謎パロオメガバースたいみつ② 事業は順調に進んでいる。大寿は街と国の首都、ときには周辺国へと行き来し、現地の政治家や企業との商談を重ねていた。滞在は年末までの約三ヶ月の予定だ。今は成績優良者の特例という建前で、父のコネのもと、登校せずに課題提出のみで高校の単位をもらっているが、年が明ければ卒業と大学進学に向けた準備も加速する。特に大学進学については───たとえそれが秘密裏に内定しているのものであったとしても───さすがに入学試験を受けないわけにはいかない。大寿が経営者として輝かしい一歩を踏み出す───父に認めてもらうためには、年内にあらゆる交渉事をまとめ上げ、この場所に大寿がいなくても事業が進む状態に整えてから母国に帰る必要がある。反社会的勢力の掃討は、その礎となるほんの一歩目にすぎない。
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