交流11-1 夜の気配を払う柔らかな陽射しが地平線を舐め、なだらかな丘陵を徐々に緑に染め上げていく。先日、一緒に町に繰り出した「姫」の集いで、唯一の男性型だった同族の核石に似た色の美しい金色の陽射しだ。ヒールの高いサンダルの踝を越え、素肌を擽る足元の草に滴る陽光を湛えた朝露は、白真珠のような清廉な煌めきを放っている。都市の外壁に自生する野茨へと目を移すと、その枝を蝸牛が這っていた。
地上の巻貝は、荒々しい刺を呑み込みながらゆっくりと、愚直に、枝の上を流れていく。ややあって、鬱蒼とした木々の狭間を縫うように軽やかな雲雀の囀りが耳を擽った。詩人であればこの光景で詩でも詠めそうな、美しい朝だ。
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