両手に拳銃を構える暁人。目の前にはスーツ姿のマレビトがうろついている。深く呼吸をして1歩踏み出す。気づかれないように近づくと引き金を引いた。それに続いて連射をして、両足でマレビトの首を絞めて宙返りをする。するとカチカチと弾丸が切れる音が聞こえてきた。銃から空のマガジンを出すとマレビトに蹴っ飛ばした。そして動きながらマガジンを挿入する。空のマガジンを蹴飛ばしてまた挿入する。それを何度も繰り返していく。
「チッ」
手持ちが無くなったのか舌打ちをしてアイアンメイデンを出現させるとその中にマレビトを蹴飛ばした。そして蓋が閉まる。
「これで終いだよ!!」
スーツ姿のマレビトは消えたが、今度は首の無い学生のマレビトが現れた。今度は散弾銃を両手に持ち、前に突き出しながら鉛玉を拡散させていく。
「潰れろ」
倒れているところを突如現れた墓石で押し潰される。弾がなくなると銃身を握り、殴り飛ばす。コアにクリーンヒットして消える。さらにマレビトが追加で現れる。
「死にたいやつからこっちにこい!」
これは本気の台詞だ。マシンガンと弾帯をスカートの中から引っ張り出して構える。そして引き金を引くと大量の銃声が鳴り響いた。しかもブレイクダンスをしながらだ。
「あの世への一方通行だ!」
四方八方に弾丸を乱射し、それと同時に薬莢をばら蒔いていく。マレビトは一瞬にして消えてった。
「殺ってやったぞクソカスがぁ!」
暁人はガッツポーズをして満面の笑みを見せる。おい台詞と表情が合ってねぇぞ。一段落したあと、俺と暁人で会話していた。
「暁人お前、最近何かあったのか?やけに弾の消費が多いんだが」
「別に(バンッ)何も」
「あとこの前借りた漫(バンッ)画なんだが」
「ああ、郵便受けの中に入れといて」
「お前の読む漫画正直に言っ(バンッ)てヤバい、拷問シー(バンッ)ン多すぎる」
「そうい(バンッ)う漫画なんだよ」
「お前稼(バンッ)いだ金は何(バンッ)に使ってんだよ」
「本(バンッ)」
「何の?」
「銃や刃物関連の(バンッ)本、拷問辞典、人体解剖」
「物騒だなおい」
「最近は完全自殺(バンッ)」
「お前話する気あるのか?」
「何?」
「何じゃねぇよ」
会話をしながらノールックで撃つなってことだ。しかも全弾命中しているのが逆に凄いんだが腹立つなコイツ。
「倒すか会話するかどっちかにしろ」
「え?」
「えじゃねぇよ」
「は?」
「はでもねぇよ」
ツッコミを何度もする俺の身になれ。
「KK」
「なんだ?」
いきなり銃を構えて撃ち抜いた。危うく当たるところだったぞ。
「危な!」
ドサッと後ろから何かが倒れる音がした。振り替えるとマレビトが掴みかかろうとした状態で倒れ、消えてった。
「いきなり撃つなよ」
「だって後ろにいたから」
「一言言ってくれ」
「今言った」
「そうじゃねぇ」
俺は頭を抱えて家路を歩いていった。