Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    さゆの

    @sayuno315

    書いたSSとか投げてます

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 6

    さゆの

    ☆quiet follow

    第2形態発生、討伐活動開始です。
    この時点でもかなり疲労していますが叱咤して戦っています。

    ##機密隊高月

    決意討伐要請を受けて、どれほどの時間が経ったのだろうか。
    視認できる範囲での目玉が全て破壊された頃、大きな音を
    立てて大型分霊が地上へと崩れ落ちた。

    「…お、わった…のかなぁ」

    一気に力が抜け、ため息を吐く。あぁ、疲れた。
    時計を見れば日付を跨いで深夜の2時頃、これほど長い間、
    術を使い続けるのは初めてじゃない?
    冷静になってきた頭で色々考えながらハジメさんを探す。
    あれほど大きな分霊なんだから、蓄積される穢れの量は計り知れない、出来るだけ早く浄化出来るようにしないと…

    「っ…?」

    そこまで考えて、ぞくりと悪寒が走る。
    咄嗟に分霊へと目を向ける、瞬間横たわっていた巨躯が空へと浮かび上がり、光を放って消えていく。
    そして、光の中からボタリと大きな音を立てて
    何かが生まれ、落ちる。
    本能が警鐘を鳴らしている、あれは危険だ、警戒を緩めるな、と。
    まだ終わってない…いや、これからが本番だってこと?

    「…え?」

    落ちた何かの様子を見に行った職員の一人が、頭を貫かれて死んだ。
    唖然としているうちにそれがゆらりと身を起こす。
    上部に浮かぶ赤い目玉、10メートル以上はありそうな体躯は鮮血に染まっており、多数の触手が次の獲物を狙って揺らめいている。

    「分霊が、人を殺したの…?」

    呆然と眺めているうちにまた一人、一人と職員が大型分霊に貫かれて死んでいく。
    明らかに人の命を奪う為の行動、分霊が人を攻撃しないなんて常識は一瞬のうちに覆されたのだ。
    他の職員が恐怖の声を上げている、逃げている人もいた、
    気持ちは十分に理解できる。
    わたしもここから逃げ出したい、見つかっていない今のうちに屋上から降りて、影に隠れながら…

    「…ダメだ、そんなの」

    恐怖に震える足を叩き、ジャケットからストックの呪符を
    取り出して構える。
    正直怖い、めっちゃ怖い、だけど決めたじゃないか。
    あの分霊を倒すまではわたしも倒れるつもりはないって。
    中区を、実家を守るために諦めないって。

    「まずは足止め優先、次に討伐…」

    人を殺すことが目的であるならもっと人のいる場所を
    狙うはず、ならばエリア外から逃さないように討伐するのが目標になる。
    それならわたしがやるべきことは二つ、ハジメさんの
    サポートと出来る限り触手を落とし続けること。
    やるしかない、やらなきゃ死ぬんだ、わたしも、家族も、
    みんなも。
    諦めない、守り通して見せるから、絶対に。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works