深夜の生クリームフェア 東京は二十四時間働き続けている。
[[rb:月山元>つきやまはじめ]]にとって有り難いことに、この街は夜中の働き口に困らない。
新聞配達、警備員、荷物の仕分け、工事現場、そして何よりも数多く点在するコンビニエンスストア。少し注意して街を歩けば、其処此処にアルバイト募集と書かれた張り紙を見つけることが出来た。
「いらっしゃいませー」
深夜のコンビニに出入りする客は、夜の住人であることが多い。夜勤中の休憩、深夜まで働いて家へと帰るもの、酒のつまみやタバコを買いに来るもの。
「ハイライト」
「ハイライトですね。何箱ですか」
「あー…三つ」
その客はオーナーの知り合いだという男だった。中年の白髪交じりの男で、飲食店をいくつか経営していると店長から聞いたことがある。
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