蕎麦屋官ナギ(そばにいたいといってくれ)60歳近くになって官。父が定年退職したら蕎麦屋をやりたいと言っていたのを最近になって自分もその気持ちが分かるようになったであります!なので退職したら高尾山の麓で蕎麦を打とうと思うので、その時が来たら…と言われて一緒に蕎麦屋をやりませんかと言われると思っていたナは見た目が出会った時と変わらぬ若々しい姿のままだった。現場から退いた官とは違い、まだまだシンヨコでもベテランの退治人として現役で活躍していた。ずっと憧れていた退治人になり、シンヨコのヒーローになれたナさん。そんなナさんを本官の我儘で引退させるなんて駄目でありますねと、食べに来て下さいと言う官にナはえっ?と困惑した。てっきり着いて来て欲しいと言われると思っていたのが突き放されたように感じたが、それは日に日に増していった。二人で暮らしていた家から徐々に物が減って行き、とうとう官は一人で蕎麦屋を初めてしまった。将来を約束していた訳ではなかった。ただずっと一緒にいるのだと思っていたナは仕事に身が入らず、官が開いた蕎麦屋をこっそり覗きに行った。あんな奴が一人で店なんか出来るはずがない。四苦八苦していたらほらな、俺が居ないと駄目だろうと手を貸してやろうと思っていたのに、官の店には既にパートのおばちゃんがいて店は十分回っていた。お前!お前!!俺以外の奴を店で雇ったのか!とブチギレるナ。感情がぐちゃぐちゃになり店をぶち壊してやりたくなったが次第に捨てたれたんだと思って蕎麦は食わずにシンヨコに逃げ帰った。暫く元気がなくなり休業状態になったナを心配して会いに来た丸とドに吐き出しながら、ずっと同じ姿だから駄目なのか?同じように老けないと一緒に居られないのか?と言うナ。ちょっと違う気もするけど試してみたら?と見た目を変える方法を聞いて官と同年齢ぐらいの爺さんに変身するナ。この姿で会いに行こうかと思うものの、自分以外の女を連れ込んだ官に感じた怒りが忘れられず、やはりあの店は潰す!と官の蕎麦屋の隣に自分も蕎麦屋を開店させて官が作るより美味い蕎麦を作って潰してやる!店も一人で切り盛りしてやる!!と奮闘すると、何と!お隣のお蕎麦屋さん大繁盛であります!本官も頑張らねば!!とより一層奮起してしまいライバル蕎麦屋としてバトル事になってしまう官ナギ?官ナギになってねぇわ!
店を閉めてパートのおばちゃんが帰ってから、今日もお互い忙しかったでありますね〜と呑気に店の外を掃除したりするナに話し掛けたり晩御飯に蕎麦と晩酌に誘う官と店中におばちゃんが居ないのを確認してから誰も居ないなら行ってやってもいいと言うナ。
退治人辞めちゃったのでありますか?本官のせいでナさんの夢を捨てさせちゃいました?なんて晩酌しながら聞く官にそうだお前のせいで滅茶苦茶だって答えるナに、じゃあこのお蕎麦みたいにこれからも長いお付き合いを続けましょうか。寿命が違うから、いい加減俺に縛り付けてないで自由にさせてあげなきゃなんて考えて。縁切りなんてやっぱり無理でありましたね!と今更分かりきった事を言う官と明日からあの女解雇しろ。店の事は俺がやるって自分の店畳んで官の店に押し掛ける気満々のナさん。
官ナギになった?キッスもしとらんな!一緒に蕎麦打ったらキッスの代わりにならんか?
二人で店やるようなったら味も更に良くなって大繁盛しましたとさ。蕎麦屋官ナギおしまい!
おまけ
ナの店のレビュー
接客態度がぶっきらぼうで最悪。蕎麦の味は滅茶苦茶美味いし、かき揚げは料亭で出されたのかと疑う程クオリティが高く絶品だった。ただ店主の爺さんが怖過ぎる。二度と行きたくないがあの味をもう一度食べたくて仕方がない。修行に挑む気分で再挑戦したい。
官の店のレビュー
素朴で噛み応えのある太麺。何もかもが大盛り。田舎のおばあちゃん家に来たみたいに感じる。店主の爺さんが元気過ぎる。長生きしそう。
官の店にナが押し掛けてからのレビュー。
自然薯とか滋養に良さそうなメニューが増えた。隣の店のかき揚げが二度と食えないのかと思っていたら賄いに出されていた。客にも出して欲しい。蕎麦の太さは均一になったが山盛りは相変わらず。元気過ぎる爺さんが二人になった。百年生きそう。