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    めてぃ

    結界師正良の妄想をほぼ壁打ちでただ垂れ流すだけのアカウント。
    あとは自作正良ぬいで色々と写真取ってます。
    メモとあるのはほぼ小説かほんとにメモだけです。
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    めてぃ

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    とある休日。
    モブ子は見た。
    カフェであっち向いてホイをやる兄弟を。

    友達がスタバで見たという兄弟の話を聞き激萌えしたので、それを基に一部脚色しながらすみむら兄弟で再現しました。私もこの目で直に見てみたかった~

    私、モブ子。
    今日は、限定のフラペチーノを飲みにいつも行くカフェへ。
    休日ということもあり若干混みあってはいるものの、広い店内のおかげでまだ座席は余裕。あたたかな陽気に誘われて、外の座席でくつろいでいる人もいる。カウンターで商品を受け取ると、空いていた席に座る。
    季節ごとに変わるこの限定メニューを頬張る瞬間がなによりの幸せだ。つい笑みがこぼれてしまう。
    そんな瞬間を噛みしめながら春のあたたかな日差しにぼーっとしていると、目の前のソファ席にいる兄弟が目に留まった。
    兄のほうは中学生くらい、弟はまだ小学校低学年くらいだろうか?
    子供二人でこんなところにいるのも珍しいなと思いながらも、フラペチーノを啜りつつじっと二人の観察を始めた。

    「兄貴、そっち美味しい?」
    「ん?美味しいよ。良守のは?」
    「これ、ちょー美味しかった!」
    どうやら限定2種類あるうち、兄弟でそれぞれ違うのを頼んだようだ。弟のほうはよほど美味しかったのかすでにほぼ飲み終えているが、兄のほうはまだ半分以上残っている。
    弟が欲しそうに見ているのに気づいたのか、兄はそっと差し出す。
    「ひと口飲んでみる?」
    「いいの?」
    いつもはそういうことをされ慣れていないのか、少し戸惑った様子を見せながらも期待に胸をふくらませた表情だ。
    「ひと口な」
    「やりぃ!」
    ひと口という念押しはされたものの許可ももらえたことに安心し、弟はさっそくストローを口にする。
    「わ~美味い!兄貴これ、すごい美味いね!」
    そうそう、私も今それ飲んでるけど美味しいよね、などと心でつい相槌を打ってしまう。
    そのまま勢いよく啜りそうになる弟を兄は言葉で制した。
    「ひと口って言っただろ」
    「けちんぼ」
    「お前は自分の分はもう飲み終わったんだ。それは俺の分」
    そう言われてしまっては返す言葉もない。口から離すとそっとテーブルに置いた。
    「俺のも美味しかったけど、兄貴のも美味しかったなぁ…」
    弟はソファに座りなおすと、そうこぼした。深く座るとまだ足が下に届かないため持て余すようにプラプラさせている。こちらから見れば、欲しくて仕方ないと訴えているようにしか見えない。
    兄のほうもそれに気づいているのか、ストローを咥えつつもその様子を観察している。
    「良守、コレもっと飲みたい?」
    「…別に」
    兄の提案に一瞬目を輝かせたものの、それとは逆にそっけない態度で答える。眉間にしわを寄せ、口はとがったままだ。飲みたいという気持ちと甘い言葉に簡単には乗せられまいという気持ちが必死に戦っているようにも見える。
    「あっそ」
    弟の態度にむっとしたのか、兄もそっけなく答えるとそのまま無言になり窓の外を見ながら飲み始めた。
    弟のほうに目を向けると、今度は縋るような目で兄を見ているではないか。本当は素っ気ない態度をとってももっと構ってもらえるとでも思っていたのだろうか?それなのに、兄に放置されている。
    「兄貴・・・」
    無視されることに耐えられなくなったのか、小さい声で呼びかける。
    その声に目線だけを向けた兄は、何を言うでもなく次の言葉をまっているようだった。
    「ねえ、兄貴ってば!」
    「なに?」
    「もうちょっとだけちょうだい?」
    「え~どーしよっかなぁ」
    ねだられることは分かっていたのだろう。それでも素直にあげようとしない兄は、完全に弟で遊んでいるようだった。
    「おねがい~」
    「んー、じゃあ“あっちむいてほい”して勝ったらあげる」
    「ほんと?いいぜ。俺強いから」
    「いくよ?じゃんけんぽん」
    突如として始まったあっちむいてほい。行方を見守る。すると宣言通り、勝負は弟に軍配があがったようだ。
    「やったー。じゃあひと口」
    嬉しそうに両手で持つと、ちゅーっと吸い上げて満足そうにしている。
    「よし、じゃあもう1回。じゃんけんぽん。あっちむいてほい」
    弟が再度勝負を挑んだ。
    ん?1回だけの勝負ではなかったのか?そう思うものの、いつもやっているのか、兄は驚いた様子もなく相手を続けている。
    今度は、兄のほうが勝ったようだ。同じようにひと口飲むとまたテーブルに戻す。
    「じゃんけんぽん」
    まだまだ続くようだ。一方的にどちらかが勝つというよりかは五分五分のいい勝負で残りのドリンクをそのまま半分こで飲み干すかのように思えた。
    だがふと気づく。勝負の数の割に中身がそれほど減っていない。おかしいと思いつつよく観察してみる。
    すると、兄が勝った時はストローを口にはするもののほとんど減っていない。逆に弟が勝った時は中身が減っている。これは!
    きっと、弟が飲みたいのを知っていてそれでも素直に譲らず、あえて勝負と言いつつも、ちゃんと弟が飲みたいだけ飲めるようにしてあげているに違いない。
    その証拠に、弟が勝って嬉しそうに飲む姿を、やさしい眼差しで見守っているではないか。だが、弟は飲むことに夢中でそんなことには全然気づいていない。
    結局、何度かの戦いののち最後は弟が飲み干した。
    「良守は強いね」
    「俺、あっちむいてほいなら兄貴に勝てる自信ある!」
    そう、それはきっと弟のために兄が負けてあげているからに違いない。ただ負け続けると不審に思われるからあえてたまに勝ちを入れているのだろう。
    はぁ、この兄弟尊すぎる!
    そんなことを考えながら兄弟を見ていると、父親らしき人が小走りで近づいてきた。
    「ごめんね。待たせちゃったね」
    そうか。父親が買い物を済ます間、兄弟2人でここで待っていたのだ。子供だけでいた理由に納得。
    「ううん!兄貴と勝負してたから」
    「そう?正守もありがとね」
    「うん」
    「ねえ聞いて!俺、兄貴に勝ってフラペチーノもらったよ」
    席を立ちながらも、父親に一生懸命さきほどの話をしている。よほど嬉しかったのだろう。それを微笑みながら聞いている父親と兄。仲の良い家族なのだろうな。
    話に夢中な弟に続いて立ち上がった兄は、置きっぱなしになっていた空のカップをそっと手に取ると2人に続いて店内を出ながらゴミ箱に捨てつつ2人を追う。
    あの家族の今日の晩ご飯はなんだろうなと考えてしまっていた自分がいた。
    ふと、気づくと自分のカップも空になっていた。あの兄弟を見ながらいつの間にか飲み干していた。楽しみにしていた新作だったはずなのにあまり味を覚えていない。だが、それ以上に美味しいものを飲んだ気分だ。
    さて、そろそろ帰ろう。今日はなんとなく幸せな時間をもらえた気がする。よし、明日からの仕事も頑張るぞ!
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