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    いちゃいちゃちゅっちゅガチャ(https://odaibako.net/gacha/1317)さんのお題で書いた左寂

    #左寂
    leftSilence

    ふと、瞼が軽くなるのを感じ、何かに引っ張られるように意識が覚醒する。
    オレンジの小さな光を頼りにベッドサイドの時計を見ると、深夜2時の表示。
    (中途半端な時間に起きてしまった)
    隣で静かに眠る左馬刻くんを起こさぬよう慎重に、時計の隣のペットボトルを取った。生ぬるい水が乾いた喉と身体を潤してくれる。
    何気なく視線を落とすと、身体のあちこちに赤い痕が散らばっているのが見えた。とはいえいつもの服で隠れる範囲ではあるし、何より意識を失う前まで体液に塗れていたと記憶しているが、それが綺麗に拭われている。
    左馬刻くんの優しさに、胸の奥がじわりと暖かくなる。
    (夜が明けなければ、いいのに)
    自然と浮かんできた思いに、自分でも少し驚いた。
    TDDの頃は逆だったはずだ。年若い友人達や、何より彼に会えるのが楽しみで、年甲斐もなく、早く明日が来れば、と思ったものだ。
    「随分、欲張りになってしまったね……君の影響、かな」
    白い髪を少しだけ梳くと、さらりと指からこぼれる。その感触に満足しもう一度布団に潜り込んだ瞬間、ベッドがギシリと音を立てた。オレンジの光を背負って、白い髪の先がちらちらと瞬く。
    「アンタは欲が無さすぎるんだから、丁度いいだろ」
    「そうかもしれない、ね。それでは、左馬刻くんをもう少し、くれるかい」
    瞼を閉じると唇に柔らかいものが降りてきた。胸の暖かさが熱に変わり、腹の底の欲を煽る。

    明けない夜は無い。ならば、この時間を楽しむだけだ。
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