由は無い」らしい。それでも、長身に白い立派な耳と尻尾を持つ悟には、まるで獣の王の様な風格さえ感じさせ、外を歩くと注目の的だった。そんな彼に肩を抱かれて歩くのは、まるで悟に『自分の物』と主張されているようで恥ずかしく、なるべく周囲と視線が合わないよう、俯きがちに急いで帰宅した。
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