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    kidd_mmm

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    ノスクラともクラノスともつかないやつ4
    左右とか決めていない
    ヒゲ出てこない

    #吸血鬼すぐ死ぬ
    vampiresDieQuickly.
    #吸死
    Kyuushi
    #クラージィ
    clergy

    C-2 C-2

    「ロナルドさん、こんばんわ。きょうはさむいですね?」
    「クラージィさん! 覚えるの早いですね、日本語!」
     ロナルドの驚いた顔を見て、クラージィは静かに笑う。ドラルクは楽しげにロナルドへ話して聞かせた。
    「モジャモジャさん、前職は悪魔祓いなんだって。上達が早い訳だよ」
    「悪魔祓い? 退治人の始まりみたいな、あれ?」
     ロナルドは興味深げにクラージィを見た。
    「悪魔祓い、いろんな国行く……行きます。相手、ヴァンパイアだけじゃない。アー、ポゼシェ・デモニカ……日本語で……?」
     クラージィは複数の言語を混ぜながらどうにか会話をつないでいく。
    「悪魔憑き」
     ドラルクが助け船を出した。
    「悪魔憑きとは、話をします。コトバだいじ」
    「古い祈りの言葉にも通じていなければならなかっただろうしね。つまりロナルドくんのようなゴリラでは就けない職業だったのだよ」
     ドラルクは言い終わるが早いか塵になった。ロナルドが拳を突き出しているのを見て、クラージィは頷いた。
    「そう。殺す。それが悪魔祓い」
    「クラージィさん!?」
    「エクソシストジョークです」
     ドラルクは塵の中から顔だけ出して、眉間にしわを寄せた。
    「真顔で言われるとシャレにならんな……」
     ドラルクたちの助けもあって、クラージィはどうにかシンヨコに仮の住まいを得るに至った。今はドラルクのもとに通って日本語を習っている。クラージィの母国語を話せるドラルクは、クラージィにとって日本語学習の大きな助けとなっている。
    「おや、来客だ。きょうはここまでにしよう」
     ロナルドの事務所に客があれば、ドラルクは講義中でも速やかに席を立つ。客のための茶とクッキーを用意して、事務所へ運んでいく。ジョンはそのあとをついて行く。入れ替わりにヒナイチが現れ、キッチンにおやつを探しに行く。今夜はチョコチップ・マフィンを見つけたようだ。
     ロナルドの事務所にはいろんな依頼人が来る。人間、吸血鬼、ダンピール。依頼内容も様々だ。庭にわいた下等吸血鬼の駆除から、吸血鬼の能力に関する悩みごとの相談まで。ロナルドは真摯に客の話を聞き、解決への道を探る。いざ戦うことになったとしても――彼の武器は命を奪うものではない。なるほど、これが当世の退治人か。
    「クラージィ、このマフィンおいしいぞ!」
     ヒナイチはマフィンを頬張って幸せそうに目を細めている。ヒナイチは公僕だ。彼女がクラージィをこの街に居られるようにしてくれたときは、街の様々な制度を使った。
     こうした世話をするのは本来、ヒナイチの属する部隊の仕事ではない。しかし部隊の方針には反していない行為だと彼女は胸を張った。制度があり、それを実行する人員がいる。つまり街そのものが公に吸血鬼の存在を受け入れているということだ。
    「あれ? もう帰るのか?」
    「マフィン、私のぶんも食べて」
     クラージィはヒナイチにいとまを告げて、ボア付きのジャケットを羽織る。外へ出るには事務所を通り抜けるから、ドラルクとロナルドにも挨拶する。ジョンが前脚を振ってくれる。依頼人にも軽く会釈して外に出る。
     街灯やネオン、ビルの窓からの光で、この街は夜でも眩しい。人間たちに混じって通りを堂々と歩く吸血鬼たちがいる。初めて見たときには一瞬身構えてしまったものだが――。
    『ハイそれ二百年前のセンスですぅー』
     ドラルクに言われた言葉を思い出し、クラージィは自然、頬を緩めた。
     クリスマスを終えた夜の街。空気は冷たく冴えて、どことなく清い雰囲気がある。クラージィは夜空を見上げた。
     ――神よ、この身はすでにあなたに仕えるものではありませんが。ああ、感謝します。時と場所を超えて、このような景色を私に見せてくださった。
     灯りの煌々とした街の上では、クラージィがかつて見ていたほどの星は見えなかった。それでもそこには同じ星が瞬いているはずであった。
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    kidd_mmm

    TRAININGノスクラともクラノスとのつかないやつ16
    アカジャというか再会したやつ見る前の構想そのままで終わりまで書く予定なので嫌だったらゴメンね
    C-8C-8

     いくつかのドアの前を通り過ぎて、教えられた部屋に入る。壁際にクローゼットと整えられたベッド、それから正面の書き物机をはさんで、本棚、姿見。掃除の行き届いた居心地の良い部屋だ。ベッドの上には新品のパジャマまで用意されている。
     クラージィは柔らかいベッドに腰を降ろし、行儀悪く仰向けに倒れた。指で唇に触れる。まだ血と体温の味が口の中に残っている。なかなか牙の入らない肌の弾力も。
     意外なことに――いや当然なのか、その味と感触は不快なものではなかった。自分で予想していたほどの抵抗も忌避もなく、かえって困惑するほど円滑にことは済んだ。
    (いや、円滑……ではなかったな)
     ノースディンは何も言わなかったが、かなり痛かったのではないだろうか。元から青白い顔が真っ白になっていた。その場に残してきてしまったのはまずかったように思う。心配だったが、棺までついていくのはさらにまずかろうとクラージィは思った。ドラルクからは、棺のありかは吸血鬼の社会において大変繊細な話題と聞いている。
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