「お前まで、呪詛師になっちゃって僕らの世代の信用ガタ落ちだよ〜。まあ、僕のおかげでプラマイゼロ?」
「元々、私たちの世代に信用なんてないでしょ。で、私は処刑ですよね?」
七海建人は、呪力で感謝の同僚を皆殺しにした。
最初犯人は不明となりかけ、調査が難航しかけたところで、五条悟が投入された。
その結果、犯人が十劃呪法の持ち主である七海建人だと判明した。
元々遺体が七三に分かれていることから犯人の目星大体ついていたが、五条悟のその目で正確な判断が下された。
「可愛くなくたなったねお前。でも残念、お前は処刑じゃなくて監視付きで仕事してもらうことになりました〜」
「相変わらず、人手不足ですか。クソですね。」
「それもあるけど、お前の術式を捨てるのは勿体無いと、僕が進言した。」
「なぜそんなことを?」
「七海みたいな、まともなやつをなくすのはもったいし、何より僕の理想を叶えるのにお前は適任だと思ったんだよ。」
「理想ですか?」
「そ、僕の夢強い仲間を育てること。おめでとうお前は、この僕に選ばれた。そして、監視役は僕喜んでいいよ。」
「どこに喜ぶところがあるんですか。全く…でも、まあ好都合ではありますね。」
「好都合って何が?」
「ええ、これであなたを落とす手間が省けそうです。五条さん、あなたが好きです。」
「はあ?ないどうしたの?ついに人殺しすぎて頭イカれた?」
「本気です。学生時代からずっとあなたが好きでした。これからは、本気で落とすのでよろしくお願いしますね?」
「イカれたねお前。前のお前なら、そんなこと言わなかったよ。」
五条はまだ知らない。
大人の魅力を身につけ、大人の色気を纏った七海に骨抜きにされ、七海建人なしでは生きていけなくなってしまうことを。
七海建人がこの世で1番愛するものになることを、五条悟はまだ知らない。
七海建人が粘り強くそれを絆され、やがて結婚にまで至ることをまだこの時の五条悟は知らない