アンダードッグ・キャットファイト「あたしのこと裏切ったのね!」
かん高い怨嗟の声に、暁人は震えあがりKKは小さく肩を竦めた。単純な『経験値』の差だったが、相棒の反応が慣れたように小さなもので、暁人はひっそりと唇を噛み締めるほかなかった。
こういう仕事をしていれば、男女の縺れなんて話は嫌というほど耳にはいる。
この力をはじめに手にした日だって、そのような依頼はいくつかあったのを今でも覚えている。初めこそ怖いとか、どうしようとか、なんとかできないかあれこれ考えてみたりもしたが、今は悪霊化するタイミングを探り即浄出来るくらいになっていた。
「ざまあみろ、このアバズレ! アンタなんか遊びだったのよ!」
「うるっさい! 長いこと浮気されてたくせに!」
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