Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    nemurinekomaru

    @nemurinekomaru

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 11

    nemurinekomaru

    ☆quiet follow

    ロナドラ♀里帰り出産の続きのノス視点です。
    ノスはドラちゃんを娘みたいに思っているので、元から眼中になかったロナ君を許せないしちょっと嫉妬している。

    #ロナドラ
    Rona x Dra

     慣れぬベッドの上でくうくうと寝息を立てながら浮かべる寝顔はいくつになっても幼いままだった。200歳を超えてもこの子は何も変わらない幼さを持ち続けていることに何度安堵しただろう。
     ドラルクからの呼び名がノースディンおじさまから師匠せんせいへと変わり、生意気な口を叩けるようになったのは反骨神を育てることに成功したというのに、昔買い与えた真っ白なテディベアを抱いて眠るいつまでも小さく手のかかる弟子が、たかだか二十年と少ししか生きていない人間の若造の子を孕んでいるという事実が何より耐えがたかった。
     人間なんてあと五十年もすれば老いてしまうのだから、その頃には幼いあの子は飽きてしまうだろうからと、共に暮らすことを許した結果がこれだった。ダンピールのような交じりものを産む気なのかと問い詰めたくなってしまったのは、この子の言う通りロートルと呼ばれるべき古い考えに固執している証拠ではあるのだが、二世紀は前のあの子に吸血鬼としての生きる術を教えていた時期を考えると仕方がないものでありながらも、ドラルクのためにあるこの部屋以外の城の惨状が自分の感情を抑えきれていない事実をハッキリと告げてくる。
     子供を孕んだこと自体は喜ばしいことだ。まあ、相手があの退治人の若造であることもまあ、この子にとっては悪いことではないのだろう。
     あの子は生まれる前から、そして当たり前のように生まれてからこの二百年以上愛されていない時間なんて少しもなかった。ミラ嬢の膨らんだ腹に話しかける竜の一族の者はあの子が生まれてくるのを何より心待ちにしていた。
    『元気に生まれてくるのだよ』
    『怖いものなんて何もないからね』
    『私たちはお前を愛しているよ』
     生まれたあの子はあまりにも弱くて、最愛の妻から生まれた最愛の娘をドラウスは、真綿に包み込むように城の奥深くにでも囲ってしまって、優しいものだけを与えては、見るもの全てがあの子に優しいものばかりにしてやりたくって、怖いことも怯える必要のある物も全て排除してから外の世界を楽しませてやりたかったのだと語るドラウスは、親友という間柄にあったとしても、生きるのが難しいほどの弱さを持って生まれてしまった愛娘ではなく、そんな世界が間違っているから正そうとする姿は、あまりにも傲慢で、けれど流石あの方の息子であり、竜の一族の次期当主なだけあると思わず笑ってしまったほどだったのだ。
     生まれてからも、一族どころか実父の重過ぎるほどの愛を一身に受けて育ってきたドラルクにとって、愛なんていうものは生まれながらの得意科目であったが、愛なんてものは肉欲などをお上品な言葉で言い換えて飾り立てただけに過ぎないというのに、あの子の両親や一族の者は無償の愛なんていうものをあの子に向け続けている。
    特別なあの一族にとって逆鱗とも言える位置にいるあの子は、特別なものにとっての特別である。それこそがあの子の本質であった。
     あの子を遠目から見ただけの人間があの子の糧となりたいのだと自分の首を切って、あの一族の城の前で絶命していたのが見つかったと聞いた。
     あの子が虚弱だと知った同胞が夜会であの子に声をかけ、当時の民間療法であったブラッドバスを自領の処女の領民の血で作ったのだと言って自身の城に招待しようとした時は流石に私の方からその同胞を内々に消し去ったこともあった。
     とある狩りが趣味であるという貴族の次男坊が自身の家族を撃ち殺しあの子に捧げようとした事件もあったが、流石に人間の法で裁かせた。
     あの一族の肖像画を代々依頼する一族の若者は竜の一族のご令嬢がどれほどに恐ろしい存在なのだろうと想像の中で怯えていたが、実際は深窓の令嬢と言うべき儚さを持っていたあの子のその差異、寝食すら惜しんで描こうと、あの子の肖像画ばかりが溢れかえってしまい、我が子を案じる親にいくつかの絵を燃やされてしまったことがきっかけで家を飛び出しそのまま行方知れずとなった。
     愛する娘の婿を探そうとしたら、その娘が吸血鬼のご令嬢と歓談しており、竜の一族という部分にばかり注目した人間はか弱いドラルクを知り、何を血迷ったか性の対象として見たのだ。妻子ある名家の家長のくせに、なんて、なんて愚かな人間だろうか! 滑稽すぎて道化なのか疑いたくなる。サーカスで生計を立てているのかと思わず聞きたくなるほどの物事を考えられぬ頭と殆ど機能していない生存本能を持ち合わせていたからか、最期には運すら人間を見捨てた。ドラルクの体質が体質なので未遂で済んだが、ゲストルームに連れ込まれて怯えたあの子を見つけたのは孫娘がいないと探しに来た御真祖様であった。あの一族の城に招かれても特に誰も気分を害していなかったので、御真祖様が何をしようとこれ以上気にする必要はないのだ。分かり切ったことをわざわざ詳細に知る必要なんてこれっぽっちもないのだから。
     唯一穏やかな話として、夜会に招かれた音楽家があの子を自身のミューズと呼んだことで、あの子に捧げる曲を作ることに執心し、それ以外何もしなかった結果衰弱死して、悪魔に魅入られたのだと噂が立ったことがあるが、それにしたって当時はあの竜の一族の直系の子供だから無意識に魅了チャームでも振りまいていたのかと心配になる程だった。今思い出せば、いくらなんでもあの子に魅了される者が多過ぎた。あの街のおかしな能力を持つ吸血鬼たちを思えば、あの黄色が住み着くような変態共の巣窟だとしてもあの子は楽しく生きていけていたのだ。絶対的な庇護者がいなくても人の懐に入れるように躾けたのは私ではあるが、あの子に群がろうとする者がいなくて安心したのも事実なのだ。
     無垢で無邪気で汚いものを知らないあの子には絶対的な力でも魅了チャーム能力すら持たず、ただ微笑み少しの会話を交えるだけで相手の魂を侵し数多の血を、魂を捧げられた。
     それは確かに、人間には悍ましいと感じられるだろうが、当時を生きる古き血の吸血鬼からすれば畏怖の対象であった。
     けれど、あの子は何も知らない。知らないからこそ、血だまりの上に月光によって咲く花のような儚さがあの子なのだから。誰であっても魅了するのは当たり前のことだろう。その身に流れる血の価値がドラルクに虫のように群がる男たちが捧げる血に流れる魂こそが、あの子へ向けられる愛という名の養分となりあの子を咲かせるのだから。
     今はここにいない使い魔ですら、あの子に慈しまれ種族としての幸福を願われて、一度は手放されたというのに、種族としての幸福も、定命の者に当たり前に与えられる安寧すらも全てを捨て愛という養分とし、その身一つで南米からあの子の住んでいたトランシルヴァニアで再会をするという途方もない願いを叶えたことで、ドラルクの愛を一身に受けることすら叶えてしまったのだ。
     ドラルクに溺愛されている使い魔という前例こそが、愛されることを得意とするドラルクには愛を惜しげもなく与えるという行為を必要としていることを証明していた。ドラルクは使い魔を自身の子として扱っている。怪我をして弱ったところを付きっ切りで看病したというのだから、ドラルクにとって血族という括りだけではなく、実の子供という存在を与えてやりたくなったのだ。使い魔や血族だけでは代えにはならない、何より特別な宝物となるだろう、存在を与えてやりたくなった。
     あの子が自身の子を腕に抱く姿を見ることこそが、竜の一族や近しい者たちの願いとなったのだ。それがきっとドラルクの幸福に繋がるだろうと、誰もがその未来を夢想したというのに、どうしてだろうか。

     あまりにも、あの子は弱かった――。
     
     己の身体能力にすら肉体が耐えきれずに死んでしまったのだと、ドラウスから聞いてしまった時、子を宿す行為はもちろん、胎で子を育むための肉体の変化や出産前の痛みですらこの子は死んでしまうだろう。それどころか、自身の子供を異物として認識してしまえば自分がなぜ死んだのかも理解せず、妊娠を継続する事も出来ずに復活してしまうのではないか、それはあまりにも惨く苦しく辛いことだろうと、このかわいい子を傷付けたくないと誰もが口に出すことはなかった。
     年頃だろうと親族の中から縁談の話があったときも、縁談相手が自身との結婚生活であの子を傷付けてしまったら自分の方こそ耐え切れないと断ったらしく、人間との対立が激しかった頃なんてもし自分たちに何かあったらと、娘を溺愛するドラウスの方から後見人のような形での婚約の話を受けたことが一度だけあったことを思い出した。
     母親であるミラ嬢の故郷である日本で使い魔と二人きりで暮らし始めたのを聞いて、日本に新しく城を建てようという話を聞いてしまえば師としてだけではなく、成長と心の安寧を願った大人として、あまり遠すぎない場所に城を建てることを決めた。
     ドラルクは何よりも無力で無害であるからこそ、例えそれがどれだけ無茶な願いであろうと自身の望むままに手に入れてきた。しかし、唯一の例外としてドラルクが自身の子を抱くという血族を愛する吸血鬼ならば当たり前の欲は決して叶うことはないのだと、周囲は勝手に判断していたというのに、以前この子の顔を見るために新横浜のあの子には相応しくなく、分厚いカーペットが敷いてある訳でもないウサギ小屋のような住居に訪れたあの夜、あの子は新横浜を自分の街だと豪語した。死にやすいあの子にこんな騒がしく粗暴な者の多い街に住ませて良いのかと連れ帰る計画すら立てたというのに、退治人や吸血鬼対策課の人間であってもあの子にとっては大切な友人だからとドラルクを先に魅了チャームをかけずに街の制圧を行ったのは失敗だった。
     今生の別れになるのだからと、別れを告げるだけなら許してやろうと保護者としての感情が強かったのが悪かったのだ。ただ連れ帰ることだけに集中出来ていれば、あの子の友人だからと手加減などしなかった。
     優しい子であることはもちろん知っていたとも。あの子は愛されて育ったから誰かに心を傾けることが当たり前だとすら思っている節がある。二世紀前は吸血鬼にとって人間なんて殆ど家畜のような存在ではあったが、あの子は愛玩動物程度には思っていたのだろう。
     人間を嫌う同胞からは、ダンピールなんて家畜と交わった結果の子供であるとすら考えられており、中立派であろうとなかろうと、すぐさま吸血鬼にするのがダンピールとして生まれてきた我が子の身を守る為にも当たり前であったというのに、ドラウスの一族のものは人間擁護派であったからダンピールとして生まれてきた子供たちのために、ドラルクの母親は法という手段を使って人と吸血鬼の共存を目指していった。だからだろうか、確かに人間など愛玩犬のように感じていた筈のあの子は人間相手にまるで同胞に対するように接し始めたのだ。
     血族でなければあの子の血筋を狙う吸血鬼は多く、人間も一族の逆鱗たるあの子を孕ませでもしてから一族の者を全て滅ぼす算段を立てていたような時代であったからこそ、人間に穢されでもしたら、伴侶や血族を人間にでも殺された同胞から畜生の子を孕んだのだと非難されないように、同胞以外と一夜を共にするような行為は魅了によって吸血の手段を増やすに他ならず、多くの人間を魅了できるのは畏怖させるためには絶好の行いであるが、魅了の力を持たないお前には無理だと何度も繰り返し言い聞かせてきた。
     お前は料理や家事で人間に取り入って、その対価に血を貰うようにと、そうして生きる力を付けろと何度も言い聞かせていた。
     それなのに、同居人たる退治人ハンターの血を吸うこともせず、ただ生活を整えてやっただけ。家畜として扱うように言い聞かせていたというのに、魅了など使おうとせずに料理だけで良いとも言い聞かせてやった。なのに、あの若造に処女を散らされて子まで孕まされてくるとは思いもしなかった。
     愛することが上手いあの子なら、きっと自分で産んだ子を心から愛してその幸福を守り抜くだろう。けれどこの子は日本出身の母親に似て150cmしかない小柄な体だった。出産によって体を壊すだろうことは容易に想像出来るし、だからこそ実家ででも産めば十年は軟禁されるだろうことは分かってしまうのだが、ドラルクは私がそうしないと考えなかったのだろうか。
     眠っているだろうドラルクが何を考えているのか知りたくて、ベッドの上の寝顔を見れば、幼いこの子がオスカーと名付けたテディベアに頬ずりをする姿を見ることが出来た。手入れは欠かさず定期的に行っているが、丁度この子から連絡を貰った前日に手入れを行ったばかりだったのは僥倖であった。整えられた毛並みは移動によって疲れ切ったドラルクに不快感を与え死なせることもなく、幼いころと変わらない顔を見せてくれた。
     この子から連絡を受けてから私の機嫌は最悪であった。城の内から外から吹き荒れる吹雪に、あの子を招いてしまえば確実に死なせてしまうだろう部屋の寒さ。あの子の為に用意していた部屋の暖房を上げ、夜明けが近いと急いで城を飛び出した。ビルの前で呑気に立ちながら私を待つ姿に骨を引き抜かれるような、心臓をそのまま握られたような、とにかく言葉にもならない衝撃に襲われたのだ。
     何がどうして退治人の子供など孕んだのか知れば、あの衝撃が何であるのか分かるのだろうか。あの退治人と結婚して血族にすると言われたなら、婚前交渉について責めただろうし、会う度に若造に対して嫌味を言えるのなら認めることもあっただろう。
     しかし、これは駄目だ。絶対に許すことは出来ない。
    あの退治人は、若造はあの子をビルの前に一人放置し付き添うことも、使い魔を同行させることもなかったのだから。
     はらわたが煮えくり返るどころか、脳が焼け切るような激しい怒りが、殺してやろうかと久しぶりの殺意を思い出させる。退治人御自慢の銀の弾丸を自ら脳に撃ち込ませてやればどれだけ胸はすいただろうと想像するだけで気分が晴れた。しかし200年前ならいざ知らず、それは御真祖様の意志にも反するに決まっている上に、あの退治人はドラルクのお気に入りであるので、流石に殺すという手段はとれない。
     ドラルク、可愛い私の弟子よ。竜の一族の夜明けの子よ。
     私はあの退治人が憎くって仕方がない。ドラルクを育てたのは私だ。私が育てた小さな淑女、小鳥のように自由で子猫のように気まぐれな、いつまでも愛らしいままの竜の雛よ。お前を傷付けるあの人間が、私は憎くて、憎くてたまらないのだ。殺してはいけないからこそ、ひりつくような憎しみが雪のように積もりに積もって、消えてはくれない。
     私達の可愛いドラルク。誰もお前に届かない。
     誰もが我が子あの使い魔以外、誰の愛もお前に届くことはなかったというのに、ただの人間が何もかもを捨てることすら出来ずに、情けを乞おうと縋りもせずに、ただお前を穢して近い未来にお前を傷付けるなんて想像すらしない! なんて傲慢なのだろう。どうしてこうも愚かしいのだろう。
     ドラルクが自身の体質に悩むよりも幸せだと笑ってくれることを何より望んでいた。それが私達の幸福でもあったというのに、お前が死ぬ度にお前が傷付くことの恐ろしさばかりが肥大して、お前を城に閉じ込めることをよしとした。我が子を抱いて幸せに笑うお前の姿が見たいと確かに願ったというのに。
    吸血鬼らしく享楽主義であるお前をあの街に引きずり出したあの退治人よりもお前を長く知っているのに、あの退治人といるだけで私の知らない顔をお前はいくつも見せてくる。
     世間知らずなお前が騙されているのなら、まだ良かった。お前の為だと人間と引き離してドラウスのもとへ帰すだけで良かったのに、ドラルクはあの街で上手く生きている。あの街ではあの子がどれほど弱くとも、儚くとも、私達のように閉じ込めるなんて方法を取らずにそのまま共に遊んでくれる友人が作れた。
     それを、ただの憎しみだけで取り上げたくはなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🌠🌠💖❤🌋🌠❤❤💘👍👍👍👍👍👍👍👍
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    nemurinekomaru

    PROGRESSロナドラ♀里帰り出産の続きです。
    この章から三人称視点です。
    ギリギリさんとの友情を深めている〇です。
     新横浜からドラルクが出て行って、そろそろ1年という時間が経った。朝目が覚めたら棺桶のなかはもぬけの殻となっており、何の書置きもない状態で出て行ってしまったのだと、日に日に草臥れながら語るロナルドに周囲の人間はついに痴話喧嘩のひとつもして出ていかれたのかと囃し立てたが、ロナルドはただ自分が悪いのだと言うばかりであったので、これはもしかしたらとうとうロナルドがドラルクに告白して、びっくりして父親とかのもとに逃げられてしまったのではないか? という憶測がギルドのなかで飛び交っていった。
     他人の恋路なんてものは最高の娯楽であると相場が決まっていると退治人相手に吸血鬼たちは笑う。人間に分かりやすく言い換えるのなら、田舎で退屈している親戚や老人からお見合いや結婚を勧めてきては、孫はまだかとせっつくのと一緒であると、野球拳大好きによって解説された。三男の下半身透明を息子のように育てきり、現在では野球拳という明らかに日本に来てから目覚めたであろう性癖によって頭ポンチになっているのだから、説得力が違う。
    6222

    nemurinekomaru

    PROGRESSロナドラ♀里帰り出産の続きのノス視点です。
    ノスはドラちゃんを娘みたいに思っているので、元から眼中になかったロナ君を許せないしちょっと嫉妬している。
     慣れぬベッドの上でくうくうと寝息を立てながら浮かべる寝顔はいくつになっても幼いままだった。200歳を超えてもこの子は何も変わらない幼さを持ち続けていることに何度安堵しただろう。
     ドラルクからの呼び名がノースディンおじさまから師匠せんせいへと変わり、生意気な口を叩けるようになったのは反骨神を育てることに成功したというのに、昔買い与えた真っ白なテディベアを抱いて眠るいつまでも小さく手のかかる弟子が、たかだか二十年と少ししか生きていない人間の若造の子を孕んでいるという事実が何より耐えがたかった。
     人間なんてあと五十年もすれば老いてしまうのだから、その頃には幼いあの子は飽きてしまうだろうからと、共に暮らすことを許した結果がこれだった。ダンピールのような交じりものを産む気なのかと問い詰めたくなってしまったのは、この子の言う通りロートルと呼ばれるべき古い考えに固執している証拠ではあるのだが、二世紀は前のあの子に吸血鬼としての生きる術を教えていた時期を考えると仕方がないものでありながらも、ドラルクのためにあるこの部屋以外の城の惨状が自分の感情を抑えきれていない事実をハッキリと告げてくる。
    6551

    related works

    recommended works