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    kumaneko013

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    kumaneko013

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    いつもアデくんに押されまくり流されまくりの殿下が、たまにはやり返そうと頑張る話です。この先R-18展開になる予定なんですが、なかなか書き進められないので一旦途中まで…。

    「あ、あのう……殿下……?」
     ベッドで仰向けに横たわり、両手を頭上に掲げた俺と。
     そんな俺に跨がって、上半身を少し前のめりにした体勢で、黙々と手元の作業を進めているアレイン殿下。彼は持参してきた白いリボンのようなものを使い、俺の手首をまとめて縛り上げると、そのまま枕元の木枠にギュッと結びつけて固定した。ちょうど柵みたいな意匠が施されていたため、縛りやすかったらしい。
    「──よし、できたぞ。アデル、腕は痛くないか?」
    「え? は、はい。それは大丈夫ですけど……」
    「そうか」
     相変わらず俺に跨がったまま、一仕事やり終えた感を醸し出している殿下を見上げながら。どうしてこんな展開になったのだろうと、俺はぼんやり思い返していた。

     町の宿に泊まる事になった、その日の夜。
     俺の部屋を訪ねてきた殿下とベッドの縁に腰掛けて、最初は他愛ないお喋りに花を咲かせていたのだが──
     何せ二人きりの室内だ。話しているうちに、次第に『そういう』雰囲気になり始めて。どちらともなく顔を寄せ、唇を重ねたのをきっかけに、ベッドの上でイチャイチャしていたら、
    「ん……アデル……」
    「はい?」
     ベッドに押し倒した殿下の額や頬、唇に軽くキスを繰り返していた時だった。殿下が俺の名を呼び、何か言いたそうにしているから、俺は一旦身を起こして殿下の次の言葉を待つ。
    「実は今日、アデルにちょっと頼みがあるんだ」
    「頼み……ですか?」
     すると殿下は少し恥ずかしそうな表情を浮かべ、こくりと頷く。
    「その、ここから先は、俺に任せてみてはくれないだろうか」
    「へ? 殿下に?」
    「ああ。いつも俺がアデルにいろいろしてもらってる……というか、されっぱなしな事が多いじゃないか。この前の姫はじめの時も、何だかんだでアデルに流されてしまった気がするし……」
    「そ、そんな事もありましたね!?」
     年が明けてからの初えっち。
     どうやら殿下は姫はじめというものを、真っ当な新年の行事だと思い描いていたらしく。俺に押し倒された状態で目を白黒させていた殿下をそのまま頂いてしまったのも、記憶に新しい。
    「だから、たまには俺が……俺の方から、アデルにたくさん触れてみたい」
     その件を根に持たれているのだろうか、という不安が頭を過ったものの、幸いにも違ったようだ。殿下の表情を──頬を僅かに赤く染め、小声で呟いている様子を見る限り、怒っているようには思えなかった。多分、だけど。
     ひとまず安心すると同時に、提案をしてきた殿下が一体どんな事を考えているのか、どんな事をしてくれるのか、ちょっと興味も湧いてきて。俺は深く考えずに二つ返事で『いいですとも!』と答えてしまった。
     その結果が、今の有り様である。
     腕を縛り上げたのは、殿下曰く俺を自由にさせていると、またいつものようになってしまう可能性があるから……という事らしい。とにかく今日の殿下は、俺とのセックスにおいて主導権を握りたいのだろう。
     今の状況に全く不安がない訳ではないし、方向性はちょっと間違ってる気がしなくもないけど、やる気に満ちている殿下も可愛いなー、なんて……

    「アデル」
    「はいっ!?」
     不意に殿下から名を呼ばれ、我に返る。
     気付けばムッとした顔つきの殿下が、俺を半眼で見つめており、
    「どうしてそんなに嬉しそうな顔をしているんだ」
     し、しまった。
     殿下からしたら、今までの行いに対する報復……までとはいかずとも、軽めの仕返しぐらいは想定していたのかも知れない。けど肝心の俺が困ったり狼狽えるどころかむしろ逆の反応で、肩透かしを食らった気分になったのだろうか。
    「きっ、気のせいですよ気のせい! それより殿下!」
    「うん?」
    「これから俺は、一体どんな目に遭わされちゃうんでしょうか……?」
    「……そ、それは、だな……」
     殿下の気を逸らそうと、不安を装った俺の露骨な話題転換にも関わらず。殿下は何やら考え込んで、口籠もる。
     ──しばしの沈黙。
     眉間に少々シワを寄せて思案している殿下に、俺の方から問い掛けた。
    「殿下、もしかして……ここから先どうするか、あまり考えてなかっ……ぶへ!?」
    「そんな事はない! 大丈夫だ!」
     ばん! と両手のひらを俺の顔に押し当てて、否定してくる殿下。そしてどこか自信なさげな小声でもう一度『大丈夫だ……』と繰り返したかと思えば、今度は両手で俺の頬を優しく挟み込み、
    「……ん」
     さっき俺の腕を縛っていた時と同じように上半身を倒すと、そのまま唇を重ねてきた。





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