〔61〕スパンダム受け【2023年1月28日】2023年1月28日
立場逆転
長官ロブ・ルッチと諜報部員スパンダム
ルチスパ未満
懐きカクも居る
スパンダインがCP-0総監の役職に就く事になり新しいCP9司令長官が選ばれた。
CP最強と謳われるロブ・ルッチがその役職に就いた。
スパンダインの元でCP9司令長官補佐を務めていたスパンダインの息子のスパンダムは、他のスパンダインの部下たちと同じくCP-0入りする事は無く安全の為にエニエス・ロビーに残された。
CP9司令長官補佐の役職に就いたまま次のCP9司令長官を迎えた。
CP9司令長官に就いたロブ・ルッチはスパンダムの存在には眉を顰めていた。
補佐の仕事はするがそれ以上にドジが目立った。
転ぶ滑るぶつかる落ちる、落とす零す壊す、粗相が尽きない
今まで目を瞑られていたのはCP9司令長官が父親だったからだ
新しくCP9司令長官になったロブ・ルッチはスパンダムを自分の部署から追い出した。
スパンダムはCP5の諜報部員に人事異動になった。
それからCP9司令長官のロブ・ルッチの仕事は忙しくなった。
現場に出る間が無いほど書類仕事が溜まって来た。
今までどうしていたのかと、CP9司令長官の執務室で護衛のように常に直立している諜報部員に尋ねると『元長官補佐殿が全て処理しておりました』と返って来た。
『文官として有能な方ですので』と言われCP5の主管に押し付けた際に喜ばれた事を思い出した。
あんな厄介者を喜んで引き取ってくれるとはと、これ幸いと押し付けた。
追いやった元CP9司令長官補佐官を呼び戻す為にCP9諜報部員数名とトレードする事になるとは思いもよらないロブ・ルッチ長官なのでした。
「長官殿、そうお気を落とさないで下さい。あの諜報部員たちはCP9には向いてないと思ってCP5の主管に態と勧めたんですよ。抜けても問題有りません。それと、グアンハオから来たばかりの若いので、此処に入れるのに向いてそうな人材が居るのですが入れる方向で進めても構いませんか?」
CP5に人事異動された先でCP9の糧になる働きをして戻って来た。
この補佐官の中では全て予定通りだったのかもしれないとCP9司令長官ロブ・ルッチは少なからずスパンダムの事を見直して評価した。
CP9司令長官補佐官に役職の戻ったスパンダムはグアンハオから来たばかりの若い諜報部員を連れてCP9司令長官の執務室の扉を叩いた。
「わしやっていけるかのう?CP最強が上官になるんじゃろう?どんなにわしが凄いところを見せても、そんなもん大した事無いって思われて切り捨てられたりせんじゃろうか?」
「心配するな、切り捨てられたらまた拾って来てやる。お前は優秀だ」
「それなら良いんじゃが」
グアンハオに顔を出して少年と少し面識のあるスパンダムは、新入りの少年を所属部署の主管から口八丁と今後の為になる手土産を渡して譲り受けて来た。
少年をCP9司令長官に紹介した。
道力の情報を添えて
「スパンダムは道力4じゃろう?」
「バッカお前、9有るわ」
「9か」
「お前、鎌をかけやがったな?」
普段見ないギャーギャー喧しい補佐官の姿が見られた。
「弱っちいからわしが守ってやらんとな」
「おれは文官だから現場には出ないんだよ。此処で頭使う仕事すんだよ。現場に行くのはお前ら諜報部員の仕事だ」
これもまた嘘偽りでCP9司令長官の補佐官は諜報活動の為に現地に向かい事前に情報収集したりしてロブ・ルッチ長官に書面で情報を提出し、ロブ・ルッチ長官も暫くの間はスパンダムが現地入りしている事や戦火の中を駆け抜けて諜報活動しているとは知る由もなく、知ってからはエニエス・ロビーに閉じ込めて文官としての補佐官の仕事だけをさせた。
「何ですか長官殿?親父みたいに過保護な事しなくても良いじゃないですか?これでもCPの諜報部員なんですよ?」
「駄目だ。お前は身体的なヘマで命を落とし兼ねない。お前が居ないと書類が溜まって仕事が滞るからな」
「へぇ、評価していただけているので?」
「CP5から連れ戻した時に自分の価値はわかっている筈だ」
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「帰って来た。忙しくなるぞ」
「船が戻ると忙しくなるのか?」
「帰還予定の此処の諜報部員が乗ってんだよ。そいつらはいつも指令よりも多く始末して来るから報告書に帳尻合わせの文面を書き込まなくちゃならなくなるから毎度頭を使わされるんだよ。この作戦で行けって指令出してんのに毎度毎度多く始末して来ちまうから、その指令を出した親父が咎められたりしないようにおれはいつも頭を使ってたわけよ。新しい長官に成ってから初めての帰還だ。グアンハオ出身者だからな、お前の先輩でもあるぞ」
「わし上手くやっていけるかのう?」
「いけるだろう。いけなくても年下を虐めんなよとは釘を刺しといてやる」
グアンハオを出てCP諜報部員になって間も無いカクをCP9に迎え入れて以降、CP9司令長官補佐官のスパンダムの口数は増えていた。
カクと会話をしているからだ
その会話を耳にするロブ・ルッチ長官
騒がしいと思う私語の時もあれば、CP諜報部員として身になる質疑応答であったりもする
政府の船から降り立ち建物内に向かって歩いて来るCP9諜報部員
窓に張り付くようにしてその様子を見ているカクとスパンダム
CP9司令長官の執務室の扉をノックする音がして補佐官のスパンダムが出迎えた。
「長官、ただいま戻りました。⋯⋯て、長官居ないじゃねぇーか。なんで此処に野良猫がいやがるんだ、長官補佐官?」
「ジャブラ、クマドリ、フクロウ、お前たちが中期任務に出てる間に人事異動があってな、CP9司令長官の親父はCP-0総監に昇格し、新しく来たCP9司令長官が今此処に居られるロブ・ルッチ長官殿だ。それとCP9諜報部員は一部CP-0とCP5に人事異動になった」
「野良猫、ロブ・ルッチが長官になっただと?」
「お前を推薦してやってもよかったが柄じゃないだろう?」
「柄じゃねぇーがコイツの下につくのは」
「嫌とは言えねぇーだろ?ほら、報告書出せ。今度は何人多く殺した?」
渋い顔をするジャブラから任務報告書を受け取り案の定予定より多い文面に溜息を吐く
「そういや長官補佐官、もう元長官は居ねぇーから長官のバックの諜報部員共に守って貰えなくなったんじゃねぇーのか?長官補佐官の座を狙う奴に命狙われるかもしれねぇーからあんましこの島の中でも彷徨かない方が良いな」
「そうなのだ。よく生き残っていられたのだ」
「あぁ、CP9諜報部員に入れ替えがあって新しくCP9に引き込んだ新入りとよく一緒に居たからな、手が出せなかったんだろう。グアンハオに居た頃から目を付けていた人材だ。名前はカク、お前たちの後輩になるが同僚だ。目をかけてやってくれ、くれぐれもいびったりとかするなよ?」
スパンダムは任務帰りのジャブラたちと会話して新入りのカクを紹介しながらも上への報告書の筋の通った言い訳の文面を考えていた。
此処までしかないけど終わりでも良いと思うので、おわりだよ⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
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