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    陽炎@ポイピク

    ジョジョ5部プロペシメインです。パソコンもペンタブもないので携帯撮り&アナログ絵しかうpしません。
    🍞🚄🍊🍋の沼にも浸り中
    時々®️®️®️🔥🌊

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    陽炎@ポイピク

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    兄貴がペッシを振り回してるつもりが実はペッシが兄貴を手玉に乗せて転がしてた話を書こうとした。

    「オメーを大人の店ってやつに連れて行ってやる」
    プロシュートという男の言動はいつも突拍子もない。それでもペッシにとっては兄貴分たる故いつもプロシュートのその日その時の気分に付き合わされる羽目になるのだが。流石に大人の店というのは勘弁して欲しかった。ペッシにはホルマジオに童貞卒業させてやると連れられた娼婦の店で、慣れない生身の女性を相手に逃げ出した苦い記憶があった。何よりもプロシュートとは違って自分のように決して容姿の良い訳でもないマンモーニが店に行った所で惨めな気持ちになるだけだ。プロシュートは外見だけでなく外面のいい男だった。女性を悦ばせる言葉を幾つもその口から繰り出す。喩えそれが本音でなかったとしてもだ。
    「え~?兄貴だけで行きゃあいいじゃねぇですか」
    反抗的な態度を取ってしまったのはきっと嫉妬だ。
    プロシュートの香水の匂いも、美しく長い睫毛に縁取られた青も、低く凄味すらある声も、娼婦になど独占されたくない気持ちの方が強かった。
    「あ?別に女を侍らしに行くんじゃねぇ。酒だよ酒」
    ああ、そっちの店という意味か。ペッシは安堵すると同時にやはり行きたくない気持ちの方が強い事には変わらなかった。
    「オレが飲めねぇのに連れてく必要ねぇだろ。ただ酔った兄貴をオレに介抱させたいだけでしょ」
    プロシュートはあからさまにむっとした。
    この男の気紛れな機嫌にもすっかり慣れてしまったが、ペッシとていつまでも理不尽な目に遭うのを寛容している訳にはいかない。
    「さっきから何だよおめぇは」
    「別に。兄貴にどこにも行って欲しくねぇだけっすよ」
    ぷいとペッシが顔を逸らすとプロシュートの手が伸びて無理矢理彼の方へ向かされた。
    そこには普段の余裕ある態度すら忘れ切なげに瞳を揺らす男の姿。
    「やっぱ、やめた。お前と呑む酒じゃなきゃ味がしねぇ」
    すぐさま離れた体温を名残惜しいと感じてしまったペッシはプロシュートの踵を返した背中を目で追いながら、あんな熱の篭った眼差しを向けられるのは心臓に悪いぜと視線をテーブルへ落としたのだった。
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