現代AU/都会のジムで、忘羨が出会う回。藍湛は、ジムへ来ると淡々とその日のトレーニングをこなし、シャワーを浴びて帰るだけの利用客だ。十代の頃から体を鍛えることにこだわってきて、トレーニングについても学習してきた。だから行きつけのジムにパーソナル・トレーニングのサービスがあっても、特に受けたいと思うことはなかった。魏嬰というトレーナーを知るまでは。
魏嬰は藍湛と同年代に見えた。その夜も、藍湛がチェストプレスで大胸筋を追いこんでいると、彼の声が聞こえてきた。ほかの利用者が魏嬰のパーソナル・トレーニングを受けていた。藍湛はそれを見て感心した。
トレーニングというのは結果が出るまで時間が掛かる。運動を単調で退屈に感じ、通って来なくなる利用者も多い。
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