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    omaenozirai2

    @omaenozirai2

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    omaenozirai2

    MOURNING続きは存在しないよ……
    あにそしとげんさく忘羨 紅葉美しい、どこかの山の中にて。

    「ははーん、なるほど。これが今夜の香炉の夢か。これはなかなか……なかなか面白いじゃないか!別世界の俺たちだなんて!なあ、藍湛!」
    「うん」

     隣に立つ絶世の美人が頷くのを見て、魏無羨はにこにこと笑みを浮かべ、自分の腰を抱く彼の顎をいつものようにくすぐった。それを受け入れる彼の表情も、「いつものことだ」と示すように無表情で、だがその実、鼓動は喜び跳ねていることを道侶である魏無羨は知っている。
     しかし、そんな二人の前に立つ者たちにとって、それは「いつものこと」ではなく。驚愕の表情を浮かべて、魏無羨と藍忘機を見ていた。
     二人の前に立つ者たちの見た目は、二人によく似ていた。違うところがあるとすれば、着ている服と、髪の結い方くらいだろう。この夢に入ってすぐ、魏無羨と藍忘機はこのよく似た者たちと顔を合わせ、互いに指をさして驚いた──指をさすなどということをしたのは、魏無羨と彼によく似た人物だけだが──。言葉を交わすと、魏無羨はすぐに状況と、自分たちによく似た彼らが何であるかを察した。よく似た彼らは、別世界の自分たちなのだ!あの不思議な香炉の力によって、夢の中で邂逅できたのだろう。魏無羨は別世界の自分を魏嬰、別世界の藍忘機を藍湛と呼ぶことにし、そう決めてから口にしたのが、冒頭の言葉だった。
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