卵焼き（乾海）あれは、中学生の頃だったと思う。
俺と乾先輩がまだ部活でダブルスパートナーだった頃、俺は先輩のことが好きで、先輩も多分俺のことが好きだった。

ある日、何がきっかけだったか忘れてしまったが俺は先輩に弁当を作ってやることになった。母親に事情を話して早朝にキッチンを借り、俺のと先輩のと、平日だから父さんの分の弁当を作った（葉末は給食だ）。

昼休みに校庭の端の奥まったところにあるベンチで待ち合わせた。辺りの地面を赤茶色の落ち葉が埋め尽くしていて、少し肌寒かったのを覚えている。外で弁当を食えるのは今週までだろうねと先輩が言って、だからこのタイミングで俺に弁当を持ってこさせたのかと思った。

先輩が一品一品に感想を言おうとするのが恥ずかしくて、早く食えと急かした。人がめったに来ない場所を選んではいるが、こんなところを誰かに見られてしまったら言い逃れはできない。

ミュレポ(腐)4th不動峰公演 8/7昼

クラップユアハンズ(アンコール曲)で乾海が肩を組んだ！
真隣にいて単に肩を組んだ、とかそんなチャチなもんじゃあ断じてないんだよね。時系列で書く。
青学パートのラストで青学が一列に並んで「青学！青学！×3回」する時は並びが決まってて、下手から乾、海堂、荒井で並んでる。海堂はほぼ毎公演両隣と何かしてると思われるけど今回は２回目で乾と目を合わせて、３回目で荒井をちょっと気にしてた。クラップユアハンズの乾は海堂に自分から積極的には絡まないけど、海堂が絡んでくるか確かめるように(水を向けてるのかも)よくチラチラ海堂を見てる(見る時は目線だけじゃなく顔ごと向けて見る。半分くらい不発に終わる)。この時も何回か海堂を見てたけど割と不発だった。

海堂が乾を起こす話瞼のすき間から光が漏れ入ってくるのを感じて、海堂は目を開けた。
いつもと違う色の天井を見て、乾の家に泊まっていることを思い出す。
横を向けば、まだ意識は夢の中にある乾の姿。起こしてしまわないよう気をつけてベッドから抜け出した。

まず向かうのは洗面所。洗顔し歯を磨く。
次に台所で朝食の準備にとりかかる。
この台所を使わせてもらうのは何度目だろうか、と海堂は考えた。乾の両親の不在時に海堂が乾の家に泊まることは、最早恒例になりつつあった。寝汚い家主に代わって朝食の用意をするのもいつものことである。
ヤカンを火にかけ、冷蔵庫に有り合わせの野菜で簡易なサラダを作ると、部屋に乾を起こしに戻る。

夜も朝も強い海堂とは違い、乾は夜更かしにはカフェイン摂取が欠かせないし、朝はなかなかスッキリとは起きてこない。