最終話の時間軸と二人のその後についてだらだら最終話の時間軸が実際のところどうなってるのかはっきりしないから色々考えてしまう。
わざと幅や含みを持たせてるんだろうけど、描かれてる限りでは一条が完全に地下から出たのか一日外出券で出てきたのかもはっきりしないし、地下行きからどのくらい経ったのかもわからないと言えばわからない。
原作に従うなら「一日外出券は地下に落ちて一年未満の者には権利がない」という設定があるから一条が帰ってきた春の日が地下行き決定の7/22の翌年の春なら、完全に地下を出てることになるし、一日外出券なら再来年以降の春ということになる。
カイジだって特例で一日外出券を使って外に出たんだから一条にも特例が適用されたとすれば翌春に一日外出券を使って帰ってきた可能性も残るんだけど。でも村上がモデル志望の彼に部屋を譲り受けてから桜の季節に変わるまで一年以上経ってるとは考えにくいと思う。
家具もろくに置かないような、おそらく無職のままの生活を一年以上しているとするのも現実的じゃないと思うし、素直に読めば7/22に一条地下落ち→同年冬に村上が大山に帰ってきて再びさくらハウスに住むようになる→翌春、桜が咲く頃に一条帰還の流れだと思う。
諸々あわせて考えたら、黒崎が手を回して解放してくれたとするのが一番しっくりくる気がする。地下にいながら7億返済するのは流通してるペリカの総数考えたらどうあがいても無理だし、そうなると外に出て何らかの工作を行う必要があるけど、今度は外出券の一年しばりが邪魔になる。
外に出られたとして一発勝負のギャンブルでどうにかなる額じゃないから継続的にそれこそ違法な何かを行うしかない気がする。
一条が一日外出券で戻ってきたのだとしたら、そんな行為に村上を巻き込むのかって話にもなるし、やっぱり黒崎説が自分の中では一番しっくりくるかな。
直近の原作で遠藤のことも機転を効かせて助けてたくらいだし、会長が興味をなくした頃に一条を開放して、その変わり帝愛にはもう残してやれないって方向で決着つけるのがありそうかなと思った。
さすがに会長の機嫌を損ねて地下送りになった一条をそのまま別部署で働かせるのはリスクがあるだろうし、何より今の原作の黒崎を見ると一条が想像していたような野心の人じゃなさそうだから、地下を出た一条は帝愛を離れて別の道を生きることになるのかなと思った。
特にイチジョウに関していえば、帝愛を辞めた村上のところへ戻ってきてるわけだから、二人で帝愛以外の道を見つける前提なのかなと思う。福本先生も過去に「すでに地下から出て別のところで働いてる」と言っていたことがあるらしいから、帝愛を離れる一条という選択肢は先生の中でもあり得たんだろうし。
黒崎が一条に対する親心で手を差し伸べて（地下から出して）かつ突き離す（帝愛からは去れと告げる）っていうのが個人的に好みでもある。かっこよく自力で完済する一条が見てみたい気持ちもあるけど、7億はさすがに無理筋だろうとも思う。少なくともまっとうな手段かつ短期間では無理だろうから。
さすがに地下を出たあとの一条の動向まではイチジョウでも描かなかったけど、仮にも原作キャラの村上のその後を明確に「帝愛を辞めた」ことにしたのは思いきったなと思った。
繰り返しになるけど、一条がそんな村上の元へ帰ってきたことで、間接的に一条のその後も見えてくると思ったから。
例えば二人で村上コーヒーを経営する、みたいに一条に明確な形で野心を捨てさせたらそれはそれで賛否両論あったと思うから「帝愛を辞めた村上の元へ帰る」のはギリギリの線だったと思う。
イチジョウを経由しない破戒録の一条の場合、ヤクザな手段で荒稼ぎして自力でのし上がってくるのもいいなと思うけど、結局は出世の足掛かりにしていた黒崎の実態があんなかんじというのが引っかかる。
時代を考えたら遠くない将来、帝愛は破たんするだろうし早めに見切りをつけるのもいいんじゃないかな…
カイジに言った「次は叩き潰す」というのも、直接またギャンブル勝負をして勝たなくても、本来一条が目指していた栄光を手にすれば叶うんだと思う。