好きなタイプは?「好きなタイプ?」
「はい。五条先生の好きなタイプを聞きたいなーと…」
ある日の昼下がり、呪術高校専門学校京都校の三輪霞に、東京校の1年担任、五条悟は引き止められ、突然そんな質問をされた。
三輪は頬をほんのり染めながら、えへへ…と誤魔化すように笑う。
「うーん、好きなタイプ、ねぇ…」
顎に手を当て考える。
改めて考えると分からない。そもそも恋愛に興味がない。
しばらく考えると、あー、と思いついたように言った。
「素直で、臆病で、泣き虫で、自分よりも他人を心配して、他人のために精一杯尽くす…そんな人かな?」
随分具体的な返事がきたな、と三輪は思った。
(誰か好きな人でもいるのかな?だとしたら、私は眼中になさそうだな…まぁ、期待はしてなかったけど)
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