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    sushidesushiooo

    @sushidesushiooo

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    sushidesushiooo

    CAN’T MAKEこれは半分くらい?
    部屋探す忍岳埒が明かない、向日はそう思った。部屋を探すのがこんなに大変だと思わなかった。忍足の職場の最寄り駅と、自分の職場の最寄り駅を選択して、侑士は最悪タクシーで帰ってきても大丈夫な距離にしないと、あいつ、何がなんでも帰ってくるから、家計に響く、なんて文句という名ののろけを誰に聞かせるわけもなくしながら、それぞれ電車での所要時間を入力。ついでに駅からの距離も指定する。これがファーストステップ。それから、家賃……母が給料の三分の一!なんて言っていたのを思い出しながら、こんなもんか、と上限を指定、寝室は別けた方がいいか?二人は、忍足の不規則な勤務形態のせいで、合わない時は笑えるくらい生活リズムが合わないからだ。「ゆうしー、寝る部屋、別がいい?よな?」「え……なんで?一緒じゃあかんの?俺絶対起こさんように帰ってくるし、岳人は起きへんで、そんなことじゃ」「は?いやまあ起きねえけど……侑士が起きるじゃん……」「起こしてや、おやすみって言えんかったらおはようって言いたいし、いってらっしゃいって言えんかったらおかえりって言いたいねん」侑士は、バカだ。バカみたいに幸せそうな顔をしている。そんなこと言ったら、俺だって起こしてほしい、向日は口元をすこしにやかしながら、間取りの欄を1LDKにチェックを入れる。
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    sushidesushiooo

    MAIKINGこれは四分の三くらい書けてる
    ゆうしが告白失敗し続けるはなし書斎の小窓から、ぼんやり外を眺めていると、突然バケツをひっくり返したように雨がざあざあ降ってきて、あっという間に見える景色が水浸しになっていく。また、雨かあ。今朝、岳人からの連絡に返信をするために開いたスマートフォン、買った時から入っているお天気アプリのアイコンはお日さまマークになっていた気がするけど。夕立か。洗濯物は干していなかったし、まあ、なんの問題もないか。岳人があんまりにもちゃんと傘を持ち歩かないからって、彼の小さめボディバッグにも収まる軽量の折りたたみ傘をこの前の梅雨シーズンにあげた。紺色に、ワインレッドの糸でちいさくブランド名の刺繍がしてあるやつ………少し紫みが強くて、あの頃の八月の日差しに透ける岳人の髪色みたいで、いいなと思ったから。この家は駅から七分程度の立地と、1LDKのおまけにちょっとした書斎スペースが付いていることが気に入って、一昨年の四月から住んでいる。ついこの前更新をした。岳人の家からも実は乗り換えなし。最寄り駅を伝えた時「えっ!俺の家から一本で行けるじゃん!」と言われたので「あ、そういえばそやな」と今気付きましたポーズを取ったけど、そもそもその沿線で探してましたし、というのは伏せておいた。七分程度なら、あの折りたたみ傘でも問題ないだろう。それに、きっと岳人が電車を降りる頃には、きっと雨は止んでいると思う。岳人って俺だけじゃなくてお日さまにも好かれているので。
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    sushidesushiooo

    MAIKINGこれはもう終わりを書くだけ
    心理戦を繰り広げる忍岳とある朝、向日が目を覚ますと、親友兼ダブルスパートナーである忍足のキス顔が目の前にあり、思わずめちゃくちゃ大きい声で「わーーーーー!???!?!?」と言いそうになるのを堪え、かつ、なんかもしかしたら夢かもという疑いがあったので、再度目を閉じた。まぶたの裏側で、必死に忍足の気配を感じ取り、あ、とりあえずどっか行ったなとひと安心する。よかったー。………ん?いや全然よくないかも。あれ?侑士いま、え?えっと………そういう?………一応、断っておくと、向日岳人にとって忍足侑士は親友兼ダブルスパートナー兼すきなひと、であった。なので、おおよそ、状況から判断するに、忍足が向日へ先程行った行為については別になんら問題はなかったのである。ひとつだけ、といっても数としては1であるが、重みとしては400億くらいの問題、があるとすると、確実にしたのかわからないという部分だけ。そう、確実にしたという証拠はない。その、キスを………向日が目を覚ましたのは、もしかしたらくちびるが触れあった後だったかもしれないし、もしくは、触れる前だったかもしれないし、はたまた、そういうんじゃなくて、たまたま向日のまぶたになんかゴミっぽいのが付いていて、たまたまそのことに気づいた忍足がそれを取ろうとして近付いて、たまたま取ったタイミングでまばたきをしただけの可能性だってあるわけで。せめてくちびるになんらか、触れた、そういうタイミングで目を覚ませばよかったのに、ことが起きた前か、後か、それとも何にも起きていなかったのか、そんな、なんとも微妙なタイミングで目を覚ましてしまったのである。ええー………これどーすんだよ………今日日曜日だから、昨日の夜に「アラームかけないで寝る!」とか侑士に宣言してぐうぐう寝てた自分がうらめしい。お、起きたよ〜ってアピールするタイミングが………見つからない………とりあえず向日は大きめに寝返りをうって「んぅー………」みたいな、呼吸よりデカめの、ひとりごとより弱めの、そういう音を発した。
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