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    ex_lolipop

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    ex_lolipop

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    去年のハロウィンシャイシン

    2020ハロウィン「なんなんですか、これ」
    「何って今日はハロウィンだろ?」

    その答えに、「不満です」と分かりやすくシンの表情が曇った。シャインはそれを完全に無視すると、遠慮など全く感じられない視線で、げんなりと肩を落とすシンを興味深そうに眺め回す。
    この人の勝手気ままな振る舞いに毎回反応していては身がもたないと分かっていながら、どうにも流されやすいシンは、常にシャインのペースに巻き込まれ気味であり、それが日常になりつつあるのが最近の密かな悩みだった。

    「それは分かります、この間もハロウィン関係のお仕事させてもらいましたし。そうじゃなくて」
    「僕にもわからないよ、現代のハロウィンって不思議だよね、どうしてコスプレする日になっちゃったの?」

    不躾な視線に耐えられなかったのか、はたまた勝手に人の体をペタペタと触りはじめたシャインに危機感を抱いたのか、シンがとうとう顔を赤くして大きな声で主張した。

    「知りませんし、戻してください!!これコスプレじゃないですよね、感覚があるんですけど!」
    「それは難しいかな、まだ何もしてないじゃないか」
    「ぼ、僕の体ですよ!?」
    「じゃあ、余計に問題ないだろう?シンは僕のなんだから。ところで、この尻尾とかうまくできたと思うんだけど、どう?」
    「ひっ!触らないでください、なんかゾワゾワします!やだ!」
    「あはは、やっぱりうまくできてた。さすが僕」

    ぶわっと尻尾を膨らませ、毛を逆だてるシンからは本物の猫耳と尻尾が生えていた。おまけに首には、リボンを模した太い革の首輪がつけられている。耳やしっぽの黒く短い艶のある毛並み、月のような金色の瞳、赤と黒の首輪。どれもがシャインの好みで、自信作だった。それが可愛くないはずがない。

    「一応聞いてみるんですけど、なんで猫なんですか?」
    「今日君が猫をモチーフにした衣装を着てたからそれでいいかなって。あと、前にもやってただろう、黒猫」

    今日は撮影でネコとモンスターを混ぜたようなパーカーを着ていた。そして、確かにいつかのハロウィンで黒猫の衣装を着た記憶がある。この黒猫の格好は言われてみれば、あの時の衣装に似ていないこともない。
    は!とシンは手を口元に当てて訝しげにシャインの顔色を伺う。

    「え、あんな頃からいたんですか?」
    「だから!何度も言ってるだろ、君が子供の時からいっしょにいたって」
    「何回聞いても嫌な話ですね、それ」

    本気で眉をひそめるシンにシャインは呆れて肩を落とした。

    「君、僕になら何言っても許されると思ってないかい?…まあ、君が撮影してる間に猫に関する知識はそれなりに得ておいたから、安心しなよ」
    「全然安心できな…っ!?」

    尻尾は長く、不安からか山なりに曲がったそれがゆらゆらと警戒するように揺れている。
    そんなシンの腰をぐっと有無を言わさず抱き寄せると、シャインは当然のようにシンの服に手を入れ、その尻尾の付け根をぐりぐりと押してみる。

    「ゃッ!?」
    「あ、調整に失敗したかと思ったけどちゃんと出るじゃないか、猫っぽい鳴き声…っく、ふふ」

    思わずと言ったふうにシャインが笑うのを、シンは恨めしげに見上げることしかできない。
    しっぽの付け根から背骨をたどりながら背中を撫でてやると、それこそ猫のように喉元を反らして何かを耐えるように目を閉じた。その予想を裏切らない単純すぎる反応が面白くてシャインは余計に調子に乗ってしまうのだ。

    「あく、しゅみ…ひ!」
    「なんとでも言いなよ。猫は、ここに色んな神経が集中してるんだって?どうかな?」
    「ぅ、あ、あ!」
    「ずいぶん気持ちよさそうだねぇ」
    「ち、ちが…!へん、なかんじなだけ、です!」

    シンを抱きしためたまま、尻尾の付け根を軽く叩き、さらに指先に力を込めてなぞる。
    そこからシンの肩にあごを乗せると、もう一度ゆっくり背骨を撫で上げていく。

    「喉は鳴らないのかな?」
    「あ、にゃぁぅ…ぅ」

    たまらず、シンはシャインにしがみつくように抱きついた。
    それに習うようにしっぽがくるりとシャインの体に巻き付く。

    「このしっぽの反応はよくわからないな、どういう意味があるんだい?」
    「そ、んなの…しらない、ですッ」
    「そう?ほらここなんていいんじゃない?猫とどこまで似せられたかはわからないけど」

    シャインはシンに預けていた顔を離して、鼻先がふれあいそうな間近から目を合わせる。
    それにわずかに動揺したシンの、その首周りから顔の輪郭、そして耳の付け根をやさしくなぞるように触れていく。

    「ぁ、…ぅ、にゃ、あ…や、そこ」
    「きもちいい?」

    シャインの体に巻き付いた長い尾がゆるゆるとすり寄るような動きをみせ、耳はぺたりと伏せられ、ぐるぐると喉が鳴っている。言葉よりよほど素直で可愛らしいというものだ。

    「せ、せくはら…」
    「セクシャルハラスメントっていうやつ?それって力関係を利用して行われる嫌がらせって定義で言ってるの?だったら僕たちには関係ないじゃないか」
    「…は?」

    ペラペラとよく回る舌にシンはいつだって押され気味だ。

    「だって、君は今僕のペットなんだから力関係も何もないだろう?愛玩動物にそんな権利存在しないよ」
    「ペット!?これ、ただの仮装で」
    「いいや、ペットだよ。その証拠に首輪だってつけてるじゃないか」
    「っぐ、ぅ」

    首輪と首の間に指を差し込まれ、ぐいっとひっぱられて息が詰まる。
    反論しようとした途端、大人しくしていた指が厭らしい動きで喉元をなぞっていく。
    ぞくぞくとした感覚が背筋を這って、シンの脳をしびれさせた。

    「っあ、は…あそば、ないで…っうあ、ぁ、…くださいっ」
    「そう言われても、こんなおもしろいもの目の前にして我慢できると思う?この僕が」
    「にゃぁ、ぅ…あ、」

    心なしか、シンの抵抗が弱まったようだ。
    追い打ちをかけるように、それなりに整った腹筋の筋を指で辿る。
    すると、シンの金の目が心地よさと快楽にとろりととけはじめた。
    体も既にだらりとして力が入っておらず、シャインにべったりと寄りかかってしまっている。
    満足げにシャインがシンに囁いた。

    「そうそう、素直になった方がいいよ、君は今ねこなんだから」
    「ぅ…なんで、ぼく…こんな目に」

    シンが完全に力を抜いて溶けたようにシャインによりかかると、これ幸いとシャインが嬉しそうにその体を抱え上げてはしゃぐ。

    「ねえねえ、なんだかいつもより体も柔らかくなってるね。これならどんな体位でもいけそうだと思わない?」
    「と、trick or treatすらないんですか!?」

    あんまりな扱いにシンが涙目で訴える。
    そんなシンをジト目で見下ろしてシャインがため息をついた。
    ため息を吐きたいのはこっちのほうだと、シンの目が言っているが、やはりシャインには関係がないのだった。

    「えぇ、面倒くさいこと言うね…どうせ悪戯しかしないんだから、省いたっていいじゃないか。無駄だよ、無駄」
    「こ、こんなのハロウィン関係ないじゃないですかぁ!!」
    「そりゃ君で遊ぶための口実だもの。さ、ベッドで続きしようか」

    よいしょ、とシンが逃げ出さないようにと抱え直し、シャインが歩き始める。
    ベッドのある方へ向かって。

    「や、やだぁあ」
    「ちゃんとまたたびも用意してるから安心していいよ!」

    シャインはシンを抱えたまま器用に胸を張って、ふふんと笑った。

    「なんで得意気なんですか!?ほんと、やめてください!はなして!おろしてぇ!」
    「ネコはわがままだなぁ、ちゃんとしつけなおしてあげるからね♡」

    シャインは機嫌良くやわらかなベッドへシンを投げ込んだ。
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    ex_lolipop

    MEMO臨帝、絶対何回かは別れて元さやに戻ってを繰り返すよね
    その度に周りに甚大な被害が及ぶので二人の仲を知ってる人たちは毎回迷惑を被る感じ
    最終的には熟年夫婦みたいになって、本人達より周りがホッとする迷惑な二人
    臨也も帝人くんも分かりやすすぎる感じで荒れるし、なんやかんや深刻な時はお互いのことしか目に入ってないので、ガチで周りへの被害がすごくて「またか」とか軽々しく放っておけないのだ
    臨帝がガチ喧嘩、または別れた時の反応についてセルティ『なぁ、帝人、私はもうお前がこれ以上傷つくところを見たくないんだ。もう奴を見限ってしまってもいいんだぞ?それが難しいのは分かるが、帝人には笑っていて欲しいんだ』
    お母さん目線的な、悲しそうな感じで諭してくるセルティに苦笑いで「すみません、心配かけちゃって」と返す帝人くん。その後セルティは食事とかに誘ってくれて元気づけようとしてくれる。新羅が「え!またなのかい?臨也の手綱を握れるのなんて帝人くんだけなんだよ、どうか私とセルティのため、ひいては世界平和のためにも元鞘に戻ってくれないか?あいつの気味の悪い泣き言はもう勘弁願いたいんだよねぇ」と笑顔で言ってセルティから鳩尾に一発もらう。セルティが一番漢前。
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